2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

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アテネ・フランセ文化センターで成瀬巳喜男の「三十三間堂通し矢物語」を観た。…で、昨晩それについて感想とかを色々書いて、その書いた内容を更新しようとしたら、なぜかそれらの文章がみんな飛んでしまったのである。そのとき既に午前三時で、えー!?何ー…

雪の日

さっきまで書いてたら、今、内容が全部飛んでしまった。こういうミスは初めてである。しかももう午前3時だ。これは普通考えて、かなり悲惨な状態と云って差し支えなかろう。でもまあいいや。僕にとって、皆さんにとって、今週が素敵な一週間でありますよう…

「1969MILES」Miles Davis

asin:B000025SHV 昨日から今日にかけて何度目かのマイルス病に罹った。もう貪るように聴いてしまう。そうじゃないときももずーっとトランペットのフレーズが頭の中に鳴りっ放しである。しかしマイルス・デイビスという人は、本当にひたすら同じ事ばっかりや…

マイルス楽団のシカゴ大虐殺(Chicago Miles Massacre)

そもそもビ・バップにおけるコード・チェンジのスピードとは、今ここに広がっている飽き飽きした現実を、彼方へ置去りにするためのもので、アクセルを踏み込むと何もかも置去りにして疾走する速いクルマみたいなものだ。その愉悦は人を一瞬で虜にし、もっと…

「Complete Live At The Pluggednickel 1965」Miles Davis

asin:B000UVFDRY このコンプリートボックスを買ったのは1992年の事である。発売されてすぐ購入したのだ。一万五千円だった。もう15年以上前だ。雑誌かなんかにそれが良いと書かれていたから高い金出して買ったのだけれど、聴いても正直良いとは思わな…

人間の社会的役割について

「仕事」をおおまかに分けると二種類あって、ひとつはゼロから何かを生み出す系というか、新たな金脈を掘り当てるでも良いし新たな価値の創造でも良いし何でも良いのだけど、とりあえず無から有をつくりだすとか、そういう風に言われる様な仕事がある。クリ…

OKAKURA

とりあえず国家樹立直後の日本で「美術」をでっちあげるというとき、元々の大名や公家のでかい納屋の奥で埃をかぶって積み上げられてるあれらのお宝が、おそらく外国人云うところの「美術品」の品々に該当するんだろうし、それを蓄えてること自体が彼らの云…

伊東深水の「宵」と「雪の宵」

二週間ほど前に埼玉県立近代美術館で伊東深水の「宵」を観た。初めて観る訳ではなかったが、かなり久しぶりに目にして、それであぁ、これはやはり素晴らしい、と思ってかなり長時間絵の前にいた。まずさっと目に飛び込んでくるのが、暖簾と寝そべる女性との…

「あにいもうと」

DVDだが、なんか久々に映画を観た気分だ。気持ちをしゃきっとさせて最初から最後まで観て、やはりとても良かったのだけど、映画が良かったのか自分の体調とかコンディションがいつもより敏感に良いと感じてしまうような状態だったのかわからないところも…

武士也ー

俺が今、ここにこうして存在すること自体には、何の意味もない。俺そのものはすなわち只の肉体に過ぎぬ。肉体はそれだけでは無価値だと俺は考える。その中に殊更喜びだの悲しみだの見出そうとするなど滑稽な所作にほかならぬ。断っておくがもちろん現に今、…

寒い日々

前方から驚くほど冷たい風が自分のからだを押し返そうとするのに逆らって歩く。…あまりの寒さにもうだめーと音を上げそうになる。しかし連日、本当に寒い日が続くが、北の大陸側と較べたら日本の寒さなんて全然大した事なくて、むしろ微笑ましいくらいだとい…

言葉使い

ユニフォームを着ていると、硬い生地に包まれている自分の体が、ギブスに固定されてしまったようで落ち着かないけど、ある種の気持ち良さと安心感も否めない。ごわごわした生地の内側と素肌との間にわずかなすき間があって、そこにたくわえられた体温の生暖…

迷走(Perfume〜大貫妙子へ…)

Perfumeの新しい「Baby cruising Love」/「マカロニ」両A面シングルの各曲はどちらもリズムは立ってるけどややしっとり目な、切なく甘いテイストの曲であった。…で、相変わらずいい感じの曲だと思ったし愛聴してますけど、それはともかく僕の場合、これまで…

「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」東京国立博物館

「みやびな公家文化」とかを全然知らないしあまり興味ないし、和歌や書や、そういう何かについて殊更に知識がある訳でもないし、見た経験を多くもつ訳でもないので、とりあえず何という事も無い印象ではあるのだが、しかし、まあとりあえず自分を抑えて展示…

「映画の天使」

しかし京都とか神戸とかいう町こそが、往年の日本映画を作ったのかもしれない。思わずそう感じてしまうほど、ここでの関西言葉の応酬は面白くて洒脱でプロ意識に貫かれていて凛としている。というか、人間の品性とか上品さとかって、おそらくこういう事だろ…

「続・荒野の用心棒」

CS放映されたのを録画したものを観る。もちろん最初から、これが所謂マカロニウエスタンと呼ばれたジャンルの映画である事をわかって観ているので、どれほど陰鬱であろうが残酷であろうがあまり驚かない。というか残虐描写であるとか恐怖シーンとかの、あ…

男性と女性

両方同時に再生すると楽しい・・・。 「Bitter Sweet Symphony」The Verve (1997) 「Ever is Over All」Pippilotti Rist (1997) さっきMTV観てたらたまたまThe Verveのビデオが流れて、それで「あーピピロッティリスト観たとき何となくぼやっと昔、似たよう…

幕臣を好み候

最近、司馬遼太郎の「翔ぶが如く」を読み始めたのである。今更!!…ノンフィクションとか歴史小説とかのジャンルは、僕は今まであまり読んでこなかった。そういうのは、好きなやつは本当に好きで、それこそクソ長い文庫本が何冊にも渡るようなのを、中学生や…

犬と私の思い出

もう何ヶ月か前だけど、テレビのコマーシャルで、「飼い犬」に見立てられた中年男性が一戸建ての家の庭で四つんばいになって、郵便配達や宅急便など部外者が来ると「誰!?誰!?誰!?誰!?」と騒ぐ、というのがあった。あのテレビコマーシャルがやるたび…

「California Here I Come」Bill Evans

ビル・エヴァンスの左手は本当にスカスカだし、右手も気まぐれで行き当たりばったりのくせに持続力がない。…これは遊びでやってる事なんです。仕事じゃないからいつやめてもいいし、いつはじめてもいいんです。だからどちらの手の動きも、あるべき音をところ…

埼玉県立近代美術館のルノワール

奥底から凍える程の死ぬほど寒い日。気合入れて外出し埼玉近代美術館に行ってきて、企画展・常設展共に観てきたのだが、総じて大変面白くて、心も体も活性化したような感じになった。とりあえず常設で観たルノワールについて書く。 上の写真画像にあるように…

「西鶴一代女」

ぬるぬるーぬるぬるーと横へ流れてゆく。登場人物の運命とシンクロするかのように、形振り構わぬ勢いで、ひたすら見つめつづけて、そのまま、ぬるぬるーぬるぬるーと横へ横へと流れて流れてどこまでも流れきってしまうだけである。それが何かの意味とか何か…

「母は死なず」

一九三九年に第二次世界大戦が勃発し、映画法が制定され、映画の製作・興行に対する検閲などの規制が厳しくなった。四〇年には、国策宣伝を目的とする記録映画・ニュース映画の上映が強制されるとともに、フィルム節減のため、劇映画の製作本数が制限された…

「故郷へのみち 〜石川県 奥能登深見〜」

日本海に面し、三方を山に囲まれた小さな集落に通じる一本の“みち” 集落に豊かさをもたらし、暮らしを変えた“みち”は男たちが出ていく“みち”でもあった。昭和48年に放送された新日本紀行から34年。大地震による土砂崩れで“みち”は遮断された。集落を離れ仮設…

大谷田

すげえよまじで。たぶん儲かってんじゃん?だから今までと変わんないね、ウチら業界的に景気とか関係ないし。前からだけどすげぇ儲かってると思うよ。マジすごいことになってるから。自社ビルでも立ちそうな勢いだから。でも誰と話してもいっつもそうなんだ…

「Aman Iman: Water Is Life」Tinariwen

ミュージックマガジンが年間ベストアルバムという毎年恒例の特集をやっていて、そこに載っていたものの中から幾つか買った中の一枚。Tinariwenを僕は初めて聴いたのだが、最後まで聴いてみてとりあえず結構、感動に近い衝撃があった。おぉーなるほどー!!と…

「戦場のメリークリスマス」

…昔からそうなのだけれど何故だかこの映画の異常な浮薄さを魅力的に感じてしまうのである。冒頭、たけしとトム・コンティが、ジャングルを背景にテクテクと捕虜の集まる広場まで左から右へと歩いて移動していくのがロングショットで追いかけられており、そこ…

カラダたちよ!

たとえば水に浸して濡れた手を拭かず、手からしずくがぼたぼたと滴り落ちるままに指先を下に向けておくと、ある一定の範囲を中心に大粒や小粒の水の跡からなる濡れた広がりを残しますが、丁度そんな感じのぼたぼたした大きい粒や小さな粒が、全裸の自分のな…

「ライトスタッフ」

冷戦時代、ソ連と激しく争っていたアメリカの宇宙開発計画「マーキュリー計画」に従事した7人のパイロットたちや、昔ながらのヒコーキ野郎気質な空軍テストパイロットであるサム・シェパードの姿を主軸に、NASAや政府の思惑とか大騒ぎするマスコミとか…

「夕陽のギャングたち」

「…革命とは暴力である 」毛沢東の言葉が引用され西部劇らしからぬ始まり方で幕をあける。木の幹にびっしりと貼り付く蟻の群れが、浴びせかけられて勢いよく泡立つ小便に溺れて流されていく。70年代の映画特有の汚わいと悪臭と陰湿がこれからはじまる事を…