2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

桐野

先週か先々週くらいに「翔ぶが如く」三巻の途中まで読み進めて来て、なんか飽きてきてしまい、ひとまず中断して別の本に浮気していたりしたのだが、数日前からまた復帰した。西郷が陸軍大将を辞職し、鹿児島へ帰ろうとする後を追って、桐野利秋も陸軍少将を…

旗色不鮮明

要するにあなたは何者なんですか?どういう立ち位置のどういう人なんですか?みたいな疑問をもたれる事は多い。それを気にせず平然としているのは僕には無理である。というか仮に僕がそれで良くても相手の方で困る事だってあるだろうし、最低限「私は決して…

合理的取組み

絵の具とか顔料というのは「のせる」とか「こすりつける」とか「付着させる」ものなのだろうけど、同時に「剥がれる」とか「のらない」とか「かすれる」とか、そういうものでもある。思ってる以上に付着してしまった状態と、思った以上に付着しなかった状態…

スローダウン

自分をつい絶対化して考えてしまうのは、良くない。自分をしっかりと保つという事と、自分を常に相対化して考えるという事をうつくしく両立させられたら、それは素晴らしい事である。中国について考えるなら、自分が中国人になったつもりで考え、沖縄につい…

わざわざ「自分探し」しなくても今そこにある私

まだ学生の頃、はじめて榎倉康二の「予兆-海・肉体」とか「予兆-床・手」というタイトルの写真作品観たとき、ある種の軽い反発心を覚えた事を覚えている。なんだ、この素朴・実践・原理主義みたいな作品は??と思って戸惑った。その「予兆-海・肉体」という…

ベニヤ板としての私

「物」というものがあらわれたとき、それは最初から既に、複数の意味がべたべたと付与されている総体としてあらわれたのだろうが、それらの「物」同士を組み合わせて作られた美術作品というものとは、そういう「物」に何かを加えた結果なのか?それとも何か…

「カルメン故郷に帰る」

初の国産カラー映画の撮影を成功させるという、その新技術に挑戦するという作り手の意志が映画全体に与えている影響は少なくないだろう。映画の作り手側というのは、クリエイターでもあればエンジニアでもあり、かつ場合によってはマネージメントもしないと…

クラクラ日記

元々「日記」はかなり昔から書いたりしていた。小・中・高・大学くらいまで、所々欠けてるけど大体書いてる。まあしかし、書いたものをこんな風に直接外部に晒して公開するなどという事ができる日が来るなんて、想像もできないような時代だった。昔の日記な…

喫煙老人

先日、NHKで放映した「市川崑さんをしのんで −映像美の巨匠 市川崑」というのを観た。先ごろ亡くなった巨匠・市川崑監督、83歳当時の、映画「どら平太」の撮影現場の密着と、これまでの数々の作品を通して、市川崑の姿をあますところなく紹介するテレビ。…

Search & Listen

二〜三日前から、暇さえあれば動画サイトでひたすら他人の作ったPerfumeのRemixとかマッシュアップばっかり観て聴いてるだけです。すごい良いのが多いので、ファイルを取り込んじゃってもうしょっちゅう聴いてるのですが、そのせいかわかりませんが、何も文…

くるり with ウィーン・アンバサーデ・オーケストラ ふれあいコンサート ファイナル

【出演】くるり /【番組内容】2007年12月12日にパシフィコ横浜で行われた「くるり ふれあいコンサート ファイナル」“ウィーン・アンバサーデ・オーケストラ”とウィーンで行なったリハーサルの模様や、曲への想いを語ったインタビューも併せてお届け…

川俣正[通路] 東京都現代美術館

圧倒的に面白くて、会場を立ち去りがたい気持ちにさせた。これはかなり予想外の事だった。可能なら会期中、もう一度か二度くらい訪れたいと思った。…というか、僕が実際、川俣正の作品をまともに観て何か考えたのって、今回がはじめてなのだと思う。川俣作品…

「マルホランド・ドライブ」

予想より全然面白かった。二時間半の長尺が長く感じられないほどである。またこの映画でやりたかった事と「インランド・エンパイア」でやりたかった事がおおむね一緒である事もわかったし、かつ「インランド・エンパイア」こそが、持続するひとつの意識で続…

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」

公開の時以来だから20年ぶりの再見で、もう忘れている筈の細かい部分とかがさぞ新鮮だろうと期待して観たのだが、思った以上に一個一個のシーンをかなり細かく覚えていて、いくらなんでもさすがにこれほどまで細かく覚えている筈がないと思うので、その後…

今日の終りの始まり

連休をひたすらダラダラと過ごす。東側の窓から午前中特有の透明度の高い新鮮な日差しが部屋に降り注いでいるのだが、あえてその爽やかさに叛くかのように、いきなりワインなどを冷蔵庫から出してきて呑みつつ、真タコをぶつ切りにしてガーリックの薄切りと…

「妻」

CS放映を録画で。…一緒に観ていた妻がお話の途中で「これは夫婦で見る映画ではないでしょう」とかなり不満そうに云うのである。それを聞いて僕はやや呆れてしまい「お前これは只の映画であって、お話なんかも完全に紋切り型の、なんでもないような不倫話な…

YOKO KATO展「藪漕ぎ」(2/4〜2/14)

表題の展覧会を観にギャラリー福山へ。恐ろしく寒い曇りの日で、鼻先や耳朶が感覚を失くすほどの強い冷気に包まれていて、コートの前を顎の下までしっかりと合わせないと内側に残る温もりがあっという間に逃げていきそうだ。カラダをこわばらせたまま、東銀…

「ロートレック展」サントリー美術館

ロートレックは、ポスターなどの仕事とタブローあるいは油彩を用いたクロッキーのような仕事とで明確にやってる事が違う。まあ役割が違うのだから当然かもしれないが、僕は今のところ個人的な好みとしてポスター仕事にあまり興味をもってなくて、展示会場で…

Space Pirate Captain Herlock

録画したままの映画が溜まっている。早く観ないとなあ、と思いながらも、なぜか観ずに今夜も過ぎた。ご丁寧にレンタルショップからも借りてきていたりする。…一体いつ観るのか?? 普段、漫画をまったく読まないのだが、今日は何となくブックオフの漫画が並…

京都(洲之内徹「気まぐれ美術館」より)

馬込に越してくると、妻の使いで、子供がよく、山王のアパートへ、私に金をもらいに来た。妻が晩のお菜代にも困っていると察しはついても、そういうときは私にも金がない。ないと言うと、使いは子供だからあっさり帰っていくが、それが却って憐れで、私は二…

「花ひらく 真知子より」

無条件降伏後、マッカーサーとGHQはとにかく一刻も早く、日本に西欧型民主主義を根付かせようと躍起になっていた。混乱させずに、無理なく過不足なく、手なづける事。目の前のカオスを管制下におく。彼らを無理なく、ある方向へと導かなければならない。…

今日は二度目の今日

「時をかける少女」をCSにて(そんな気はなかったのについ最後まで)観る。…大林宣彦は偉い。立派だ。これこそまさに「イメージ通り」なのではあるまいか?恥ずかしかろうが何だろうが、このように、やりたい事を確実にやり遂げたというのがすごい。まったく…