2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

願望の店

仕事の帰りに一杯だけでいいから呑みたいのだけど、あんまり本格的なバーとかは気後れがするしカウンターで独りでカッコつけてるみたいな状況になるのも嫌だし何より店の従業員と話をしなきゃならない雰囲気になるのが億劫でめんどくさい。でもそういう面倒…

トウキョウソナタ

恵比寿ガーデンシネマにて。これは素晴らしかった。最初の数シーンだけで、全身を戦慄が走った。ああこういう感じ久しぶりだなあと思った。観終わって、映画館を出てからもしばらくの間は深い余韻にいつまでも包まれて、あまり言葉を発することもできず、延…

Change

その行為に疑いがないから密度が高まるのである。半信半疑だと、密度というのはなかなかあがらないものだ。ただし半信半疑であることが悪いわけではないとも思うが。いずれにせよ、良いと思ったらとりあえず、そのままひとまず何も考えずにどんどん旅してし…

桜(4月)/瓦礫(9月)

フェルメールを観て

先週の土曜日はフェルメール展に行ってきたのである。思ったほどの混雑ではなかったが、でもやはりかなりの人である。とはいえ、ここ数年間の間だけで、現存するフェルメールの全作品のうち、我々日本人は何点を観ることができたのだろうか?それはもう、多…

過去作品再見

2007年に展示したときの作品を久々に引っ張り出してみたら、なんというか、これはもう予想ををはるかに超えて、驚くほどそれら過去の作品群が、自分には素晴らしいものに思えてしまい、その事に戸惑う。。これらは明らかに問題を含んでいるものという認識を…

「妻の心」

まさに成瀬の「夫婦もの」そのものであり、相変わらず、本当に気が滅入るような陰湿でじめじめとした、人間の身内同士が寄り集まって牽制し合っているときの、ほとんど鼻の奥を刺すような強烈な臭気が漂っていて思わず顔をしかめてしまうかのようなお話であ…

山田正亮を観て

方法が完璧に確立しているような、確定的な部分と揺らぎを含んだ不安定な部分とのバランスも、フレーム内において絶妙な案配で配置されていて、一画面上で絵画である事の素晴らしい拮抗と干渉が展開している。自信と安定感に満ちた、洗練されたスタイリッシ…

中西夏之を観て

弓型に反った竹が、その円弧を接するようにして画面に取り付けられており、画面内のイメージはあたかもその状態に強く反応し、磁力に反応した波紋のようにも見える、同じような取り組みで80年代につくられた作品が三点展示されていて、これらは僕としてはと…

ジャスパー・ジョーンズを観て

ジャスパー・ジョーンズは昔から好きな画家であった。大方の人がラウシェンバーグから受け取るのであろう感覚を、僕は高校生くらいのとき以来ジャスパー・ジョーンズから受け取っていたような気がする。もちろんラウシェンバーグも同時期に知ったはずなのだ…

キーファーを観たり岡崎乾二郎を観たり

鉛や毛髪といった素材を組み合わせた、物質そのものの迫力と物量のスケールで、誇大妄想がそのまま具現化したかのような勢いで観るものを圧倒すると共に、その内実の空虚さや構造の脆弱さ、ハリボテの頼りない感じをコワモテで覆い隠そうとしながら隠し切れ…

キーファーを観て

先週の土曜日に軽井沢セゾン現代美術館へ行ってきた。(良し悪しの印象ではなく)印象に残った作品といえば、キーファー、トゥオンブリ、中西夏之、ジャスパー・ジョーンズ、岡崎乾二郎、小林正人、中村一美、山田正亮といったところ。ずいぶん昔に買った所蔵…

大西順子トリオ(Blue Note東京)

青山Blue Noteで大西順子ライブ。相変わらずの感じであるが、でもHow High The Moonで演奏がじょじょに熱を帯びてきて回転数が上がり始めてトップギアにシフトチェンジされてからの、ピアノの右手がもう勢いに任せて畳み掛けるように旋律を駆け下りていくと…

Rhythm is Rhythm

Djは音を作り出す訳ではない。音は、自分と無関係に最初からそこにあるので、その音をとにかく無事であるように見守り、脱輪や混沌に至らないように必要に応じて一瞬だけ支えてあげたりするのがDjの仕事である。 Djとは、場になにかを付け加える事が仕事なの…

二箇所/ターンテーブル

ターンテーブルが2台ないし3台あるということ。一台のターンテーブルでレコードを再生して、フロアに音楽が溢れはじめたとしても、そのグルーブをどこまでも持続させるためには、少なくともターンテーブルがもう1台いる。そして、1台から再生される音と、も…

夜、眠いとか明日の予定がとかに関わらず、つい徹夜してしまうのは、夜の12時くらいから未明までという時間の単位が、この上なく縛りの無い、無制限な、もっとも適切に分配された好ましい時間のひときれだからだろう。これを単純に6時間くらいと割り切って、…

Google

書くことがないからどうでもいいことを書きますが、最近googleからリリースされたgoogle chromeというブラウザは見た目もシンプルでわりと良いと思うけど、自分にとってどうしても無視できない致命的問題として、なぜあのブラウザはgoogleツールバーが乗らな…

機械の体

この前たまたまテレビで見た昔のアニメ「銀河鉄道999」の第二話で、火星のゴーストタウンを散歩する鉄郎にバーのオヤジが話しかけ、そこで「機械の体」の話になるのだが、そのときオヤジは「わしも昔、機械の体に憧れたが、金が無くて片足だけしか買えなかっ…

傘がない

たちのぼる生煮えの湯気のような独特の香りが鼻腔の奥を突き、やがて意外なほど生ぬるい水滴が軽くノックするようにぽつぽつとアタマを叩きはじめ、水分が額を伝って顔面にひとすじふたすじと流れ落ちる。傘もなく、なすすべもなく、気持ちを切り替えて濡れ…

肉親が死に、自分が生き残る物語

今日は一歩も外へ出なかった。夕方、何気なくテレビをつけたらCSで「機動戦士ガンダム」の1〜2話をやっていて、そのあと続けて「銀河鉄道999」の1〜2話をやっていた。懐かしさもあって合計2時間、思わずぽやーんとしながら見てしまった。。 ガンダムと999…

狂女斯く語りき(太宰風女性一人称告白体を用いて)

作品を鑑賞していながら、その私というものを根底では疑ってないから、だから、作品を真に受けることができないのね。作品を鑑賞するというのは本来、私をなくしてしまうことなのです。今ここにこうしている私をだんだん消してしまうことなのです。私が存在…

地形線

駅のホームに「三崎口」の観光ポスターが貼ってあって、そのポスター写真は航空写真で、上空から三浦半島の先端部分を見下ろしつつ撮られた写真で、その入江のかたちや湾のかたちが、深く入り組んだ複雑な曲線をなしていて、しかしある部分では人工的に埋め…

赤い電車

朝起きたら、先週までの不安定な空模様が嘘のような、猛烈な夏の日差しがぶりかえしていて、夏が終わったわけではないのか?先週までの事は無かったことなの?やれやれ…と思う。 打ち合わせが終わって客先を昼前に退出し、昼食をとれる店を探しながら歩く。…

ハード・ミニマル

相変わらずほぼJeff MillsとRichie Hawtinしか聴いてない。iPodTouchに「Exhibitionist 」DVDを入れて、電車の中とかで見てるのだが、もう視聴してるというか唖然としたままでずーっと見とれてる感じ。 今日もかなり暑かったが、しかしセミの声はもはやあま…

「DE9|Transitions」Richie Hawtin

昨日と今日はずーっとこればかり聴いた。DVD+CDの2枚組でDVDの方がフルバージョン。同封されてるCDは収録可能な最大時間である74分のショートバージョン。あとオマケとして携帯プレイヤーのために96分バージョンと同一テイクのMP3が収録されてる。DVDからリ…