2010-01-01から1年間の記事一覧

眠る

さっきから同じ姿勢のままで、静かにしているので、どうかしたのかと思ってふと見やると、相手は目を瞑っている。いつの間にかどうやら眠ってしまったらしい。いつからなのか、気付いたらもう寝ていた。腕組みをして、マジメな顔のまま、両方の目を閉じて、…

時はゆく

やれば何でもそこそこ、やれてしまう。そこがあいつの一番ダメなところなのだ。種別を問わず、何でもそこそこやれるなんていうのが、一番つまらないのだ。 大体、取り組むべきことがあって、人間がいて、人間が取り組んで、結果それが出来たか?出来ないか?…

みなとみらい

今年は明日まで普通に仕事がある。みなとみらいまで通っている。今日は既に電車が空いていたので、明日はさらに空いてるだろう。人の居ないときだとなぜか仕事をする気になるところがある。できれば誰もいない方が良いのである。ところでみなとみらいに来て…

無抵抗主義

書く事をごちゃごちゃと考えながら書く。考えながらというか、書きながら、その都度それがそれで良いのかどうかを考える。だから、考えるというよりは、毎回後で自分のしてしまった事をかえりみて、それが一々どうのこうのと後になって思っているだけ。ある…

師走レコード

なんとなくすでに正月の気分になって、昨日の夜からだらだらとしている。ただひたすらレコードを聴く日。「West Coast Seattle Boy」というジミヘンのアンソロジーボックスセットの一枚目がかなり素晴らしい。まだジミヘンデビュー前の、アイズレーブラザー…

Sons Of The Dragon

一日、家いるつもりだったが、あまりに天気が良かったのと渋谷駅に行く用事ができてしまった事から外出する事にした。ダークグリーンのニットを今日も着ることにして、このニットはガサッと頭からかぶって着て、それを姿見で見てみるとき、これは丈も長めで…

小さな船

せっかくだから、いまの時間を大事にもしたいし、何か書くか。どうせなら、今日が十二月二十一日だという事を認めて、日付を当日にして書いてみたらどうだろう。どうせ明日が今日と同じ調子で書ける保証もないのだし、日付なんて放っておけばどこまでも経過…

過去

製造業関連の生産工場というのはものすごい田舎にあるのが普通で、電車を乗り継いでそういうところにまで行かなければいけない事が、たまにある。何時のことだったかもうあまりおぼえていないが、あるとき僕は、栃木県だか山梨県だか福島県だかのある小さな…

赤の他人の瓜二つ

十月に入ってから仕事が猛烈に忙しくなって、朝からあくせく働き、夕方になって一息ついて、さてこれから夜までもうしばらく続ける前のちょっと息抜きとして、僕は散歩みたいにふらふら歩いてビルの階下まで下りてロビーに併設されたコンビニまで行って、棚…

イカ

イカは頭を先頭にして、すーっと水中を移動する。白いロケットのようなイカが、なめらかに移動していくのが小さく見える。移動するイカの目は、足の付け根のすぐ傍にあるので、頭を先頭にして移動しているときは、進行方向を見る事ができないが、そのように…

リハビリテーション

12月17日の金曜日。午前三時。明日は土曜日。明日は二週間ぶりの休みだ。まったくあくせくと働いているけど、こうして久々に何か書こうとしてもそれはさすがに全然無理だ。書くような何事かを毎日やっている訳ではないのだなと改めて思う。苦労もあるしスト…

別の場所で

12月10日の午前1:00。ここ数日の寒さが寒い。そして忙しい。忙しさに慣れてきて、睡眠不足な感じや時間いっぱいな感じにも次第に慣れてきてしまって、しばらくはそのままの感じだ。来週からはまた勤務地が変わる。なんとも忙しなく落ち着きの無い日々。今年…

旅愁

昨日(12/4)は久々に上野をウロウロと歩いて、すごく懐かしくて楽しかった。根津で降りてスカイザバスハウスの宮島達男を見て、そのまま上野公園を抜けて上野駅の公園口まで来て、ペデストリアンデッキから上野駅舎とか丸井とか東上野方面のビルとかを見ただ…

写真の横顔

二十年近く前に買って、そのまま読まずに放置しっぱなしだった古本を、この前気まぐれに開いてみて、ぱらぱらとページをめくっていたら、紙片のようなものが挟まっていて、裏返して見ると一枚の写真だった。 白黒写真だが、それほど古びている感じではない。…

雨上がり

十二月三日。朝方の台風みたいなものすごい豪雨で駅に着くまでにバケツの水を頭からかぶったみたいに全身べたべたに濡れた。ここまで激しく濡れ鼠になったままで電車に乗っても良いものかと思ったが、ずぶ濡れなのは僕だけじゃなかったので問題なかった。し…

十一月末日

今が良いとか昔が良いとかは一概には言えないものだなあと思う。いや今は状況としていろんな意味で確実に悪いのだとは思うが、でも悪いというのは本当に悪いことなのか?ということでもあるし、自分が自身自身として移動するというのは、そういう良し悪しの…

玉ノ井

今日は十一月二十八日の日曜日です。半蔵門線の三越前まで行って三井記念美術館で円山応挙を観ようかと思っていたが、なんとなく今日じゃなくてもいいかなと思って、行くか行かないのかはっきりしないままとりあえず天気が良いので出かけた。それで結局「曳…

I've Got To Use My Imagination

11月中ずっと、なぜかGladys Knight & The Pipsの「I've Got To Use My Imagination」が好きだ。この曲ばかり聴く。ぼぼぼぼぼというベースが基調のこのボトムのすごくダサダサな感じがたまらない。リミックスでいい感じのレコードが無いのかなと思って検索…

音声

少し苦しそうな寝息の音。寝返りを打って毛布を引っ張る音。眠っているときの音は、すべての人間にとって、まったくの平等さをあらわしているかのようだ。どんな人間であっても、眠っているときに立てる音に違いはない。人間の眠りの音の、その違いのなさ、…

移動

人生の豊かさ、楽しさ、それを目指して、旅行に行くか。スーツを買って、色に似合う鞄を買って、ワインレッドの革靴を買って、おいしいものをを食べるか。ああ面倒くさいとさえ思わなければ、行きたい店にいつでも行きたい。とりあえず、散歩にでも行くかね…

サギ

この前、水元公園に行ったときの事をおぼえているか。おぼえていない。でも、忘れないように書き留めておいたメモがあった。それを今見ている。水元公園、サギ、S字。と書いてある。それだけでとりあえずは、そのときのことを思い出せる。正確にはそのとき何…

愛の完成

岩波文庫のムージルを読んでいるが、100ページ弱の短い物語なのに読み進むのが遅くて一週間たっても読み終わらない。もう、何が書いてあるのかまったくわからない。わかっていると思っていたことが読むことでわからなくなってしまう。出来事ではなく書いてあ…

バス

十一月二十三日の休日。夜の六時を過ぎていて空はすっかり暗くなっていたが、完全な夜とも言いきれない暗さで、冬の夕方六時くらいの、その季節のその時間帯特有の暗さだった。あまり寒くはなく着てきたニットの上に薄手のコートで丁度良かった。バスが来た…

日曜

十月三十一日は日曜日だった。起きて、着替える。出かけて新宿。ジュンク堂買う。三越アプリコット、伊勢丹、移動、吉祥寺。A-things、百年、画集やっぱり買うのやめる。次来た時あれば買うかも。疲れて帰る。色々とぼんやり物思いも多い。もうだめ。まあま…

どくとるマンボウ航海記

十月に読んだ本の中では「どくとるマンボウ航海記」がすごく好きだった。この語りの感じ、このグルーヴは本当にいい。端正で正確で裏打ちされた技術の高さがあって安定していて、そういう基本要件の高さが眩しいほどで、その上でさまざまな出来事の明滅があ…

通勤電車で読む

頭の中に何もはいってないとき、あるいは朝起きたばかりで全てのサービスが全部立ち上がりきってないときの空虚さだけのとき、そういうときにぼーっとしたままで本を読むと、これがいいのだ。全身全霊で脱力して全方位的な勘を働かせて読む、というより僕の…

雨と風。夜。バスのヘッドライト。ノイズキャンセリングヘッドフォンの外側に点灯するLEDの光。濡れた路面に反射する街灯の光の掠れたようなざらついた質感。ショルダーバッグを肩にかけて、もうひとつの小さ手提げ鞄をぶらさげた、鞄二つの女性。靴音。足音…

不起訴

そういえば最寄り駅から家まで歩くあいだ「すいません、○○駅ってどっちですかね?」と聞かれることがしょっちゅうある。たぶん一年に数回はある。若者、外国人、その他色々・・・こんな夜の遅い時間に、なぜ今○○駅を探して、こんなところを彷徨っているのか?み…

自分の声

この前、道で貧しい身なりの老人に「すいません、二百円くれませんか?」と言われて、一瞬はっとしたものの、すぐに咄嗟に手を左右に振って、あーダメダメと言って断った。そのときの自分のその態度と、あーダメダメと口にしたときの自分の声の意外さ。あぁ…

余生

正直何も書く事がないのはまずいと思う。もちろん毎日毎日しょうもないことをひたすら書いてるのもいい加減まずいとは思うし、自分の書いたものを読み返すと、なんだこいつはこんなやつ早く死んじゃえば良いのにと思う事も多々あるのでそれはそれでまずくな…