2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

日曜

十月三十一日は日曜日だった。起きて、着替える。出かけて新宿。ジュンク堂買う。三越アプリコット、伊勢丹、移動、吉祥寺。A-things、百年、画集やっぱり買うのやめる。次来た時あれば買うかも。疲れて帰る。色々とぼんやり物思いも多い。もうだめ。まあま…

どくとるマンボウ航海記

十月に読んだ本の中では「どくとるマンボウ航海記」がすごく好きだった。この語りの感じ、このグルーヴは本当にいい。端正で正確で裏打ちされた技術の高さがあって安定していて、そういう基本要件の高さが眩しいほどで、その上でさまざまな出来事の明滅があ…

通勤電車で読む

頭の中に何もはいってないとき、あるいは朝起きたばかりで全てのサービスが全部立ち上がりきってないときの空虚さだけのとき、そういうときにぼーっとしたままで本を読むと、これがいいのだ。全身全霊で脱力して全方位的な勘を働かせて読む、というより僕の…

雨と風。夜。バスのヘッドライト。ノイズキャンセリングヘッドフォンの外側に点灯するLEDの光。濡れた路面に反射する街灯の光の掠れたようなざらついた質感。ショルダーバッグを肩にかけて、もうひとつの小さ手提げ鞄をぶらさげた、鞄二つの女性。靴音。足音…

不起訴

そういえば最寄り駅から家まで歩くあいだ「すいません、○○駅ってどっちですかね?」と聞かれることがしょっちゅうある。たぶん一年に数回はある。若者、外国人、その他色々・・・こんな夜の遅い時間に、なぜ今○○駅を探して、こんなところを彷徨っているのか?み…

自分の声

この前、道で貧しい身なりの老人に「すいません、二百円くれませんか?」と言われて、一瞬はっとしたものの、すぐに咄嗟に手を左右に振って、あーダメダメと言って断った。そのときの自分のその態度と、あーダメダメと口にしたときの自分の声の意外さ。あぁ…

余生

正直何も書く事がないのはまずいと思う。もちろん毎日毎日しょうもないことをひたすら書いてるのもいい加減まずいとは思うし、自分の書いたものを読み返すと、なんだこいつはこんなやつ早く死んじゃえば良いのにと思う事も多々あるのでそれはそれでまずくな…

とくにない

書きたいと思うときの気持ちというのは、一体何か?そう思うことは多々あるが。あれは一体なんだろうか。で、いまこうしてキーボードを叩いていて、今は正直まったく書きたいと思ってない。書いてるときに、書きたいと思ってないことがほとんどだ。読みたい…

シャッフル

アイポッドをシャッフルにして聴いていると前の曲を次の曲がさいきんずいぶん喰い始めるようになった。前の曲が終わってないのに、次の曲がもう始まるのだ。それも何かある種の勢いというか、意志というか、何か感情的な気配をただよわせながら、ぐいっと0.1…

寒さ

ぐっと冷え込みの度合いが増した。全身を包んでいる空気の冷たさの新鮮さを感じながら歩く。電車に乗り込むと、ぼんやりとした暖かさが車内に満ちていて、この暖房の効き方が如何にも冬だと思う。雨は午後を過ぎてあがったのでそれは良かった。これを書いて…

Easy Living

与えられた時間のぶんだけ、何かができるわけでもないし、限られた時間で充分な成果が出ないときまった訳でもないし、なるほど時間というのは、換算できるような単位で計っても、あまり意味が無いものなのだろうとは思う。短かろうが長かろうが、何かができ…

紅葉

毎年の事ながら、紅葉についてどう考えるのか。何も紅葉という言葉に縛られたままで、この時期特有のあの葉の色づきについて考えなければならない義理はまったく無くて、その意味で紅葉などどうでも良いのだが、でも事実として紅葉しているのだ。それが現実…

Excel

まったく時間がない。考える事すら全然むり。考え事の断片をエクセルのシート端にメモして、そこで連鎖的に浮かび上がってくるその他のこともメモして、いくつかの言葉に関連の糸がたぐりよせられてその白い糸がもつれて何本か束ねられたまま床をすべるのを…

眠り(VUILLARD)

かわいた喉下を、むなしく通り過ぎた炭酸水の宙ぶらりんな刺激の干からびたままの口の中の舌の先に付着した髪の毛一本の人差し指で貼り付けたティッシュの表面の指の表面がささくれ立つ繊維のあらあらしい摩擦の冷え切った室内の通り過ぎたあとのかすかな砂…

道路交通法違反

夢の中で、久々に車を運転していたのだが、なにかのはずみで、ついうっかり、手を離してしまい、はっと気付いたら、もう車は自分の手をはなれ、僕を置き去りにしたまま、ゆっくりゆっくりと、勝手に前のほうに進み始めてしまい、時既に遅しで、どうあがいて…

青菜

子供の頃は嫌いで食べられなかったのに、大人になっていつの間にかそのうまさがわかる食べものは多い。最近よく思うが、ほうれん草のおひたしなんかは僕にとってそういう食べものの代表格である。子供の頃は、本当に嫌いだったのに。青臭くてしかも湯がいた…

上演中

照明を落とした会議室の前面にプロジェクターの光が反射していて、ウィズ・ザ・ビートルズのジャケットみたいな感じに顔の縦半分を闇に溶け込ませたまま、Sさんとそのチームメンバーは初対面の人々何人かと対面し挨拶する。これですべての役者が揃ったとSさ…

船旅

いきなり船旅が始まる。いきなり船酔いが始まる。広大な画面をどこまでも均一な小さなタッチの集積、そのストロークがあたえられたすべての平面上覆い尽くす抽象絵画のような明け方の空からの光を受け止めて光る太平洋の水面を見つめている。朝の九時から読…

移動祝祭日

書いたものが本当に良いものなのかどうかは、明日の朝もう一度読み直してみないとわからない。とヘミングウェイが書いていた。しかしとにかく書くのだ。サンミッシェル通りのカフェでカフェオレを注文して、すぐにノートと鉛筆を取り出して書き始める。書き…

読む

十月も終わってしまう。今日は十月三十一日である。十月に入ってから、自由な時間がごっそりとなくなってしまって、ここに何かを書いてる時間も全然ない。これはもう、どうしようもない。なるべく日を空けずに日記らしく毎日書きたいと思っていたが、現実の…

ルール

ルールというのはシステムの一部か?あるいはシステムの正当性を保証する共有された外部参照先か?システムを駆動させるために皆がとりあえず守らなければならない決まり。それを守らないことにはシステムが破綻してしまう。だからみんなで守りましょうとい…

遠吠え

肌寒い朝。高い声で悲鳴を上げて目覚める。泣きながら身体を起こす。薄暗い空に憂鬱な思いが増す。冬になるのを嫌がる自分の中のかすかな動物的本能が騒いでつい甲高い声で喚きたくなる。ちょっと気を許すと遠吠えしたくなる。とうの昔に観念したはずなのに…

別の考え

そこにいて立ったまま、別のことを考えている。誰かが頭の中で考えている事は目に見えず音にも聴こえず気配としてすら感じられないのでいつも平然とすれ違ってしまいすれ違ったことさえわからない。出来事はなにも起こっていない。雨の日の満員電車の中で、…

秋を歩く

曇り。肌寒さと景色から受ける印象とが自然な感じになってきて、今後も引き続き、紅葉が始まる頃までを、それはそれでまた窓ガラスから景色を眺めるようにして見ていきたい。景色と一緒になって僕もすすむ。今の気温は二十一度だが、来月には十度とかそれ以…

凄い

「凄い」ということばの、むかしの使われかたというか、むかしの、「凄い」ということばの、そういう意味を含んでいたときの感じがけっこう好き。今では単なる「すごい」でしかないけど、むかしの、何かある種の荒んだ、壮絶でいて空虚な、なにかもうどうし…

眠った

十月六日の朝の眠さはほんとうにものすごくて、ある意味凶暴といっていいくらいの激しい眠さだった。なので電車の中でふと気を許したと思ったらそのまま完全に寝てしまい、しばらくして、はっとして目を覚ました。寝てたのはおそらく十分かそこら。しかしそ…

自分の着ているスーツの、ほとんど黒に見えるような濃緑色に淡く細い縦じまの線が入っていて、細身の上下からあふれ出すかのように真っ白に光った最近流行っている襟がやたらとボリュームのある形のシャツの菱形の模様がうねうねと生地の凹凸に応じてうねっ…

アメリカの若者の夢

眠かった。なにしろ朝は六時起きなので、おそろしく眠い。翌日六時に起きなければいけないという拘束的な事実は前日の自分を激しく抑制させ縛り付ける。現時点の自分がまるで、充電が完全ではない携帯電話のようなものに思え、安心な貯蓄額を欲し、できれば…

最近

これを書いてる今日は十月十四日の木曜日。今の時点で十月三日のことなんて覚えてない。でも簡単なメモが残っていて、それを見ると一日中読書していたようだ。というか、別にメモなんか見なくてもおぼえている十月三日。そう。読書していました。たぶん。朝…

ワイト島のジミヘンドリックス

ふいに、ワイト島のジミヘンドリックスのことをを思い出した。死ぬ数週間前の演奏だ。あの不機嫌な表情と苛立ちに満ちた態度のことを、思い出した。ものすごいストレスにまみれた、鬱屈した、怒りとかなしみと諦めの混ざり合ったような物憂げな表情だ。サウ…