2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

風邪

喉の痛みと咳。あと鼻の調子も悪い。げほげほずるずると、オフィスでひとりやかましく、人から「風邪ですか?」と聞かれてしまう程度にはわかりやすく風邪の人っぽい感じになってしまった。でも身体のしんどさや苦しさはそれほどでもなく、わりと普通にやっ…

病床

風邪の引き始めなのでひとまず今夜は早めに休ませていただく。風邪を引くと、なんだかよくわからないけど、何か、まったくあたらしい物語が、今から始まるような気がしないか。この僕が主人公で、ぐったりと弱った姿で、身を横たえている。それがファースト…

グラスの底

ぐっとあおって、グラスに残った酒を全部飲み干す。そのまま両目を寄り目にして、口元にあてたグラスの底をじっと覗く。底のガラスの湾曲した光と影の世界に自分全体が入り込んだような気分になって、なおもそのままじっと、目でうねうねした模様を見続ける…

手続き

吊革に掴まる。電車が動き出す。じょじょに傾斜がきつくなる。車両が完全に上を向く。足が床から離れる。体重の重みが腕にかかる。全員が、腕一本で吊革にぶら下った状態。あちこちから呻き声や苦しげな声が聞こえる。なおもゆっくりと、電車は容赦なく登る…

危機

イエスの「危機」を久々に聴いたら、これがやっぱり素晴らしいとしか言いようがない。正直、いまさらイエスの「危機」が素晴らしいとか、わざわざブログに書くなんて愚の骨頂だという思いもあるが、良いものは良いのだから仕方がない。他に書く事もないしな…

よく晴れている。日差しの下にずっと居ると体内に熱がこもるが日陰の空気は冷えた水のように冷たい。外を歩くのはとても快適。でも油断するとすぐ風邪引きそう。吸い込んだ冷気が鼻の奥を突き上げて痛みを伴うむず痒さになってくしゃみになりそうだがならず…

Joe le Taxi

夕方にはすでに暴風が吹き荒れていた。ビルの谷間に吹き降りてくる風の威力はすさまじく、乗っていたタクシーはまるで荒波に揉まれる小舟のように揺れた。車に乗りこんでからずっと運転手は余計な世間話とか一切喋ってなかったのに、まるで悪意が込められて…

nell

混乱の首都圏であったが、タクシー等乗り継いで運良く比較的順調に帰宅できた。そしていまは眠い。ごめんなさい今日は先に休ませていただきます。

苦労

あなたがよく口にしていた「愛」があるかないかは、世界から感受しうる情報の量や密度や強度において、クレーの実物の絵と印刷物ほどの違いが生まれるものなんだよ。 それからやっぱり、大変でもラカンを読むことを忘れないように。苦労して読むということは…

秋味

風の強い日。気圧のせいか、あるいは誰かの不幸に引っ張られているのかわからないが、朝から軽く貧血気味のような気がする。しばらくすると普段どおりに戻る。日差しは出たり翳ったりを繰り返す。午後になって、まるで安っぽいイラストのように、雲の切れ間…

高田馬場の頃

高田馬場駅の改札を出ると、日差しを遮られて薄暗く排気ガスにまみれたような高架下の、さほど広くもないところをたくさんの人々が行き交っていて、ごみごみ、ざわざわとしていて気忙しい。右手の階段を下ると東西線乗り場につながって行き、その入り口へも…

三遊亭小遊三

あまり書く事も思いつかない。九月というのに相変わらずまだ暑い、などと書いてみるくらいか。本を読むのも、半月くらい前から捗らなくなってきたが、まあ別に、捗らなくてもかまわないのか、と思って、そのまま適当なペースで読んでいる。今日は高田馬場で…

武蔵小杉であらかたの乗客がどやどやと降りていった。次の停車駅は中目具である。いま車内はすいている。僕は吊革に掴まっている。目の前の七人がけの座席には一人か二人しか座っていなくて、僕の立っている前も空いているが、次で降りるのでそのまま立った…

循環バス

駅についた。バス乗り場を見るとちょうどバスが停まっていた。乗れそうだ、ラッキーと思って歩き出すと同時に、後部の電光掲示に光っていた乗降中の文字がふっと消えた。あ、と思ったら、乗降口がすっと閉まり、エンジンがかかって、バスは発車すべく車体を…

月と星

今日って満月だっけ?と聞かれたので、いや、知らないけどでもそうなんじゃない?と言ってカーテンを開けて外を見たら昨日見た方角には暗闇だけしかなくて、一つだけ一等星が光っているが、あれは何の星だろう。昔なら知ってたかもしれないけどわからない。…

鮮魚

手摺りに凭れて、景色を見ていた。ここはたぶん、飛行場である。僕の記憶に間違いがなければ、おそらく南紀白浜空港だと思われる。滑走路に、白線がまっすぐに引かれていて、しばらく行くとその先は途切れている。視界を右手の方角へ移動させると、途中で読…

所沢

足立区に住んでいるが、実家は埼玉県の西武線沿線にある。子供の頃から二十代半ばまで実家で暮らしていたので、そこから都心へ出るにはまず西部線で池袋に出るか西武新宿に出るのだった。なので池袋のことはよくわかっているつもりなのだが、でも僕の知って…

一行の字、とは言わないし、一文字の文、というのも無い。…と、思った。思ったからといって、どうなのか。あたりまえのことじゃないか。わざわざ書いてなんだというのか。別にどうでもない。なんか、如何にもな感じがしたけど、別にそんなことない。というか…

なし

書く事もないので、もう寝る。なんだか、むし暑くなってきた。つまらない。寝よう!寝るのは嬉しい!

同窓会

先週末、小学校六年のときの同窓会があった。全部で三十人くらい集まって、ほとんどが約三十年ぶりに会う人たちばかりである。三十年ぶりなんていうのは実質的には初対面と同じである。名前と顔の面影で、ああ、あの人だとわかって、向こうも思い出して、会…

K

誰かと誰かが親しげに話をしているという、その光景に感動するという事はたまにある。テレビのニュースでも、芸能人でも、政治家でも、アスリートのライバル同士でも、ビジネスの会合でも、あるいは外交の現場でも、国家元首同士でも、恋敵が相対するでも、…

椅子

ぼんやりと過ごした。たまにうたた寝した。はっとして目が覚めて、身体を少し起こしたまま、またぼんやりした。こうして時間は今日も過ぎていって、正午を過ぎ、午後を過ぎ、夕方が近づいた。 ああほんとうに無駄な、じつに無益な時間のすごしかた。よく考え…

夜間飛行

奥の部屋の窓を開け放したまま、こちら側の部屋の窓も開けておくと、風がひっきりなしに通り抜けていく。部屋全体が風洞になったみたいだ。ずっと風に吹かれたまま、僕もこうして書いていられる。網戸越しに見る空の様子は、銀色に濁っている。外灯の光が風…

直立

ものすごく蒸し暑い日。台風が高気圧に圧されてぐっとこちら側に押し付けられていて密着してくるので身体の熱が直に伝わってくる。満員なのである程度仕方がないのでみんな我慢しているのだけれども。座席が空いても座りたくない。座ると、ものすごく暖かい…