2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

年末が近づいてくる。何も変わらず普通に過ごしたいかなあと思う。昨日、安いコートを買う。普通のコート。色も普通。寒くなってから着る。普通が良い哉。いつもよりもなるべく消極的にこじんまりと、地味に諸事やりすごしたい。

「もう一杯」老人が言った。 「だめ。おしまい」給仕はタオルでテーブルのふちを拭き、首を横に振った。 老人は腰をあげ、ゆっくり受け皿をかぞえて、ポケットから革の財布をとり出し、酒代を払い、半ペセタのチップをおいた。 給仕は通りを歩いてゆく老人の…

偉いねえ、そんなこと、考えてんのー。すごいねえ。一人一万五千円のコース、酒を入れたら二万円超えるプランに行くのか。それがもし万が一、たいしておいしくなかったら、と思うと、ちょっと、自分としてはびびる。彼らよりぼくの方がよほど吝嗇である。い…

月が凄い光り方。群青色のさらに濃いような色をした夜空の真上に、完全に青味がかった白色で、反射ではなく光源そのものとして輝いているようにしか見えない。目をこらしても眩しくて直視できないほどの光。その周囲がぼやっと明るく照らし出されて、ほんの…

先週、風邪で寝込んで会社を二日休んだので全部で五連休したのだが、そんなに長く休んでた気がしない。たしかに二日は風邪でまったく身動きとれずだったが、それでもそれなりの、空白の時間の記憶だけでも残っているかというと、まったくない。その五日間自…

竹橋の美術館に行って、丸善に行って、帰る。いつものパターン。平河門から大手門を抜けて行った。空は青色の一色のみ。石垣と松。紅葉の進む過程。日陰に入ると寒かった。連休がおわった。最近たまに、コルトレーンの演奏するFeelin' Goodが頭の中で勝手に…

昼飯を食って、薬を飲んだあとテレビを見てたら昔のアニメ「赤毛のアン」がやってたので見ていた。今調べたら、作品の舞台はアメリカではなくてカナダのプリンス・エドワード島らしい。あと、そういえばマシューとマリラは夫婦じゃなくて兄弟だったのを忘れ…

本日も、暗い雨の空で、塞ぎこんだような一日。雨脚は強く傘はべたべたに濡れてたたんでも溶けているかのように水をぽたぽた滴らせていてようやく家に帰ってきて玄関のドアを開けて重い靴を脱ぐことができたとしても同じ家の中に濡れたこんなものは一緒に入…

熱を測ったら、驚くほどの高熱だったので、なぜか、誇らしいような、晴れがましい気分になった。検査したらインフルエンザではなくてただの風邪だった。AでもなくBでもなく、この部分に色が出てるってことは、インフルエンザ反応の可能性はほぼないって事で…

ヘミングウェイ短編集。とてもいい。運びが、あるいは流れが。そうだった、これが、いいのだった、と思われるような良さ。暗くて寒い日。こころの塞ぐような天候。それもいい。夕方から顔に火照りが。打ち合わせが無事に終わって安堵する。その直後に喉が塞…

きのう、妻と僕と二人で、友人の家に遊びに行った。去年の今頃にも遊びにいったので、一年ぶりの再会だが、去年は妊婦だったのに、もう子供が10ヶ月になっている。ご主人とは結婚式のとき以来だからほぼ初対面。 帰りは雨。それもものすごい本降りで、ホーム…

おいしくないものを食べてしまって、かなり後悔している。不快な満腹感。つまらなかったなあ。もっとおいしいものを買ってくれば良かったと思って、いつまでも後悔するというのも、相当ばからしいとは思うが。やっぱり惣菜や弁当はつまらないものだ。普通に…

なるべく早く寝るために書くが、とりいそぎ、京浜東北線で、西日暮里から桜木町まで約一時間かかるのだが、おそらく、大井町か大森あたりで30分くらいなので、そのあたりで道程の半分のところであろう。そのあたりまで来て、ようやく半分なのか、そう思うと…

10分くらいで終わる。中沢新一・波多野一郎「イカの哲学」を読んでいる。この本がなぜ、家にあったのか、そこが定かでない。いつ買ったのか、なぜ買ったのか、その時点においてまったく思い出せない。ただ、そうやってなにもかも忘れた状態のとき、ふと目に…

何か書く。5分以内で終わるように。保冷材はお付けいたしますか?あ、失礼いたしました。ご自宅までどのくらいですか?一時間くらい。かしこまりました。保冷材をおつけいたします。お待たせいたしました。こちらになります。ありがとうございました。二時間…

昨日は快晴だった。幼稚な原色の水色でべったり塗ったような空に木々の枝や紅葉しかけた葉が貼りついていた。夕方から夜に掛けて、少し冷え込んだ。今日は日中曇りで、ずっと薄暗かった。家の中にいると、ほんとうに暗くて、手元が見えないほどのときもある…

眠くて、頭がゆらゆらと動いているので、もうあきらめて寝よう。明日は買い物をして夜は外で食事をしたい。

今日はもう、さすがにこんな時間になってしまって、遅いのでもうはじめからあきらめて、何も書かずに寝るつもり。そう決めたら、とりあえず風呂に入って、その後何をするかを考えると、妙にわくわくと楽しみな気分になってくるのはなぜか。別に何をするわけ…

ふと気付けば、水泳をぴたっと、しなくなってしまったなあ。最後に泳いだのが、たしか九月だったような。一度行かなくなると、ほんとうにとことん行かなくなってしまう。すごくめんどくさい。そして毎日のように通った横浜西口からのあの道が、もはやノスタ…

内田百けん「冥途」書き出しだけでほんとうに素晴らしい。一行目から、まったく説明をしようという気がない。説明しようとするって事は、じつはそこにいないということを隠そうとすることだ。そのとき、その本心は、必ず見えてしまうものだ。言葉というのは…

八月五日の写真。この日はアンゲロプロスの「永遠と一日」を観にいった日のようだ。こんな、溢れるような光の横溢する時間を映画館の中にいたなんて、ちょっと信じられない。 空の青もここまで来ると、ほとんど重量を感じるような、強い重力となんらかの関係…

毎朝、寝覚めが悪くて、起きるのが本当につらい。毎度、あと五分でもいいから眠りたいと思っていて、きっと週末になったら、うんざりするくらいたっぷりと寝てやろうと、いつも思っている。にも関わらず、いざ週末の朝になると、なぜかいつもと同じ時間に起…

プィィ・フュメを買うときに、わざと店員に「プィィ・フュメ…ありますか?」と聞いて「はい。プィィ・フュメですね?こちらにあります。」と答えてもらう。他人に「プィィ・フュメ」と口で発音してもらいたかったのだ。その言い方を聞きたかったのだ。「プィ…