2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

六月

パンドラの箱を空けると、もの凄く大変なことになるけれども、最後に、箱の底に、希望が残っている、というしょうもないオチです。それで、空けちゃいましたね。昨日から今日にかけて、君は。えらい事になってますね。ああ、六月かあ。未曾有の六月が、来ま…

双眼鏡

最近の妻の手元には、ルーペとか双眼鏡とかの光学製品がやけに揃っており、それらを用いて何やら観察をしたいと云うので、完全に夏と言って差し支えない日差しの下、水元公園に向かう。 双眼鏡というのは覗いてみると、上手く見えるように使うのは、けっこう…

土曜

土曜日は休日なのである。土曜日が休日であるということを、土曜日になると、かみ締めるのだ。それを寝ながら。 で、午後になって上野まで、カラヴァッジョ展。美術館入口まで来て、切符売り場にちょっと並んでる様子を見て、やっぱ入るのをやめようか、とな…

夏鹿

赤紫色の、うつくしい断面。ナイフの刃を受けて、かすかに抵抗しながら、あっさりと小片になる。口に運ばれる。ワインに流し込まれる。またワインを…ワインを、がぶがぶと飲む。見よ、まるでワインが水のようだ。脂の多い魚に山葵がまったく辛くないかのよう…

羽生と佐藤

僕は羽生善治と同い年で、しかも生まれも同じ埼玉県のほとんど近所が出身地だからね、と言ったら、羽生善治って、誰ですか?と言われた。うわ、そうなの、羽生知らないの。まあ、そうか、そういうこともあるよね、いや、たしかに、むしろ知るわけないのか…と…

少し、口ごもった。幾つかのタイミングを、外した。ああ、昔みたいに、また元通りな感じがした。それでもやがて、独りよがりなぬくもりが戻ってくると、またふたたび何もかもが上手くいくために出来ているはずの空間が立ち上がって来て、ほどなく何の心配も…

表す

いま、少しずつ北杜夫「楡家の人びと」を読んでおります。あと谷崎潤一郎「細雪」も少しずつ読んでおります。何年か前に途中まで読んでそのままになっておりまして、もう忘れちゃったので、今になってまた最初から読んでいる次第でございまして、まことにす…

「5つ数えれば君の夢」と「緑の光線」

山戸結希「5つ数えれば君の夢」をDVDで。これは…ものすごかった。午前中に見たのだが、午前0時を過ぎた今の時点で思い出して、まだじわじわと来るものがある。完全に頭のおかしい、本気でキレまくった作品と言って過言ではない。なるほど、モノをつくるなら…

Her

「her/世界でひとつの彼女」をDVDで観た。漫然とした退屈さが薄いベールになって何枚か重なっているのを、ぼやーっと観ているかのような印象。なんかもっと、一人で外食でもすればいいのに、立ち飲み屋にでもいけよと思った。でも主人公は、なんとなく酒が嫌…

教師

蓮實重彦の三島賞受賞の記者会見の映像を見た。映っていたのは、作家というよりも、教育者の姿そのものという感じで、ああ、教師っていうのは常に、こうなんだなあと、なぜか不思議な感動が沸き起こってくるのを感じた。僕は、昔、子供の頃は、教師みたいな…

成長

録画してあった「天使か悪魔か 羽生善治人工知能を探る」を観た。ブロック崩しゲームに勝て、という指示を与えられた人工知能が、おろおろとゲームをして、ひたすらミスをし続けていて、たまたま、まぐれでボールがブロックを崩して、それが得点になったら、…

Charlie Parker(1990)

煙草を吸う。血管が収縮する。ぼんやりする。手が震える。力が入らない。チャーリー・パーカー「Cool Blues」今日は、暑かった。僕の今日一日の色としては、なかなか良かった。「Parker's Mood」みんなと、お別れだ。いよいよ、暑い夏が来た。なにも、僕を、…

19

不定休である。「ソドムに美はあるだろうか」「毒蛇が毒蛇を食うだけさ」「酒を飲んで騒ぐ」。なんてバカバカしいのだろう! もっと落ち着こう。何を描きたいのかを整理しよう。僕のここ数日をもっとよく思い出せ。僕はここ数日うまくやっていた。午前中、ク…

砂丘

群像に載っていた新人文学賞受賞作「ジニのパズル」を妻が読んだらしく、僕にも読めというので、何となく読み始めたら、最初は「ふーん、どうだろうねー?」とか思いながらも、ぐいぐいと直線的な筆致で面白く、最後まで読んでしまった。抵抗と蹉跌とその後…

朽ちる

朝、ワイングラスを漂白してくれたのか。なるほど道理で。 シャツも綻びてくる。ベルトもひび割れる。靴紐は何度買いなおすのか。グラスも汚れてくるし、鞄も廃れてくるし、スラックスも、鍵入れも財布もだ。 ボロくなるのが良いと、昔は思っていた。古びて…

青い体験

さっき、テレビを付けたら、1973年のイタリア映画「青い体験」がやっていたので、つい、最後まで観てしまった。僕の世代の男性ならほぼ誰でも知ってると思われるエロ・コメディ映画である。 何十年ぶりに観て、モロに谷崎ではないかというのが第一印象。谷崎…

Depth

Play Stationのソフトウェア「Depth」。1996年。当時は、ゲームばっかりやっていた。ことにこれは、本当にさんざん、やりました。ある意味、もの凄い影響を受けた、とも言える。なつかしくていつまでも聴いてしまう。かなり時間をかけて、精巧に作り上げて、…

Curtis Mayfield

ニ三日前から、Curtis Mayfieldばかり。「Live in Europe」1987年。素晴らしすぎて死ぬ。R&Bとかのカテゴリー下にCurtis がいるのではなく、最初から猛烈な勢いでCurtisの音楽があって、その流れの過程で、あるときにはじめてR&Bと呼ばせていただけるような…

寝るために

日曜日の夜になると、なぜ眠れなくなるのか。眠るイメージで、かなり手前から準備しているのに、いざ眠ろうとしても、失敗する。失敗すると悲惨で、しばらく足掻いたのち、結局iPhoneを光らせて、ひたすらネットを閲覧したりしているうちに、午前二時とか三…

だめだ。なぜか昨日から、狂ったように自分が二十代まで暮らした埼玉の実家周辺について、ネットで検索しまくっていて、地元の誰とも知れぬ誰かのブログとか、何十年も前のゴミのような情報とかを、ひたすら漁っている。何を考えているのか、自分でもよくわ…

カルメンという名の女

金曜日に新宿のツタヤで借りてきた「カルメンという名の女」を観る。銃撃戦とか裁判とか、人をなめたような、ふざけきったような場面がいっぱい。こういうのを観ていると、銀行強盗なんてそんなに難しいことではないのだなと思えてくる。いや、実際にやるの…

「JLG/自画像」

些細さをそのままに留め置く。余計な要素を排除して、必要なそれだけで仕上げる繊細。というのは実際、それを生かすためには、かなりの図太さとか大胆さとか倣岸さを必要とする。人間同士がお互いのために空気を読むみたいなのは、繊細ということとは違う。…

ゴダールのマリア

「ゴダールのマリア」を。マリアの処女懐胎が主題。 ロメールにせよ、ゴダールの本作にせよ、観終わって思わず、途方に暮れてしまうのが、作品の根底に横たわる、性愛的欲望の濃厚さというか、つまりはエロ目線の貪欲さ、執拗さみたいなものに対してだ。色々…

ddvvdddvvd

この連休は夫婦共に風邪の影響をモロに受けてまともに外出も出来ないので、(じつは)まだ観たことない作品を観てしまいましょうの会、ということで、ジャン=リュック・ゴダール「パッション」と、ロバート・アルドリッチ「カリフォルニア・ドールズ」。どち…

ロメール

帰宅、食事後、エリック・ロメール「クレールの膝」を観る。昨日観た「海辺のポーリーヌ」もそうだが、なんかほとんど、いきなり水浴図、みたいな、天国的な、人の形をした神様のような者たちが、勝手に、わいわいと楽しんでやっているのを観てるだけみたい…

ddvvd

一日中ゲホゲホゴホゲホと咽るばかり。今日がいったいどんな天気だったのか、まるでわからなかった。家でひたすらDVDを。エリック・ロメール「海辺のポーリーヌ」、エリア・カザン「波止場」、カエターノ・ヴェローゾのライブ「ノイチス・ド・ノルチ・ライヴ…