2017-01-01から1年間の記事一覧

末夢

まあ、じつにグータラな、ずーっと寝転んでるだけの一日で、今年も終了。あまり終了とか、そういう感覚はない。そういう感慨的なものを感じ取る能力も減衰してきた感じ。それにしても、ただ寝転んで食って飲んでしているだけでは、まったく何も面白くないし…

歳末

いつも歩く方向とは反対側の公園まで様子を見に行ったら、あの白サギがいた。なんとなく、予想していたが、やはりいた。一ヶ月ぶりに見た。一応、毎冬ごとに来ていることは来ていて、たぶんふだんはこの公園にいるのだろう。いつものように足で水底を、神経…

ryota

亮太という名前の子供の、最近じつに多いのをたびたび痛感する。スーパーの食品売り場などで「亮太!!」と呼びかけられるのは、ここ最近二度や三度ではなく、そのたびに焦って、はいなんですかの勢いで振り向くと、若いお母さんが子供の方を向いて何か言っ…

本日の「へたも絵のうち」

あれは、どこに写生に行ったときだったか、細い川と広い土手の景色を描きかけていたら、どこからか牛が一頭やってきて、ちょうど私が描いているあたりをうろうろします。こりゃあ一幅の泰西名画だ、よし牛も描いてやれと考えて描き加えたことがありました。…

並走

デュラス「愛」を読むが…すげえ退屈だ…。ずっとこうなのか。こうだった。とはいえ、これはこれで、この退屈さがまた、これを退屈と思うかそうでもないと思うかは、日によって、時と場合によって違う。 小説作品に書かれた一定の時間の経過。それは一様なもの…

神様

熊谷守一は1880年(明治13年)生まれで、1977年(昭和52年)に亡くなる。その97年間の時間のうちに、谷崎潤一郎の生涯も、ピカソの生涯も、すっぽりとおさまってしまう。というか、近代日本がほぼそのまま入ってしまう。 岐阜の実業家の裕福な家に生まれて、九十…

アメリカの刑事

金曜日の夜、DVDで「ブレードランナーファイナルカット」を観て、たぶん二十年ぶりとか、それ以上かもしれないが、まあ今更観なくても良かったと言えば良かったかもしれない。まず記憶と大きく違っていたのはラストで、当初ああだったものが、改変されてこう…

彼方

熊谷守一「へたも絵のうち」をじつは今までちゃんと読んでなかったので今更読んだのだが、とにかくこれを読んでいる間だけは、何とかギリギリ僕もまだあの作品群の側へ、かろうじて繋ぎとめられていられるような錯覚をおぼえるので、それだけでもありがたい…

熊谷守一

竹橋の近代美術館にて「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」を観る。とくに初期作品に顕著だが、まず技術力が桁違いに凄いのである。絵は結局才能だね、という無意味な言葉をつい口にしたくなる。ものが言いたくなくなるくらいに上手い。つまり最初から、10…

もろびとこぞりて

一年に一度のこの時期、横浜の高層ビルはライトアップのため一定時間だけ一斉にオフィス窓のブラインドを開けてビルの室内光を外に発して夜景をきれいにさせましょうというイベント協力を行うことになっていて、今年もガラガラとブラインドが巻き上げられた…

吉池

御徒町の吉池で殻付きの生牡蠣を買う。包んでもらってる間、並べられているほかの魚を見ていた。貝はミル貝とかサザエとかアワビとか、魚はマナガツオとか鯖とか太刀魚とか、驚くべきことに巨大なウツボが一尾どろーんと、後頭部にざっくりと包丁を入れられ…

我侭

今シーズン何度目かの忘年会。皆さん日本酒主体で飲み食い主体、相当量飲んで、それは良かったけど、欲を言えばもうちょっと美味しい店の方が良かったかもしれないが、ご馳走になってる分際でそんな失礼極まりないことは口にしないし思いもしない。0時半頃…

夏の夜の十時半

デュラス「夏の夜の十時半」を読了。まさに王道デュラス・スタイルと言える。三角関係的な恋愛のややこしい感じを、事態の一般的解決とかに向かわずに、そのまま無言で別の化学変化を試みようとするような感じ。 という話の骨子よりも、やはりとにかく文体が…

ピアノ低音

坂本龍一「async」をひたすら聴いていたい日。このアルバムで一番好きな曲は、はじめて聴いたときから今まで変わらず「disintegration」だが、これを聴いていているとつい思いだしてしまうのは、Cecil Tayler(名義上はThe Feel Trio)のアルバム「Looking (Be…

設置音楽2 IS YOUR TIME

初台のICCで「坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME」を観る。会場の真っ暗闇、進む数歩先がまるで見えず、足を進めるのも躊躇されるほどの暗黒空間に、おそるおそる入っていく。やがてぼやっとした光が見えてくる。ある程度広い空間だということ…

消耗品

ネットでリボッラ・ジャッラ、キャンティ・クラシコ、シャブリを買う。しかし他にも、やっぱり、あれもこれもほしいと思って、結局買い物に出て出先の酒屋で、デュラスの影響でボジョレーのブルイィとマンサニーリャというスペインのリキュールを買う。マン…

バックアップ・メンテナンス・プラン

ぼんやりと、でも考えるにつれて次第に、今のままではなくて、もっとこう、もっとこうして、みたいな考えが層状に積み重なっていく。おそろしくゆっくりとエクセルを更新し続ける。結局仕事していた。まあ業務中だから当たり前だけど。で、二時間に一度くら…

ネットワークインストールを選んだばっかりに、こんな時間を食うことになってしまった。痛恨の極みじゃないか。この時間の無駄。だから隣が話しかけてくるのだ。そんなのどうでも良かったことで、もっと細かいことの方が大事なのだけれども、なかなかどうし…

ランチにて

えー?それじゃあ、この席に座ってる三人が全員「カラマーゾフの兄弟」を読んだことがあるってことか!それって、けっこう凄いことじゃないかな?いや、べつに、凄くないような気もしますけど。。わかんないですけど。そうかな、べつに、すごくないかな。て…

拝む

神社に行ったとしても、手を合わせない、手を合わせる理由がない、手を合わせる行為をすることの意味がわからない、そんな強い反抗とか拒否の意ではなく、単にする必要を感じないからしない、という話をしたら驚かれたので、それなら、手を合わせて目を瞑っ…

new car

若いというのは、気分にムラがあること、眠いのを全く誤魔化せないということ、肝心なこととそうでもないことの順序が普通におかしくなってること、つまり、うつわが小さいということ、でもそのうつわの小ささこそが、一般的な意味での若者の魅力ということ…

旅行者

仕事とか、人間関係とか、いきなり不幸や不運が身に降りかかってくることもあるし、どうにも上手くいかない状況が続くということもある。そのとき、そこには何の理由も原因もない。何らかの因果の末にそうなったわけではない。たまたまそんな状況になってい…

川沿い

家から最寄駅と近傍の駅を通り過ぎて荒川沿いの土手を歩いて千住新橋をわたって川沿いに建つ図書館まで歩いた。図書館まで歩くのも久しぶりだ。今日は冬日としては完璧に近い素晴らしい天気で日差しも暖かくコートの下はシャツ一枚で丁度良かった。 土手から…

唱和

90年代後半に二枚アルバムを出したR&BグループのSOLO、当時はけっこう聴いたのを、なぜかふいに思い出して二十年ぶりに聴いて、今ハマッっている。なつかしいということでもあるけれども、それより何よりすばらしいヴォーカリゼーション。もう、クセとアクと…

工事現場

デュラスの短編「工事現場」変な小説だ、こりゃ如何にもだ、と思いながら読み始めて、しかし読み進むうちに一気に引きこまれた。こんな感じの語り方、今の小説でありうるのだろうか。やっぱり昔っぽい、ということになるのだろうか。でもいいわ。このストイ…

反復

蓮實 重彦「帝国の陰謀」を読む。「まず悲劇として演じられたものが、後に『笑劇』として再演されるというヘーゲル的な歴史観では到底統御しがたい」事態の到来。「一度目に悲劇として演じられたものの二度目であるが故の退屈な再現ではなく、まだ上演されて…

プロとコスプレ

この世の、保守・運用のプロという種族。無事故で安全第一、みたいなスローガンを本気で遂行するような人達。自分もある意味そんな現場の末席にいるのだが、はっきり自覚しているつもりだが元々自分はそういうことに向いているタイプではなく、いわばコスプ…

担当者

人はものを知るとか、おぼえるとかすると、それで実に生き生きするし、その場所にいることの意味とかをはっきりと掴めて、表情も多様になるし、感情の動きも活性化するものだということを、如実に感じる。若い人は、本人の意識に関係なく、そこにいるだけで…

幅詰め

スラックスを三本ばかり洋服の修理屋に持ち込んでウエストを幅詰めしてもらうことにした。今のままでは緩すぎてまったく履けないので仕方がない。ただし修理完了したら、もう自分が今後けして元の体型には戻れない。それでもいいんですか?はい、いいです、…

シュークルート

シュークルートが食べたい、猛烈に食べたいと、一年に一回か二回くらい思う。毎度の理由は不明だが、今回は完全にデュラス作品の影響。さらに不思議なのは、シュークルートの味を頭に思い浮かべようとしても、いまいち鮮明には思い浮かべられないことだ、あ…