2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

冬の日々

二日ばかり前から、いつもの白サギが近所の公園にやって来ている。小柄の身体で、ひとりでいつまでも、ふらふらとそのへんをうろつき回ったり、ふわっと飛び上がって木の上に乗って下を見下ろしていたりする。冬のこの時期になると、たぶんひと月くらいは近…

蝋梅

水元公園まで歩く。快晴の空だが、まさに真冬の寒さで、皮膚を切るかのような風が吹きすさんでいる。こんなに人のいない水元公園、はじめて見たという感じ。おびただしい数の鴨が、よたよたと長い行列をなして我が物顔で園内を闊歩しており、あらゆる樹々の…

師走

ようやく髪を切る。三か月ぶりか。その後買い物のつもりで東京駅まで出るが、年末の人混みに気圧されて結局そのまま帰ってくる。まあこの時期どの食品売り場も高くてつまらないので、しばらくは適当にやり過ごすしかない。 レンタル配信で川島雄三「幕末太陽…

暮れ

暮れも今日になればさすがに駅のホームに並ぶ人も少なくなって、電車内も空いていてとても快適、電車が空いているというだけで喜んでる人もすでに相当おかしいと思うが。本日で業務最終日、有志の飲み会に付き合う。見知った人々で見知った店で何度も何度も…

東上野

仲御徒町から春日通りを歩いて五分ほどのビルのオフィスで働いていた。二十年近く前だ。昼休みになると周辺でさっさと昼食をすませて、あとは休み時間いっぱい、ひたすら散歩していた。だから東上野界隈の路地は今でもよくおぼえている。と言っても、何の変…

Ornette Coleman

1991年の映画「裸のランチ」のサントラで僕ははじめてオーネット・コールマンを聴いた、そのときの印象がまず明確にあった。その直後に「ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン」を聴いたがイマイチよくわからず、そのまましばらく離れるが、数年後…

計量

三十分と時間を決めて泳ぐとき、十分ほど経過すると疲れ始めて、二十分経過後に持ち直すようなこともあれば、前半は問題なく泳いでいたのに、最後の十分が耐えがたいほど疲労することもある。いずれにせよパワー不足なために後半ペースが落ちたり。疲れてく…

エンド・テーマ「銀河鉄道の夜」細野晴臣

1985年リリースの細野晴臣「銀河鉄道の夜」が特別版として未発表音源を追加して再発されたのを聴く。 https://www.cinra.net/news/20181107-hosonoharuomi リリースされた別テイクの曲群にはとくにあらたな驚きはなかったけれども、やはりこのアルバムはとて…

フィリップス・コレクション展

三菱一号館美術館にて。あまり期待もせずに行ったら、けっこう良い作品が多くて楽しかった。フィリップス・コレクションと言えば、今から八年前の2010年に乃木坂で、やはり同コレクションから編成の展覧会が開催されているのだが、あのときはモダン・アート…

割引

コートをクリーニングに出しにいこうと思うが、割引券だのサービス券だのがやたらとあり、どれが使えてどれがダメなのかさっぱりわからない。まず100円割引券が大量にあって、これは一度の利用に一度だけ使えるのだろうから、これだけでは大したお得感はない…

Valpolicella

男二人で忘年会、というかただの呑み会。僕の退社が遅くなりそうだったので先に出た相手に桜木町まで移動してもらう。さあ今からどうしよう、今日は一年でもっとも人々が宴会する日だぞ、どこに電話しようがどの店もおそらくすでに全部満席に違いない。でも…

蝙蝠

自分が所属するチームのメンバーと他社チームとが合流して親睦会兼忘年会。我々が手前側の席に座り、相手側が奥の席で向かい合う恰好で乾杯する。じつは僕の場合、他社チームの皆さんと昔からけっこう親交があって、この人たちと会ってるときの方が、むしろ…

寂しいカシノキ

山の上のカシノキは、遠くの国へ行きたいと、空行く雲に頼んだが、雲はどこかへ消えてしまった山の上のカシノキは、私と一緒に暮らしてと、やさしい風に頼んだが、風もやはり、消えてしまった望みはかなわず、年月は過ぎ、山の上のカシノキは、今ではすっか…

火気

何百本ものスプレー缶に穴を空けて、湯沸かし器で火を付けたら爆発したという話を、自分はまるで、呆れたり苦笑したりできない。というか、事故とはこうして起きるものだというのが超リアルに伝わってきて他人事に思えない。湯沸かし器のスイッチを付けて事…

オペラ座A面

映画「ボヘミアン・ラプソディ」では"I'm in Love With My Car"や"You're My Best Friend "が大した曲ではない、みたいな扱いになっているが(賛成する人もいるだろうが)、僕はこの二曲はとても好きで、少なくともこれらの曲なしではアルバム「オペラ座の夜」…

Queen

「ボヘミアン・ラプソディ」MOVIX亀有で観た。上映時間二時間半くらいを観終えて、これが、いま世間で大ヒットしているのか…とあらためて驚く。世の中の皆さん、ほんとうにクイーンが大好きなんだなと。もちろん僕もクイーンは人並みには好きだし、とてつも…

録音

妻が出掛けて一人なので、すし屋に行って昼から飲む。食後、初台に移動して一度来てみたかった店を訪れてコーヒーで読書、個人的にレストランで一人で何時間もかけて食事をして酒を飲むのはぜんぜん嫌じゃないどころかむしろ楽しくてそんな時間が大好きなの…

宴会

エスカレーターで上のフロアに上がる途中、一階にある居酒屋を見下ろすことができるのだが、わりと広い店内の手前から奥まで、いつ見てもがらんとしていて閉店中かと思うほど誰もいないか、たまにカウンターに一人だけとか、年中そんな感じで他人事ながら経…

故郷

ズルズル、ドロドロと深いところへ落ち込んでいった。落ち込んだ先でさらに厄介事が発見され、それでさらに深くへと進むことになった。ふつう誰も寄り付かないような、もうずいぶん人気の絶えたさびしい場所へ降り立った。でもこういうことは前にもあったな…

施設

オフィスを見渡すと、ほとんど全員がマスクで顔を覆っていて、あちこちからゲホゲホと咳き込む音やくしゃみを連発する音が聴こえてきて、空調のぼわーっと効いた白っぽいフロア全体がまったく健やかではない雰囲気である。ちょっと気を許せば、自分もすぐに…

未熟な

夜、寒くてしかも雨が本降り。まさか雪にはならないだろうが、あともう一歩でそうなってもおかしくない。 乗代雄介「本物の読書家」を以前途中まで読んであった箇所から再読しつつ、同時にウェブに著者によるブログ(http://norishiro7.hatenablog.com/)を発…

寒い朝、いよいよ来た。座っていると、冷気がゆっくりと足元からしのびよってきて、ドアを開けて廊下に出ると、全身のあちこちの隙間から体温が逃げていくのがわかって、歩くのがおぼつかなくなるくらいのたよりなさを感じたり、そんな防戦一方の、朝から晩…

冬眠

ついに、寒い。朝食をとり、磯崎憲一郎「日本蒙昧前史」第一回(文學界2019年1月号)を読み、乗代雄介「未熟な同感者」(群像2017年7月)を読み、夕食の準備をして、酒を飲んで、やがて眠った。

Marcel Duchamp

東京国立博物館のデュシャン展、予想よりぜんぜん良くて、初期絵画群の中にわりと有名なやつがしっかりと展示されていて、これだけでも観る価値大いにありだった。初期の淡くて美しい色調の人物群像や風景もふつうに良かったが、「階段を降りる裸体No.2」を…

大きな会場の一次会が終わって、小人数で小さな店に移動して二次会して、残された時間枠を使い切るための三次会にまで流れる。今が金曜日の夜で、十二月の七日だとはっきり認識したいのだができない。電車に乗って、歩いてコンビニに寄って、帰宅して着替え…

計測

水泳した、が、アクティビティの取得にまた失敗した。データロスト。たいへんきもちわるい。ログとか推移グラフとか、マネジメントとか、つまり神経症ってことだなとは思うが、それが楽しいのだから仕方が無い。とりあえずデバイスの装着位置を変えてみて、…

石川町

朝、電車の中で目が覚めたら、さっきまでの混雑が嘘のようながら空きになっていて、寝起き顔できょろきょろしている自分を、向かいの女性が不思議そうに見ている。寝過ごして桜木町を通り過ぎたのだ。今まさに電車は次の駅へ到着するところ、だとすれば関内…

今週

今日も気温が高い、夜でも肌寒くない。人に付き合わされて、昨日も今日も残業している。退社がこの時間だと、このあとプールに行く気にはならず、したがってまっすぐに帰るのだが、まっすぐに帰るのが久々というか新鮮に感じる程度には、毎日マメに水泳を続…

失くすな

めがねを、失くした。さすがにもう、いいかげん、モノを失くす癖を、あらためられないのか。どこで失くしたのか、ぜんぜん心当たりが無い。めがねは、ふだんは僕はしてなくて、たまにするとしたらどこなのか、最近、どこでめがねをしたのだろうか、一番最近…

ビート

暗い空。昨日とはうって変わって肌寒い曇天。十二月だからこれで本来に近いはずだが、「今日の天気はどうなってるのか」と、つい思ってしまう。寒いから夕食は鍋物で、と安直に決めて買い物に出ただけ、の一日。スーパーに行く途中の中学校から、いつものよ…