2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

24号

夜から渋谷wwwxでCRCK/LCKSのライブだが、台風情報が余談を許さぬ状況で、これで今夜ほんとうに開演するのか微妙に思われたので、とりあえず告知を待つ午前中。正午前に15分開演を早めて20:00終了予定で決行する旨がリリースされ、しかしその直後にJRが在来…

ヘカテ

ダニエル・シュミット「ヘカテ」録画を観る。1942年スイスの宴席から回想される、北アフリカのどこか植民地で領事館員の男が愛人との恋に狂って自我崩壊寸前になるが、何とか気を持ち直して別離の後、平凡に勤務を続けてやがてそれなりに出世して、数年後に…

晴れ

秋の朝の晴れた空。素晴らしいとしか言いようのない天気。適当な場所にぼーっとつっ立って、絵画の前にいるみたいに、ただひたすら前方を鑑賞していたいような感じ。このままだと色も形も肌触りも匂いも暑さも寒さも味わいも、何もかも一緒くたになってしま…

四時過ぎの船

昨年の群像(2017年6月)に掲載の、古川真人「四時過ぎの船」を読んだ。祖母の佐恵子、佐恵子の娘の美穂、美穂の長男の浩と稔の三世代が出てくる。浩は視覚障害者のシステムエンジニアで、稔は兄の介護などしつつ三十歳で無職。ちなみに、そうか僕はたぶん母親…

M.A.Y. in the Backyard

M.A.Y. in the Backyard - YouTube 坂本龍一「M.A.Y. in the Backyard」が昨晩から頭の中で自動再生されていて、らら らら らら らら らら らら あの旋律というか、あの拍子ごとに、ずっと鼻歌で、声に出したくなる。しかたなくアルバム「音楽図鑑」「1996」…

Pool with two figures

デビッド・ホックニーの絵。プールに泳ぐ人平泳ぎのカエルのような格好のまま、水中にぴたっと静止したような姿。泳いでるというより、潜水しているのか。 プールサイドから、それを見下ろしている人。上着を着てる。 泳ぐ人はコースの端まで泳ぎきる直前。…

なみのおと

キネカ大森で濱口竜介「なみのおと」を観る。連日、濱口竜介作品ばかり連続でとりつかれたように観ている理由は、妻につき合っているから。光がキレイで、カメラの前の人の顔がとてもきれいだ。全員がまるで役者のように整った顔立ちに見える。話手がいて、…

Cornelius、濱口

スペースシャワーTV Cornelius "Mellow Waves Tour 2018" Documentary Part1を見る。Mellow Wavesリリース後のコーネリアスのアメリカツアーの様子だが、これは…すごい、やはり去年コーネリアスのライブは観ておくべきだったかもしれないと悔やむ。こんな面…

両国

江戸東京博物館に行った。とくにこれが観たいとかそういう目的もなく、ただなんとなく行って、二時間ばかり見学して帰ってきた。ここ、たぶんもう十年近く前にも一度来たことがあるはずだが、いつ何を目的で何を観たのかまるで思い出せない。もしかしたら今…

また会う日まで

柴崎友香「また会う日まで」を読む。主人公の有麻は大阪在住だが、一週間だけ東京に遊びにきた。滞在中は友人の家を渡り歩いて宿泊して、日中に予定はあったりなかったりで、なんとなくふらふら東京を見て、しかし実は高校生のときから少し気になっていた鳴…

熔ける

「大王製紙事件」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E7%8E%8B%E8%A3%BD%E7%B4%99%E4%BA%8B%E4%BB%B6)この事件はおぼえている。当時の大王製紙社長が、会社の資金を使って、カジノで計百六億円を失って、背任の罪で逮捕された。 当時、これは熱いな……

黒い裾

黒田文「黒い裾」こんな小説があるのかと思った。そうか、昔ってこうだったのか、と実感する話だ。もちろん昔は全てこうだったというわけではなくて、かなり格式ある立派な家族親族での話だろう、ということだけど。今、葬式というのはほとんど葬儀屋に頼む…

やれた

群像9月号の保坂和志の連載「鉄の胡蝶は記憶の歳月に夢を彫るか」二回目を読む。「やれたかも委員会」フリーダウンロードで(途中まで)読む。(https://note.mu/yoshidatakashi3/m/meb18e27a76d0) 美人を見かける、そこに美人がいる、というとき、そこには…

古本

荻窪と吉祥寺の古本屋を巡る。そのあと、井の頭公園に行くつもりだったのだが、結果的に大量購入になって荷物は重いわ日は暮れるわで、買出ししてすぐ帰宅みたいなことになってしまった。しかも帰宅前に豪雨にやられた。まいった。しかし荻窪のささま書店す…

もしかして、もう萩が咲いてるかもしれないと、とくに事前の調べもせず根拠もない期待をかけて茗荷谷の小石川植物園へ。入園の際に、ちょうど彼岸花が満開ですよと受付の人が言う。たしかに彼岸花はすごかった。森の茂みの薄暗闇を背に、ぼっと浮かび上がる…

杉浦大和、ゴードン・マッタ=クラーク

銀座の藍画廊で杉浦大和展を観る。画廊を訪れて、絵を前にするときにみえるもの。それは絵の前にいるときだけ現れるものである。画廊を出てしまうと消えてしまう。後からそれを思い出すことはほぼ不可能である。そのことはもちろんわかっているのだが、あら…

幸田文の「段」素晴らしい。幸田文流「バベットの晩餐会」というか、敗戦直後のことだから闇市で仕入れた食材であり豪華さや洗練とかではなくてつつましく厳しいのだが、だからこそ余計にと言うか戦前からの日本の宴の作法しきたりの感覚がまだ強く息づいて…

アレクサ

ある人(女性)がアレクサに話しかけているのを見ていて、唐突だが妙な色気を感じる。などと書くとじつにいやらしいおっさんという感じがする。しかしそのとき感じたことは、そう言いあらわすのが適当な気がする。そうか君はそういう人だったのか、みたいな発…

拡散

赤い靴のことなんか書いたからかもしれないが、先日から右目が結膜下出血を起こした。約一年半ぶり。ほっとけば治るだろうから放置するけど、見た目がやけに派手というかグロいので、人に顔を見られるたびに「あ!その目、どうしたの!??」と聞かれて一々…

姦声

幸田文「黒い裾」収録の「姦声」を読む。嫁ぎ先の酒屋問屋で、店に出入りするたくさんの商人や職人の中にひとりトラックの運転手がいて、主人公はその男の声色から外見から態度からすべてを嫌っている、それはほとんど生理的嫌悪に近いほどで、しかしそれを…

国宝絵巻

朝の電車は混みあっている。隣に立つ若い女性。毎朝の通勤電車では、乗り合わせる人々の顔はなんとなくおぼえてしまう。黒くて長い髪、スカート丈短めのワンピースに薄手のカーディガンをはおる、赤いハイヒール、この女性もたまに見かける。たまにと思うが…

This Woman's Work

僕は知らなかったのだが、ケイト・ブッシュの「This Woman's Work」の歌詞では、語る主体が男なのか女なのか判然としないのだそうだ。妊娠・出産によって身体的危機に晒されている女性本人の語りだとも、それを見守っているか別の場所で相手を思って苦悩して…

移転の日

東京は晴れ、暑い。ツタヤでDVD返却。みずほ銀行はまたATM休止。電車の冷房が強すぎる。図書館の冷房が弱く感じる。たまにはちゃんとしたコーヒーを飲もうと駅に戻る途中の喫茶店へ。いつもどおり本日のサービス珈琲を注文したらダッチコーヒーで、もっとす…

飲み会の女性7〜8人と自分の上司含む男性3人が、好きな漫画・アニメの話で死ぬほど盛り上がって話している。後から後から作品名が出てきて、あれはどうで、これはどうで、私はあれよりもなんとかのこれ系なので、こっちのヤツは全部見てます。あたしは何とか…

フルタイムライフ

柴咲友香「フルタイムライフ」、主人公視点と三人称視点が混ざり合いながら、関心が常に変わり見る対象や思うこともころころと移り変わる感じがよくわかる。するーっと読めてしまうので、地文も会話文もそれだけで出来てなくて互いに入れ子状になっていると…

十年後

柴崎友香「きょうのできごと 十年後」を読む。制約のようなものをあえて取っ払って、かなり自由になんでもやっているような感じだ。三十歳過ぎのけいとと真紀に、中沢の経営する店、夜のパーティーの賑わい、酒と料理、DJとライブ、美女の歌手、渋いメルセデ…

Culture Club

数年に一度、カルチャー・クラブ (Culture Club) を聴きたくなる病を発症する。しかし古い。流行ってたのは今から三十五年ほど前。中学一年生だった自分の、洋楽初体験である。友人のYとMはデュラン・デュランに夢中で、僕もたしかに「ザ・リフレックス」と…

できごと

「きょうのできごと」「きょうのできごとの、つづきのできごと」とつづけて読んで、著者の、登場人物たちとその世界への愛というか、あの京都の夜、前後のだらだらと続く日々をいつまでも終わらせたくなくて、ただひたすらこの人たちとの時間を長引かせてい…

きょうのみたもの

買い物に行く途中、通りかかった中学校の校舎から、吹奏楽の練習をしている音が漏れ聴こえてきた。ヴァイオリン、フルート、コントラバスなど管弦楽器たちの音が、演奏の準備でそれぞれ勝手に音を出している。この低音から高音までバランスよく役割分担され…

寝ても覚めても

MOVIX亀有で濱口竜介「寝ても覚めても」を観る。以下、物語内容に盛大に触れる。原作の小説もそうだが、この話はストーリーをあらかじめ知らないままで体験した方が楽しいと思うので、観る/読む予定の人は以下を読まないことをお勧めする。自分が原作を読ん…