2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ヘテロトピア

東京都美術館 ギャラリーCで都美セレクション グループ展 2019「ヘテロトピア」を観た。松浦寿夫「misique de table -テレマン礼賛」と題されたシリーズがとても良かった。何の変哲もない、白い紙コップと紙皿がぐしゃっと潰れたり歪んだり、変形・着色させ…

思春期

埼玉の実家に一人で帰って母親と妹夫婦と共に昼食の会。ここ最近の、自分でもいいかげんみっともないとは思うのだが、つい自年齢にまつわる愚痴めいた話題を振りたくなってしまって、ああもう嫌だ、もう若く見てもらえない、ただのおっさんにしか見られなく…

晩餐

いつものメンバーから五人集まって御茶ノ水の四川料理。テーブルを囲んでいる様子を写真に撮ってLINEのグループに上げたら、参加しなかった別のメンバーがそれを見て「なんか最後の晩餐っぽい」とコメントした。たしかになぜか全員が笑顔もなく俯いていて、…

夢の中で

コーネリアスを聴いて、ほとんど泣きたくなるような感傷にずるずると浸る。普通の音楽がなんの疑いもなく当たり前のように居座っている場所にコーネリアスの曲はなくて、どの曲も、その曲があるとないの中間の場所にかろうじて位置してる。メロディやリズム…

タロウ

犬や猫の、愛嬌や可愛さ、幼児のような天真爛漫な愛すべき愚かさ、はかなくて、か弱くて、人間を惹きつけずにはおかない魅力、それは彼らが、最終的には人の力を借りずには生きていかれない存在だから、人間に愛され、庇護されながら生き延びるため、発達さ…

明るさ

会社を出たときに、まだ空が明るいのは、気分がとても助かる、それで、どうというわけでもないのだが、あれは晴れたらいつも、この季節特有の、救いの気分をもたらしてくれる明るさだ。まだ熟してない果物をもらって、食べるまでしばらく待たなければいけな…

残雪

残雪の「カッコウが鳴くあの一瞬」を図書館で何となく立ち読みしてたら、かなり良くて、これは読みたいと思って借りてきた。冒頭の短編「阿梅、ある太陽の日の愁い」を最初に読んだときは相当鮮烈な印象だったのだが、二度目に読んだら、あれ、実はけっこう…

圧力鍋

念願の圧力鍋を入手したので、牛スジブロック肉、赤ワイン、フォンドボーの元、野菜各種など買ってきて、煮込み料理に挑む。レシピに従って材料を投入し、まるで小さなエンジン音のような、調理器具とは思えない機械的な音を立てて、圧力鍋が蒸気を吐き出し…

言葉

RYOZAN PARK巣鴨の、保坂和志 小説的思考塾vol.4〈人称の問題〉へ。 「神の子が死んだということはありえないがゆえに疑いない事実であり、葬られた後に復活したということは信じられないことであるがゆえに確実である」という、根本的矛盾をはらんでいるか…

負ける

若いうちに、もっとたくさん、人に負ける経験をしておけば良かったなあと、いまさら思った。こう言うと今まで勝った経験しかないみたいだが、そんなはずがなくて、どちらの経験もごくわずかで、つまり今まで勝敗が決まるような場所をことごとく避けて通って…

若い女

今日、私は自分のやりたいだけしか仕事せず、あとは優雅に過ごしてさっさと帰宅しようと思ってたのに、蓋を開けたら全然そうならなかった。あらゆる仕事が、ほとんどベルトコンベアで流れてくるみたいに、ぜんぶこちらに襲い掛かってきて、それらを夢中で掴…

シュウマイ弁当

シュウマイ弁当のおかずのなかで何が好きですか?といきなり聞かれて、え?シュウマイ弁当って、崎陽軒のですか?と聞き返すと、そうそう、と当然の如く頷く。何が好きかと聞かれても…シュウマイの他に何が入っていたのか思い出せないし、そもそもシュウマイ…

姿勢

姿勢が悪い、オフィスで座席についてPCに向かっている姿が、横から見ると、腰から背中、首にかけて、かっくんかっくんと折れ曲がったような座り方になっていると言われて、でもまあ、猫背で俯き加減の貧相な姿であるのはいつものことだし、僕だけでなくうち…

泡沫

ここ数日、本も読んでないし音楽も聴いてなくて、たまたま見つけたあるブログをひたすら読んでいる。もう十年間くらい続いているブログで、だいたい同じ調子、短いと数行、長いと数十行くらいの分量で、延々ずーっと、仕事の文句ばっかり書かれている。ふつ…

悲しき渋谷

真夜中にものすごい雷が鳴っていたけれども、一夜明けたら素晴らしい快晴、しかも空気は爽やか。「悲しみは」って…、もしかして、こんな青い空のことを、言うのじゃないかしら…。 Mさんリミックス2019版、今年も素晴らしかった。「半分燃えた蝋燭、埃だらけ…

無駄足

皮膚科を受診しようと思って、雨の中を出かける。バス路線図を調べたがどの路線とも違う場所だし歩くには遠すぎるし雨も降ってるし、仕方がないので三人くらい待っているタクシー乗り場の後列に並ぶ。それほど待たずに車が来たので運転手にiPhone上に表示し…

酔客

男四人で呑み会、一軒目のもつ焼き屋は若い人多くキレイ目な女性も多いというか、女性ってホルモンとか好きな人がけっこう多い。二軒目を出て解散して、二人でもう一軒行きましょう御徒町の方に行きましょうとEさんが言う。ここからなら湯島の方が近いじゃな…

draft

書くことがない、と思う日はよくある。今日もそうだ。そういうときは、draft.txtを見る。ふだん書いていて、上手くいかなくて途中でやめたり、書き終わったけど、どうも自分で気に入らなくてアップロードする気にならないとか、そういう理由でボツにしたヤツ…

たぶん朝方、夢を見た。 あらかじめ調べた道順の通りに現地へ向かう。ギャラリー兼制作アトリエとの事だったが、外観はふつうの古びたアパートだ。玄関を開けると、手前と奥とで六畳くらいの部屋がつながっている間取りの、敷居を取っ払ったワンルーム風にな…

充電

会社を出て駅に向かう途中、朝の時点でiPhoneのバッテリーが半分以下だったことを思い出した。しまった、会社で充電しておけば良かったのにすっかり忘れていた。現時点であと十パーセント少ししかないので、このまま横浜のジムに寄ってから帰宅すると電源が…

朝から雨、挿した傘に打ちつけられる雨の音がはげしい。これほど強い雨は久しぶり。自宅から駅までは早足でも十五分は掛かるので、この雨の中それだけの距離を歩くと、靴は目も当てられないほど水を浸み込ませてしまい、跳ね返る雨の飛沫に裾から膝下あたり…

ネットワーク以前

僕が学生だったのは90年代半ばだが、当時、大学の先生が言っていた言葉で「制作は自室にこもって一人でやる方がいいと言う考えもあるけど、学生のうちはできるだけ学校に来てアトリエで制作するべき。学校が重要なのは、同じような立場や環境で制作している…

虚構と制作

RYOZAN PARK 巣鴨にて、虚構と制作「虚構世界はなぜ必要か?」刊行記念イベント(古谷利裕・上妻世海)。 この私を強く規定し、一つの目的、一つの場所に閉じ込めようとする「現実」がある。そして「現実」を弱める、あるいは脱臼させて、それとは違ういくつか…

梅雨入り

梅雨入りらしいけど、雨に降られないものだ。買った傘はまだ一度も使ってない。週末は、雨らしいけどね。昨日も水泳したから、今週はもう充分、もう少し早く会社を出られたなら、今日も行って構わないような気もしていたのだが、ちょっと遅くなったのでおと…

海の沈黙

ヴェルコール「海の沈黙」を読んだ。気詰まりでいたたまれないような時間のなかで、ドイツ将校の仕草や表情や、頑なな否定の思いを全身で発散させているかのような姪の態度が、すばらしく繊細に描写されていて陶酔させられる。 占領下フランス、主人公と姪が…

傘を買うために、会社の向かいにあるデパートに立ち寄った。しかしどうも傘を売っていそうな店が、フロア案内図に見当たらない。売ってないわけはないだろうが、よくわからない。そもそも、傘とは、どこで買えば良いのか。むかし、あれはたしか東京駅の丸の…

習慣

今日、泳ぐのをサボって帰ったら最後、もう二度と行かなくなってしまいそうな、ふとしたことから一気にすべて辞めてしまいそうな、そんな予感がいつもどこかにあって、それを現実にしないために、プールに通い続けているところもある。ウォークマンが壊れて…

壊れた

いつものようにプールサイドで水泳用ウォークマンの再生スイッチをONにして、そのまま水に入って泳ぎ始める。すると突然、水中でふっと音が消えてしまった。再生ボタンを押し直しても反応しない。電源のON/OFFはできる…と思ったらこれも怪しい。押してもなか…

校舎

歩いていると雲が少しはれたようで、出掛けたときよりも明るさが増した気がする。クチナシのすぐ脇だと何も香らなかったのに、弱い風向きの少し先で焼き上がった甘い菓子のような匂いがそこで待っていたかのように我々をつつむ。中学校の脇を通るとき、グラ…

松戸

スマホを自宅に置き忘れてきたことに気付いたのだけど、まあ休日くらいスマホ持ち歩かなくてもいいだろうと思って、そのまま駅まで向かった。久しぶりに駅の切符売り場で切符を買った。 水元公園への行き方は、自宅から徒歩で一時間半くらいかけていくか、亀…