2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

低速

今週は残業が多くて帰りが遅くなる日が続いていたが、妻も同様らしく一昨日昨日あたり家でほとほと疲労困憊の様子だったので、帰宅途中でメールしたら、ちょうど帰りがけに同僚と一杯やってきたその帰り道だったらしい。僕ではなく妻が寄り道してくるシチュ…

アル・パチーノ

テレビをつけたら、ヤクザだったか、刑事だったか、どちらか忘れたけど、なにしろ怖い人の役で演技しているアル・パチーノがいた。仲間というか部下に取り囲まれて、何か喋っている。イラついてる。たぶん、ハラワタが煮えくり返ってる。感情を抑えて、努め…

母なる神

母親がわが子を思う気持ちというのは、恋愛感情とかではない。子がはじめて母親を認識するときに芽生えるものが、のちの恋愛感情の基本的な土台を組み立てるのだとは思うが、母親がわが子を愛するというのは、本能とか遺伝子レベルでのインプットだとか、そ…

内外

外で呑むお酒と、家で呑むお酒と、どこが違うの?同じお酒だったら、家で呑む方が安くていいじゃん、なぜわざわざ外に行きたがるのか?と問われて、いや、それは僕も考えたことはある。この前だって夜道を歩きながら、ひたすらそのことを考えていたのだ。そ…

裸眼

夜の寒さ、そして雨が、頭にぽつぽつと当たる。これはやばい、でも、このまま雪になるかと言えば、どうだろうか、微妙ではないだろうか。寒いとはいえ、この程度なら、おそらく雨のままで終わるのでは。そうでないとすれば、真夜中から明け方にかけてか。週…

ステイブル・ギャラリー

エリナー・ウォードに、ついにぼくのニューヨークでの初個展を彼女のステイブル・ギャラリーでひらかせたのはディだった。この画廊は当時マディソン街を入ったところにあったが、そのまえはセントラル・パーク南のすぐそばの、ニューヨークでもいちばん美し…

Love Jam

Zeppダイバーシティ東京でORIGINAL LOVE presents 「Love Jam vol.5」出演はオリジナル・ラブ、コーネリアス、中村佳穂。いずれのグループも僕はライブ初体験。最初は、この組合せのなんと脈絡なき不思議さよ…と思ったが、よく考えたら田島貴男と小山田圭吾…

納豆

最寄り駅に着いたのが23:00直前で、スーパーの営業時間に間に合わなかった。冷蔵庫に酒はあるから、あとは魚の干物があれば、まあいいでしょう。アジの開きと、あと納豆も買った。納豆が食べたいと思っていた。ごはんに乗せるのではなくて、納豆だけを食べた…

演技

俳優二人の不倫に関する報道がネットのニュースに出ていた。想像だけど、恋愛映画を演じる俳優二人が、演技のために、ことに実績ある方があまり無い方にアドバイスしたりしながら、お互いの役割のイメージをよりリアルになるよう高め合う、そういうトレーニ…

入谷

有給取得日、一人で昼食へ。家を出て見上げれば曇り空、寒さ厳しい、もしも雨が降り出したら、そのまま雪になってもおかしくない、ありえるんじゃないかと思う。当初、北千住と思ったが途中で気が変わる、天ぷらにしようと思って入谷へ。地下鉄の出口を出て…

喫煙所

商店街を歩いて駅前のロータリーに出る。エスカレーターで昇るとペデストリアンデッキが広がっていて、地上から十数メートルの位置に浮かんだ矩形の広場を人が行き交う。左手にはデパートの建物がそびえ、正面奥は駅の入り口である。柵の下では遮られて出来…

女は女である

Amazon Prime Videoでジャン=リュック・ゴダールの「女は女である」を観る。アンナ・カリーナをカメラで撮り、思いつくことすべてを試したというか、すべてのアイデアを注ぎ込んだ、しかし出来上がったイメージはただひたすら、アンナ・カリーナだけ、そこ…

モノトーン

僕の住まいの最寄り駅名や周辺地域名をネットで検索すると、治安 歴史 住みたくない 住みにくい 事件 一人暮らし 女性 …などのキーワードが頻出する、昔も今もすこぶる評判の悪い場所であるが、もう二十年近く住んでいる身からすれば、それほど酷いとは思え…

パラサイト 半地下の家族

TOHOシネマズ上野でポン・ジュノ「パラサイト 半地下の家族」を観た。本作は監督のポン・ジュノ自身が、ネタバレするなと事あるたびに口にしているらしい。しかし以下、思いきりネタバレしているのでご注意下さい。 アイデア豊富で、面白い仕掛けがたくさん…

金曜夜

これから夜半にかけて雪が降るかも…との噂を聞く。会社を出て歩き始めたけど、そんなに寒いとは思わなかった。まあ寒いことは寒いか。それでもさほどではないと思うけど。 久々の店に行ったら驚いたことに店内無人で、暇そうにしてたスタッフの二人が入って…

一汁

本来は食事も習慣化されているのが、人間としてもっとも良いことなんだろうと思う。毎日同じ時間、大体似たような品目を、同じ分量だけ食べる、そういう食事のなかに、よろこびを見出していくことが、いちばんの幸いだろう。そのときの味覚的なよろこびとは…

マーク・ファリーナ

休日は延々音楽を聴いているような状態なのに、平日になるとピタッと聴かなくなる。音楽を聴くときの身体的な構えが、休日にしかあらわれなくなってきた感じがする。とはいえ休日に何を聴いているのかと言ったら、ほとんどハウスばかりで、ハウスに身体を完…

アクアエリア

最近の水泳は、甚だ適当なこころがまえを自分に許している。プールに通うのはこれまで通り続けなきゃダメで、基本は週に二回で一度につき三十分泳ぐけど、気が乗らなかったりコースが混んでたり疲れてる場合は、十分とか二十分くらいで早めに上がってもいい…

ポッピズム

自室はふだんろくに掃除もせず整理整頓もなってないので、CDだの本だのが床のあちこちに積み重なり山脈をなしていて、今日のようにふと気が向いて山々の一角から何冊かの本を取り出そうとしたり、あるいは底に沈んでるCDを取り出そうとしたならば、それは濛…

向嶋

幸田文に"すがの"というエッセイがある。初出は昭和二十五年、永井荷風全集14巻の付録である。 幸田露伴と文の親子は、終戦直後、住まいを転々とせざるを得なかった。もちろんこの親子だけではなく、すべての日本人がそうだった。「戦争は人に、さすらいの暮…

フォードvsフェラーリ

妻が風邪ひいて外出できないので、ひとりで歩いてMOVIX亀有へ。お一人様でもなければ観そうにない作品を選択ということで、ジェムズ・マンゴールド「フォードvsフェラーリ」。自動車映画の王道感満載で、期待していたものがきちんと揃ってる満足感はある。若…

器割記

家の土鍋、もう二十年近く使ってるやつ、あの蓋を割ってしまったのが年末のこと。仕方がないから土鍋ごと買い直そうかと思うのだが、たかが土鍋だが、これが意外に悩む。土鍋なんてどこでも売ってるのだが、でもなぜか"これ!"という感じに、ピタッとくるや…

鮮魚

日々プールに通ってると、いつもいる人とか、たまにいる人とか、何となくわかってくる。もちろん向こうもこちらをわかってるのだろうが、お互い話をしたりはしない。話をするような間柄もありえるのだろうが、僕は面倒くさいのでその気のあるそぶりは見せな…

キーボード

はじめてキーボードに触ったのは、たぶん小学生のときだ。ちなみに鍵盤のキーボードじゃなくて、コンピュータのインターフェイスのキーボードの話。当時はあの物体が未来そのものに感じられたし、キーボード入力ができる能力をほとんど外国語を扱える能力み…

七草粥

七草粥は、妻が毎年作ってくれるのだが、ああ、あれか。あれはたしかに、春の香りと味わいを感じさせる、この時季に思いを馳せるに絶妙な風味の食物である、と理屈ではわかるのだが、それにしてもあれは、いざ食べてみると、少しばかり味気ないというか、ご…

レース

寒い朝だった。いや、それほどでもなかった。が、体感気温として寒いのではなく、見た目が寒かった。というか薄暗いどんよりとした空の下で、気の塞ぐような、その雰囲気そのものが寒かった。首をすくめて、駅までの道を歩いた。 毎朝、同じ地域に住む人々が…

身体さん

一日、家にいるつもりだったのだが、これだけ天気が良いと屋内にいるのも何か勿体ない気がして、図書館まで散歩することにした。澄み切った空気のなか、荒川沿いの土手を千住新橋に向かう。橋を渡ってすぐが図書館だ。これまで何年もの間、数えきれないほど…

この世界の(さらにいくつもの)片隅に

MOVIX亀有で「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」を観る。冒頭の、すずが嫁ぐ日、北條家を目指して歩く浦野家の人々を坂の頂上から見下ろしている小林の伯母さん。嫁ぎ先の人ではなくて、親戚の、この度の仲人を務めて下さる、その伯母さんの、ぽつんと…

飲食

実家へ。母、妹夫婦、姪と我々夫婦にて恒例の年始呑み会。一昨日も今日も昼から夜までひたすら食って呑んで過ごすことによる身体負荷が、最近ことのほかきつくなってきた気がする。酒の酔いはほとんど無いが、なにしろ満腹感が死ぬほどつらい。胃の制限ライ…

納屋で

目が覚めて、今のが初夢だったんだ…と思って、まどろみの中でしばらくの間、さっきまでのことを思い出していた。うちの実家の近くだと思う。重苦しさをたたえた日本家屋、黒い柱、柿の木の墨で描いたような幹、木の陰の苔でまだら模様の自転車置き場、未舗装…