2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ryota

僕は下の名前を「りょうた」と読むのだが、僕が子供の頃だから四十年近く前ということになるけど、当時の男子でそんな名前は、じつは意外と珍しかった。〇〇太という名前が、僕の時代(団塊ジュニア世代)前後で流行した名前の傾向からは、かなり外れていたも…

ライブ映像

2015年の東京ジャズは当時ステージの一部が後日テレビ放映されたが、その録画したものをうちの妻はけっこう気に入っていて、以来これまで数えきれないほど何度も再生していて今日も聴いていたので僕もつきあった。とはいえ菊地成孔とリチャード・スペイヴン…

書かれた文字、文章というものの怖いところは、何かの意味を伝達させようとして、何かを書いて、意図通りに意味が伝わったか否かの合否判定が出来るような伝達手段ではないところだ。いや、もちろん伝わったのかダメだったのかは度合も含めて判定できるだろ…

拠点

90年代の保坂和志の文章から漂う、一見とてもおだやかでのんびりしているようでありながら、その薄皮一枚隔てた裏側では怒りの血潮が流れているというのか、従来の文学観とか旧来の価値観に対する強い反発感というか、それで良いとされている既成の感覚を前…

老人の群れ

ゾンビ映画とかスプラッター映画というのは、死んでゾンビになったら、それを確認出来次第何も考えず、即時に射殺して良いということになっている。青白い顔をして立ち上がり、ヨタヨタとこちらに近寄ってくる姿を見て、生前の面影をしのんだり悲しみに暮れ…

ニンゲン合格

冬なら、匂いも冷たくなる。鼻がまず冷たいし、入り込んでくる空気も冷たい。晴朗きわまりない空。寒さはほとんど感じない。太陽の光が背中を暖めるので、コートを着ていられないほどだ。梅は満開に近かった。 Prime Videoで、黒沢清「ニンゲン合格」(1999年…

God Bless America

テレビをつけたら、マイケル・チミノ「ディア・ハンター」がやっていた。ロバート・デ・ニーロが復員して、久しぶりに地元の仲間たちと会う場面からラストまで、たぶん一時間くらい観た。やはりどう考えても、ロバート・デ・ニーロが演じる主人公の男は、非…

ゾンビ

Prime Videoで、ジョージ・A・ロメロ「ゾンビ」(1978年)を観る。中学生のとき(1985年頃?)にビデオで観たのが最初で、それ以来だから…とにかく何十年ぶりの再見。なぜ観ようと思ったのか、自分にもよくわからないのだが、たぶんショッピング・モールの一角に…

季節の記憶

保坂和志「季節の記憶」の、ナッちゃんの娘のつぼみちゃんは、クイちゃんが「文字」を書けないことでクイちゃんをからかい、クイちゃんはそれにショックを受けるが、やがて字への興味が芽生えて、その興味が次第に大きくなっていきそうな気配を見せる。しか…

ナッちゃん

保坂和志「季節の記憶」を再読。主人公の中野さんがはじめてナッちゃんと出会う場面で、ナッちゃんに声をかけるのはそのとき中野さんと一緒にいた美沙ちゃんで、中野さんとナッちゃんはその時ふつうに初対面の挨拶をする。中野さんはナッちゃんの顔を見て、…

Twitter

ところでTwitterは、あれの読み方は、下から上へでいいのだろうか。それとも逆か、みんな、どっちから読んでいるのか。やはり時系列順に、僕はなるべく下から上へ読みたいのだが、まとまったツイートが非表示になったのを表示すると、それは下から上へ展開せ…

素質

想像とか、妄想とか、空想するとか、というのは、じつはそれなりに図々しい性格じゃないと出来ないことだ。「自分勝手で、自分に都合の良い、甘い考え」をもつこともそうだ。さすがにそんな上手い話はないでしょと、冷静になってから自分で自分に突っ込みた…

一滴

一昨日のことだが、ものすごく久しぶりに自室でアンドリュー・ウェザオールのThe Sabres of ParadiseのCDを引っ張り出して聴いていた。いや、自分の意志で引っ張り出したわけではなくて、ふだん目につかない棚の奥のCDを聴くために、奥と手前それぞれのCD群…

バンド・ワゴン

Prime Videoでヴィンセント・ミネリ「バンド・ワゴン」を観る。1953年、当時フレッド・アステア54歳である。この時点でのフレッド・アステア自身の思いが多分に反映されているのかどうなのか…冒頭から異様にペシミスティックな雰囲気で、すでに人気のピーク…

コンチネンタル

Prime Videoでマーク・サンドリッチ「コンチネンタル」を観る。制作年は1934年、当時フレッド・アステア35歳、ジンジャー・ロジャース23歳である。驚いたことにアステアとロジャースが二人で踊るシーンは中盤以降まであらわれず、役柄としての二人の誤解がじ…

和辻哲郎と風呂

先日、三宅さんの日記を読んでいて不意打ちのように気付かされたこと。それは名古屋・京都間が、電車で一時間も掛からないということだった。当たり前ではないかと言われそうだが、じつは僕に今までその発想はなかった。名古屋ならここ数年で何度となく行っ…

循環

午後八時過ぎ、夜道を歩いていると、ふわっと湿気を伴った空気が生暖かくて、二月のこの時期の外気が暖かいはずがないのだが、昨日までの肌を刺すような厳しい冷気とはまるで質の異なる空気で、寒くないのは助かるけど、これはこれで、やがてまた今とは異な…

ザッツ・エンタテインメント partII

昨日の夜だが、Prime video(レンタル)で、ジャック・ヘイリー・jr.、ジーン・ケリー「ザッツ・エンタテインメント partII」を観た(途中で寝落ちしたけど…)。 なるほどたしかに、マイケル・ジャクソンはフレッド・アステアを参照していたのだなとわかる。それ…

木場

ダムタイプの展覧会を観に行かなければと思って木場の現代美術館へ向かう。清澄白河駅に着いたら、美術館までの景色が、なつかしいようなそうでもないような、途中の商店街も、雰囲気が変わったようなそうでもないような、何か不思議な感じがする。景色だけ…

Fdf

CEROの新曲「Fdf」が素敵だ。わかりやすくてキャッチーで大ヒットしそうだ、とは、全然思わなくて、やや地味でお高くとまってる感も相変わらずあるが、しかし抜群にセンス良くて、親しみやすさや人懐っこさもあって、その匙加減がまた絶妙にいい感じだ。しか…

日本蒙昧前史

磯崎憲一郎「日本蒙昧前史」最終回を読んだ。たぶん自分のどこかに、自分でも気づいてない嫌なネガティブな痣のような滲みがいつの間にか出来ていたのを、小説がその汚点を正確に突いてくる感じで、読み進むと次第に不思議な前向きさが心身に溢れてくるかの…

昼過ぎに、六人集まって飲み会。えぇ…なぜ昼から?当初、僕は反対したのだが、賛成多数で決行。通しでやってる大箱の店、アラカルトで注文しつつ適当に飲む。丸の内のオシャレビルの中にあるオシャレな店だが、料理は予想を下回るつまらなさ。まあ、そもそも…

trattoria

桜木町には以前ほど来なくなった。横浜駅からわざわざ一駅移動するのが、意外に面倒だからだ。しかし今日は久々の野毛、近況報告の会、金曜の夜、予約なしでもひしめき合った店々の、ちょっと巡れば苦も無く何処かしらには入れるはず。入れた。trattoriaのカ…

ガチャガチャ

おもちゃ売り場とかスーパーマーケットの片隅とかに並んでいる、お金を入れてハンドルを回すと丸いカプセルに入った何かがゴロっと出てきて、中にはキャラクターのフィギュアとかが入ってるアレ。僕にはまるでわからない、よく知らない世界の話だが、ああい…

個体差

年齢を重ねるごとに脳の動きも鈍くなっていく、若い頃なら脳が活発なので、日々蓄積する身体の疲労に、かえって気付くことが出来なくて、そのせいで身体の調子を崩すこともあったが、年齢を重ねると、むしろ調子を崩すほど身体を酷使できなくなった…という、…

障害

昨日の夜、会社帰りにジムへ寄ったら、温水循環設備故障のためプールやシャワー浴室が利用不可能とのこと。仕方なく駅へ引き返したら、JR線の運転見合わせ影響で各線ダイヤが乱れまくっていて改札は人だかり、駅員が大声で何事か叫んでいる。どこもかしこも…

金森氏

昨日の夜だけどテレビで録画した「映像研には手を出すな! 」の一話から四話を見た。組織系というかチームでモノを生み出す話で、アニメ制作ノウハウや図解が参照されるのも面白いけど。なによりも映像研の三人のキャラクター感が、今現在の日本にあるコンテ…

ドリーマーズ

昨日の深夜だけどPrime Videoでベルトルッチ「ドリーマーズ」を観る。パリ、1968年、五月革命、シネマテークのラングロワ更迭、学生たちが激しいデモと小競り合いを繰り返している混乱状況のさなか、シネフィルのアメリカ人留学生である主人公マシューが、同…

描写

RYOZAN PARK巣鴨で保坂和志の小説的思考塾vol.8〈描写を中心に〉を聴講。以下自分なりの解釈によるメモ。 小説において、風景の描写は小説の中心的役割を担うわけではなく、あくまでも副次的な要素なのだfが、しかしそれ無くしては小説がなりたたない。描写…