2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

おにぎり

昨日の朝、おにぎりを三つ作ってもらって、お昼に一つ食べた。夜になってもう一つ食べた。残りは、今日の昼に食べるつもりだった。ところが昼になって最後のおにぎりを手にしてラップを取ったら、表面に薄っすらと納豆のような極細の糸が引いたのが見えた気…

今泉特集2他

日本映画専門チャンネルで、今泉力哉「パンとバスと2度目のハツコイ」(2018年)を観る。今泉力哉という作家がこだわるテーマの一貫性、どの作品であろうがまったく変わらずにほぼ同じことを追求し続ける執拗さと図太さがすごい。少なくともこれまで観た今泉…

今泉特集1

日本映画専門チャンネルで、今泉力哉「サッドティー」(2013年)を観る。この物語における恋愛感情は、常に一方通行型の伝文になっている。彼氏と彼女という安定した関係はかりそめのものでしかない。それは一方通行型の伝文を受信した側がひとまずそれを拒…

病気になるということ

ヴァージニア・ウルフ「病気になるということ」片山亜紀訳/新訳・解説公開 を読む セクション1 https://www.hayakawabooks.com/n/nc4c01534f6a6 セクション2 https://www.hayakawabooks.com/n/n775c24379791 セクション3 https://www.hayakawabooks.com/n/n…

イ・チャンドン他

Amazon Prime Videoでイ・チャンドン「バーニング 劇場版」(2018年)を観る。幼なじみだった若い男女が偶然再会して、内気な主人公の男は奔放で行動的でつれない彼女に内心では執着しながらもそれを伝えられず、ウジウジと悩んだり、自慰したり、電話を待った…

イ・チャンドン作品

Amazon Prime Videoでイ・チャンドン「ペパーミント・キャンディー」(1999年)を観る。冒頭で「これはなんだかすごく面白いかも!」と期待を膨らませる。まあ結局最後まで見終えて「まあこんなもんか」という感じでもあったが。映画の構成として、逆時系列と…

禁酒時代

お酒、やってます?と、おそるおそる聞いたら、割烹着にマスクしたお姐さんはまなじりを決した視線をこちらに向けて「はい、お出しできます」と、力強いことばを返してきた。…すごい、今までもこれからも、ずっとそのまま、いつもどおりなのか。けして変化し…

アキちゃん

文學界 (2020年5月号) の三木三奈「アキちゃん」を読んだ。とても正確で無駄のない、抑制の効いた、しかしここぞというときは鋭く決める、熟練した見事な技、という感じの文章。主人公のアキちゃんに対する憎しみについて描かれているのに、煮えたぎるような…

お話

すべての仕事の面倒事がいっせいに降りかかってきたかのような一日だった。心身共に、くたくたになって帰宅。妻に「すべての面倒事がいっせいに降りかかってきたかのような一日だった」と言った。しかしいつものことだがそれ以上細かく具体的な話はしない。…

老成者

学生時代、同級生を見渡せば、年の差などほとんど無いにもかかわらずそこには様々なタイプがいたと思う。すごく幼く見える人や、大人びた人や、ほとんど老成した仙人みたいな雰囲気を纏ってるような人さえいたように思う。この、若者でありながら老成した仙…

今週は週前半だけ電車通勤することに。国防ノ精神ニ背キ慚愧ノ念ニ堪ヘガタキ思ヒではあるが、自分にだって事情があるので仕方ない。久々に夜の最寄り駅周辺を少し歩いた。時刻は丁度八時頃。ドラッグストアなどが並ぶ界隈は平時と変わらない様子だが、一本…

花筐/HANAGATAMI

日本映画専門チャンネルで放送された大林宣彦「花筐/HANAGATAMI」(2017年)を観る。学生たちが教室で授業を受ける冒頭の場面から、強烈な禍々しさというか、嫌な歪みの感覚、只ならぬ時空が蔓延しているようでやや慄く。奇怪…と言うしかない感じ。ある特定の…

二本立て

地上波で放送された大林宣彦「時をかける少女」(1983年)を観る。深町くんの祖父母である上原健と入江たか子は物語の最後の方に少しだけ出てくるくらいだと記憶していたけど、いざ観なおすと思ってたよりもずいぶんたくさん出番も台詞もあるのだった。また原…

帰宅

鮨屋に行きたいと思って、通常営業しているのかを電話で聞いたら、やってるけど八時までだと言うのであきらめて、続いて次候補のふだんは大人気で絶対入れない居酒屋に、やってるか電話で聞いたらやはり八時までとのこと。居酒屋で三、四十分で数杯なら良い…

お伺い

会社を出る。雨になるとしたらいやだな…と思いながら歩く。かなり寒い、けどこうしてコート無しのジャケットだけで歩いていられるのだから真冬ほどではないはず。やたらとライトアップされた、はなやかな殺風景などというイメージがあるとしたら、目の前の景…

誰もいない

海、誰もいない。誰もいない場所へ、天蓋のような空の下へ… 日ノ丸掲ゲタル船団二遭遇ス 数隻ノ小輸送船団ナリ何処ヨリ還リキタルルヤ ワガ編隊ノウチヲ縫ッテスレチガウ霞ム船影、疲レ果テシ船脚 痛マシキ彼ラガ労苦ヲ想ウ内地ヨウヤク間近シ ココニ辿リ着…

高校生のオバケ

組織内には、緊張もあれば苛々もあれば早急もあれば待機もあり、そして本日の私はやたらと目まぐるしく変わる状況にやや翻弄され気味にバタバタと走り回っているような状況、皆がそれぞれ気づかぬうちに平常な精神状態から少しずつズレていき、その空気に少…

炊事の自由

今日が、月曜日か…。外食がほぼ出来ない状況でのホテル暮らしはつまらない。テイクアウトにも飽きてきた。やってる店はほかにもあるが、あまり遠くへ行くのは面倒だし、退社が遅くなると夜八時に間に合わないし、結局今夜食べるものは近くのスーパーの食品売…

backbeat

スペースシャワーTVで放映された、フィッシュマンズの1997年12月のライブを観る。はじめて観る映像だった。けっこう新鮮な選曲やアレンジも聴けて面白かった。ここから一年を経て、「男たちの別れ」に見られる暗黒の沈鬱さを経て、やがてフィッシュマンズの…

ひなげし

朝の五時頃に目が覚めた。早いけど善は急げとばかりにまとめた荷物をまとめて部屋を出てチェックアウトして帰路につく。土曜早朝の横浜は無人、電車もほぼがらがら、現場へ向かう土方のお兄さんたちがまばらに座ってるくらいだ。朝七時過ぎ、最寄り駅に到着…

内臓

横浜駅はなぜこう移動しづらいのか。平沼橋を行き過ぎてしまうと、もう二度と川の向こうへは行けないじゃないか。それにしてもなぜこうして定期的に内臓系の料理を食べたくなるのか。安くて不衛生な居酒屋の、長々と加熱されてとことん煮詰めに煮詰めた豚白…

コーヒー

昨日の夕食の残りを会社に持っていって昼食時に食べたのだが、まだ全然なくならず半分以上残っている。そして昨夜からどうも食べ過ぎてる感じがする。もう一か月以上運動らしい運動もしてないし、こんな生活続けてたらやばい。今日の夜もこの残り物だけで過…

夜を走る

会社を出て横浜駅へ向かったがデパートはどこも休館していたので、駅から少し歩いた先のスーパーで赤白ワイン各一本ずつ買った。ただしこのままではコルクを抜くことができない。安いソムリエナイフもワイングラスも酒と一緒に買うつもりだったのだが、その…

今朝はいつもの通勤リュックサックの他、昨夜のうちに妻が荷作りしておいてくれた旅行鞄も抱えて出勤する。今夜から横浜宿泊。職場とホテルとの往復生活がはじまる。 退社後、徒歩五分くらいのホテルへチェックインし、食事はどうしようかと。近所に知った店…

久々

都内にある自分の所属会社にはふだんほとんど寄り付かないのだが、必要があってたまに戻るとアウェイ感がすごいというか、借りてきた猫みたいな気持ちになるのだが、仕事のために戻ってきたのだから躊躇してる暇はないので、でも設置されてるどの機器を共用P…

マイ・ファースト・コンビニ

近所のコンビニの前で、たしか僕たちがこのあたりに引っ越してきたときそのコンビニは、まだ存在してなかった、そのことを思い出した。徒歩数分のところにスーパーがあるのは便利だけど最寄りのコンビニがちょっと遠いと引っ越した当初は思っていて、しかし…

買い物がてら、近所を散歩しながら、ぼーっと道行く人々を眺めていて、若い人も、子供も、老人も、男も女も、歩く人も自転車も自動車も、すれちがった様々な人々が、それを含めた何もかもが、もしかして全部自分だとしたらどうだろうか、と思った。自分と彼…

トラブルシュート

朝一でけっこう深刻な感じのトラブルが生じて、しかし蓋を開けたら大したこともなく収束したのだが、一瞬だけ、なかなか久しぶりの緊迫感だった。ヤバい瞬間に向き合うのは誰だって嫌だし、僕だって人一倍嫌だが、この仕事をやってるとどうしてもそういう瞬…

アンダーカレント

録音物としての音楽の音質について、その良し悪しに客観的な基準はない、というか、音質の良し悪しの基準と美男美女の基準はよく似ているかもしれない。美男美女なら基準の線が引けそうだと思う人もいるかもしれないし、百年前の映画に出てる絶世の美女はた…

ベルメール

エゴン・シーレは1918年、28歳のときにスペイン風邪で死去したのだった。その数年前、第一次世界大戦時はオーストリア=ハンガリー帝国軍に従軍もしている。 そういえばハンス・ベルメール、その名前を思い出したが、シーレとは何の関係も、連想の脈絡もない…