2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

気温

朝、寝室に冷房が効いているのは、夜中に暑さで目覚めた妻か僕のどちらかが、エアコンを起動させるからだ。それは明け方になるとしばしば部屋を冷やし過ぎてしまい、僕は無意識のうちに薄いタオルケットをしっかりとくるまっていたことに、目を覚ましてから…

初老心

暑さのせいでもあるけど、せっかくの休日でもずっと家に引きこもっているのは、けして悪いことではないなあと最近よく思う。家にいることの面白さがあるし、家にいることの退屈さもある、どちらもあるのだが、結果的にはそのどちらもが、なんとなくいい感じ…

没年

この暑さだと、図書館に行くにもほとんど命がけだ。追手から逃れるかの如く、炎天下に焼かれつつ命からがら館内に逃げ込んだが、それにしても身体ダメージ大きすぎる。本を物色している途中も、頭がぼーっとなり全身がだるく、回復してくるまでにかかる時間…

親方

お店のカウンターで自分が一人で酒を飲んでいるとして、店は客も少なくヒマだとして、そんなとき手持無沙汰の店主が何をしているかというと、棚上のテレビを見上げて常連のおっさんと世間話してるようなことはよくある。年齢が若いなら従業員の女の子との雑…

新しい人

何のきっかけもなく、ただ無目的や無根拠を希求したくなる理由はおそらくなくて、たぶん過去のどこかに、いかにもわかりやすい原因があったはずだ。これまでの目的や根拠が自分で信じられなくなった、そんなよくある話の、たまたま我が身に降りかかってきた…

Pinball Wizard

ゲームセンターに通っていた頃、1996年にリリースされたバーチャ・ファイター3をずいぶんプレイした。上手いか下手かで言えば、下手で、対戦すれば、大抵負けていたはずだ。 バーチャ・ファイター3は但し、ゲームとして面白く、面白すぎるところが、欠点では…

ソウル・ミュージック1986年

とはいえRCサクセションがそれほどナイーヴで内向的な世界ばかりを描くわけではないことを、1986年のライブ盤「the TEARS OF a CLOWN」があざやかに指し示していた。ライブ盤というものの楽しさを、僕はおそらくこれではじめて知った。一曲目が古い洋楽のカ…

サクセション

RCサクセションはデビューが1970年、それから長い不遇時代を経て、1980年頃にブレイクするという経緯をもつ。僕がRCサクセションをはじめて聴いたのは中学生のときで、当時「HEART ACE」(1985年)が発売されたばかりだった。数年前のブレイクぶりが凄かった反…

家でゴロゴロ

昨日今日などは、ひたすらYouTubeでフジロックを観たり、つまらない本の続きを惰性で読んだりもしていたのだが、じーっと一日中ソファに座っているこの姿勢、これが、いけないんじゃないか、じっとうつむいて、スマホを見たり、本を読んだり、モニタを見てい…

昨日のみすぎたのか、あまりその自覚はないのだけど、たぶんのみすぎていて、最近のみすぎるときの、身体にもたらされる感覚というのが、若い頃とは如実に違っていて、若い頃であれば二日酔いとか気持ち悪いとか、そういうはっきりした苦痛に責め苛まれて、…

B面およびC面

プリンスの80年代にリリースされたアルバム、たとえば「Purple Rain」(1984)「Around the World In A Day」(1985)「Parade」(1986)「Sign O A Times」(1987)「LoveSexy」(1988)あたりまでは、当時の僕は、LPレコードで聴いた。いや正確に言うと、レンタルレ…

アトレ上野

ふと気になって調べたら、上野駅構内に「アトレ」ができたのは2002年らしい。そんなに昔のことだとは思わなかった。「アトレ」ができてからは駅内に色々と商業施設が店舗を連ねているのだが、すでに三十年近く上野駅利用者である自分が、では「アトレ」が出…

通路

横浜駅のみなみ西口改札から入ると、上りと下りの階段のあいだに通路が二百メートルくらい先まで続いていて、おそらく中央改札方面までつながったのかと思われるが、ある日突然、という感じでこの通路が現れたのは、たしか先月あたりのことだったか。それま…

十年

二十代の終わりに会社員になって、三十代、四十代と、過ぎてしまって、と、自分で書いていても信じられないような話で、めまいがする。来年の六月に五十歳になる、つまり五十代という時間が、これからやってくる。それもまた、めまいをおぼえる話ではある。 …

魅了

ドラマとか映画の登場人物に対して、なんとなく、こういう感じの人間に惹かれるなと思うことがある。それが良い人の役であろうが悪い役であろうが、関係なくそう思う。それは物語中の中心でふるまう好人物ならではの魅力、脇役、悪役ならではの魅力…というよ…

背中

図書館へ向かう途中、あまりの暑さに、これはもしかすると身体的に危険という予感をおぼえる。館内に着いてもまだ体内に熱がこもっているような気がして、これは既に、軽微な熱中症のかかり始めではないかと思う。軽い疲労感というかダルさにつきまとわれて…

夏の劇

妻が出掛けたので、ひとりで買い物へ出掛ける。途中、昼からやってる居酒屋に寄る。薄いのれんみたいな布をくぐって店の中に入ると、真昼から真夜中へ一気に変わったかと思うほどだ。太陽の下を逃れて、冷えたビールがようやく体内に注ぎ込まれて、大きく息…

セミ

バスを待っていると、上から落ちてきたみたいな様子で、セミが目の前の時刻表に止まった。力なく、薄い鉄板の縁を探るように動いて、やがて再び羽根を広げて飛び立ったかと思うと、彷徨うようにあたりを周遊したのち、目の先にある街路樹の幹に止まった。今…

Boiler Room Mix

それにしても、youtubeを"Boiler Room"で検索すると、ほとんど宝の山という感じだな。 この一週間、Frankie KnucklesのBoiler Room NYC DJ Setが頭から離れない。 Frankie Knuckles Boiler Room London DJ Sethttps://www.youtube.com/watch?v=EanuiNxcVHk …

希望なし

ベンヤミンの「フランツ・カフカ」に、マックス・ブロートによってもたらされた、彼とカフカとの間に交わされた対話がある。 「(前略) <ぼくらは>、とかれはいった。<神の頭の中に萌したニヒリスティックな思い、自殺の思いなのさ。>この言葉は私に、神を悪…

闘い

海鳥がトビウオを捕えようとして高速で水面を追いかけてる映像が、テレビで放映されていた。トビウオは海中だと大きな魚に襲われるので、羽根を使って水上を滑空して追っ手から逃げるのだが、水上にいたらいたで、今度は海鳥に襲われる。まさに敵だらけの世…

猛暑竹橋

竹橋の国立近代美術館で「ピーター・ドイグ展」を観る。はじめて知った画家。ニューペインティングが隆盛をきわめた80年代の空気を吸い込みつつデビューし現在に至るまで生き残った一人…ということだろうか…。イメージに対する間違いのない距離の取り方、何…

新店舗

家から歩いて3分の場所にスーパーが一軒あり、もう10分ほど歩いた場所にもう一軒あった、が、遠い方のやつは3月で閉店してしまった。もちろん近くのスーパー一軒あれば別に何も困らないのだが、スーパーによって品揃えとか個性とかいうのはやはりあって、気…

休日在宅

RSSフィードに大量に貯まる未読の殆どが音楽系情報である。日々大量のニュースがどんどん更新されてあっという間に古くなっていくが、知るのが多少遅くてもかまわないというか、むしろリリースされたばかりの情報じゃない方がいい。非最新情報から適当に選ん…

音と場

レデリウスのフォルスト、エイフェックス・ツインのコーンウォールみたいに、音楽と場所がセットになっていることは多い。それはその音の出生地あるいは音が生み出されるきっかけとなった場所を示す情報だが、音を説明する材料ではない。音を説明する材料と…

Roedelius

野田務のレビュー(http://www.ele-king.net/review/album/007732/)に釣られて、レデリウスを聴く。自分はテクノは好きだけどそれはリズムとかグルーヴとかが好きだからなので、したがってアンビエントはわりと苦手で、たとえばブライアン・イーノが絶賛する…

非効率

リモートワークすると残業が多くなるという話は聞いていたけど、たしかにそうだと思った。皆が可稼働範囲で仕事するので、皆がそれに合わせてしまうというか、通常ならもう動かないだろうとおもわれる更新日付が、えらい遅い時間になってもぐいぐい更新され…

地下

ビルの地下へ降りていくと、無機質で清潔だったそれまでの地上各フロアとはまるで違う、最低限の照明に照らされただけの薄暗くてかび臭い廊下が延びていて、突き当りのドアを開けると、コンクリート剥き出しの壁と柱に支えられただだっ広い倉庫のような空間…

風呂

頭を洗いながら、ぼけーっと考えごとをしていて、ふとわれに返ったとき、自分が今シャンプーをしてるのか、リンスしてるのかが、わからなくなることが、わりと多い。自分の髪をさわって見ればわかりそうなものだが、それが意外と、わかりづらい。しかし、わ…

アメリカ紀行

夏がきた。買い物したらなるべく早めに帰らないと、ちょっと鮮魚類が心配になる。 気の早いセミはもう力尽きて、マンション階段の踊り場にひっくり返ったまま絶命している。セミを見てると、なぜか太平洋戦争の海戦で次々と撃ち落されていく戦闘機の映像を思…