2025-01-01から1年間の記事一覧
大晦日の水元公園に、人影はまばら。嬉しいことに、人よりも鳥のほうが多かった。とはいえ、鳥もたくさんではない。総じて少な目体制。天気は良好で、脱いだコートを手にかけて歩いた。 冬の大気のなか、まっすぐに立ち並ぶ長大な針金のようなメタセコイアに…
アルバムという作品単位は、始めから最後まで聴くと、なかなか長くて、聴くのに時間が掛かるものだと今さらだけど思う。昔なら当たり前のことだったけど、今はそう思えない、そういう聴き方をしなくなって久しい。四枚のアルバムを聴いただけで一日が終わっ…
去年からたまに利用していた川崎のジムが閉館になることを、利用予約時に知る。つまり残りの営業日は今日と明日だけらしい。開業は三十年前とのことで、それが明日で終了なのか。わりと唐突な話なので面食らったけど、まあ何事も、終わるときはそんなものか…
細く曲がった道の両脇に、古びた個人商店が寄り合うように立ち並んでいる。とっくの昔に閉店した感じの、古ぼけたシャッターが閉ざされてる店も多い。その狭いこじんまりとした通りの真ん中を、路線バスが、車体を揺すりながらゆっくり走ってくる。道端の人…
無為な休日という言葉を文字通り実行したらこう、といった一日を過ごす。じつは最近わりとそういうことが多い。 何となくそうなりがちな、ふと気づくとそんな無気力さに浸っている感じなのだが、心のどこかで、それでいいと思ってるフシもあり、これはなかば…
御徒町吉池の魚売り場に入ると、魚市場にきたかのような匂いに満ちている。子供の頃、夏休みに帰省した港町を思い出させる。 今はともかく昔の魚市場は、管理された衛生的な場所とはとてもいえなかっただろう。太いホースから放出される水にさらされた籠や網…
区の施設へ出向いて所用を済ますために、路線バスに乗る。一度も乗ったことのない路線なので、各停留所の名前も聞き覚えのないものばかり、のはずが、途中かつて住んでいたアパートの住所を思わせる名称が続けて出てくる。そんなはずないと思いながら、窓の…
校舎の脇道を歩いている。柵の向こうは自転車置き場になっていて、様々な色の自転車が並んで駐輪されてる。どの自転車にもヘルメットがぶら下がっていて、それもまた色々な種類ではあるけど、総じてわりと大人向きな自転車ばかりで、ここはどこだろう、自転…
カラックス「ポンヌフの恋人」が、いま4Kレストアで公開しているらしい。たしか先々週、ユーロスペースで予告編を見たのが、何十年ぶりに作品イメージ断片と再会したときだったのだが、なんというか、どの場面も、なんともヘンテコで戸惑いをおぼえるような…
NHKアーカイブスで、カラー化された1969年の第20回NHK紅白歌合戦を見ていた。 1969年、それは新左翼と、東大安田講堂と、アメリカのヒッピー文化と、その他いろいろであると、ぼくが生まれる二年前の出来事を、これまで大雑把な知識の断片で、ぼくがぼやっと…
いい感じかと期待して、はじめての店をおとずれると、たしかにそうなんだけど、でもこれは店側が、自分らのいい感じを充分に意識しているなと、すぐにわかる。つまり自らを省みる自意識視点が、店の内側にあり、そのための態度や振る舞いが、規範のようにあ…
RYOZAN PARK巣鴨で、保坂和志「小説的思考塾vol.22」を聴講し、配布された資料を読み返しながら、自分なりに考える。 考えるにせよ、書くにせよ、我々がいかに規範やしきたりに囚われているか、逆にカフカは、まるで規範やしきたりを顧みていなかったはず。 …
Amazon Primeでデヴィッド・フィンチャー「ドラゴン・タトゥーの女」(2011年)を観る。悪行はこの世に、昔も今も変わらずはびこっていて、強い立場の悪い輩は、いつでもどこでも変わらずに悪人で、富と権力をもった男が、性暴力と殺人を繰り返し、それを長年…
立食パーティーに少しだけ顔を出すが、あえて酒類には口をつけないのが大事。こんな場所で中途半端に飲酒するほど、つまらないことはない。それにしてもひどく安普請で、コストの切り詰められた、予算枠がベタにくっきりと見えるかのような宴会で、それでも…
はじめての店に入る。一見客に対する警戒と敬遠は、入店直後ほんのわずかに感じられただけで、こちらはおとなしくして、それなりに呑むので、ほどなくして警戒無用と判断されたのだと思われ、じょじょに特有の人懐っこさをまとった接客が、こちらにも向けら…
寂れた商店街の一角に、一軒だけ夜遅くまで開いてる中華屋のカウンターに座ってビールを飲んでいると、頭上のテレビに森繁久彌の顔が大きく映し出されていて、その声が聴こえてくる。 いつ頃の映像だろうか。ぼくが子供の頃か、しかしこの人物は意外に、わり…
日本映画専門チャンネルの録画で相米慎二「風花」(2001年)を観る。桜の花が舞い落ちるなかで、色々と追い詰められた感のある二人の男女が出会って、ヨレヨレもたれ合うように、あるいは互いに大した関心ももたぬままに、行き当たりばったりで深い考えもなく…
渋谷ユーロスペースでホン・サンス「小川のほとりで」(2024年)を観る。 出来事があって、人と人とのあいだの距離が変わり、それにともなって各自の態度も変わり、ある人物が誰かに対して抱いていた当初の印象は次第に変化してきて、ただしそう感じてる本人も…
"Wasn't Born to Follow"は、The Byrdsの傑作「名うてのバーズ兄弟」収録。映画「イージー・ライダー」をもっとも思い起こさせる曲なら、個人的にはこれだ。いや映画とは関係なくぼくが単にこの曲が好きだというだけ。口先だけは反骨ぶってまるで頼りない痩…
最近、本が読めないモードだなと思う。数行すら字面を追えない、身が入らない感じが半月ばかり前から続いてる。過去にもよくあったけど、最近は久々で、それはそれでいいかと思っている。今あるこの時間を、あまり身の入ってない何かで埋め合わせずに、でき…
先日図らずもPC周辺の掃除と配線の組み直しをしたおかげで、あらためてそれぞれのチャンネルから音楽を聴いて違いを確かめるというか、聴き比べのようなことをひたすらしてしまう。 PC1は二つのサウンドドライバからそれぞれ出力され、PC2は標準的な単一出力…
インソール(靴の中敷き)を買い替えたら、これまでにない新しい感触が、歩くたびに足の裏に感じられる。 歩くとは地面に対して、設置と非接地が交互に繰り返されるので、同じ感触が消えたりあらわれたりする。そのような波状の結果として足の裏から伝わってく…
川崎は、北千住と似ているとは思わないが、でも駅から川までの一帯を移動しているとき、似ているところがあるかと言ったら、やはり何一つとして似てはいないし、大きな道路が交差する脇の階段を降りて、不規則に伸びた細い道をたどって京急川崎駅の前へ至り…
寂れた商店街の一角に、一軒だけ中華屋の灯りが光っている。遅い時間で周りの店はみな閉めたようだが、ここは深夜までやってるらしい。戸を開けると店内に客は誰もいない。店主がやや意表をつかれたようにこちらを見て、いらっしゃいませどうぞと言われてカ…
小説のことは小説家にしかわからないとは、つまり小説を読むなら、少なくとも小説を読んでいるあいだだけは、自分が小説家になるということだとぼくは思う。(小説家という社会的属性や肩書をもつという意味ではなく。) 小説は能動的に書く立場として読むしか…
先週からパソコンの調子がおかしい、ふだん使ってるノートPCとは別の、主に音楽や映像を観るためにある古いデスクトップ機なのだが、これが起動した直後にピピピ・・とけたたましくアラート音が鳴るようになった。 キーボードのあるキーが、たまたま押し込ま…
録画した映画でもないかな、と思って、古い外付けHDDに電源を入れて確認していたら、映画ではなくて音楽系の映像ファイルがたくさん出てきて、それらを適当に見漁っているうちに金曜の夜が更けていく…。 プリンスの2nd「Prince」(1979)、3rd「Dirty Mind」(1…
つめたい蕎麦もいいけど、あたたかい蕎麦もいい。最近はもっぱらかけそば。ビールを呑んで、天ぷらではなくて簡単な小鉢をひとつかふたつたのんで、お酒を燗でもらって、さいごにかけそばで。さっさと無駄なく早いし、すっきり終わるのがいい。 冬は、かけそ…
父と二人で病院へ行き、生まれたばかりの妹が盛大に泣いているのを、ガラス越しに見た。看護婦さんが、その小さな身体を抱き上げて、ガラスの向こう側の我々二人に見せてくれた。それを見た父は、えらい元気に泣いとるなあ!と言った。 もしこの記憶が本物だ…
平日の朝の眠さは本物で、目覚めてすぐはほとんど半覚醒状態、目をつぶればいつでも眠りに戻れる。通勤電車の座席に座ったらあっという間に眠る。目的地の駅から歩き出すときも、眠ろうと思えば今すぐに眠れると思えるほどだ。ここまで眠いのはすごいと思う…