2025-01-01から1ヶ月間の記事一覧
金曜日の夜の一一時過ぎ、深夜スーパーの棚を眺めていると、店内BGMで頭上からコルトレーンの「ナイーマ」が流れる。 コルトレーンの音楽は「ええと…はい、だったら、やりますよ」といった、少し腰の引けたような、これからやることに対してかすかな自意識的…
夕食を外で済ませるようになって早二か月、食事の美味しさって何、という素朴な疑問を感じることが多い。連日の外食に慣れてないから、余計にそう思うのかもしれない。 思えばパンデミック到来当初(なんと五年前だ・・)、勤務地とホテルの往復暮らしを半月ば…
レンタル自転車は、電動補助を受けつつペダルを足漕ぎするタイプと、ハンドル脇のグリップを回すと勝手に走る電動走行タイプがある。後者は乗っていて自転車という感じはほとんどしない。足でペダルを踏み漕いで走るなら、身体運動も伴うわけだし、自分が移…
脳がないはずのウニに、天敵であるヒトデを近づける体験をさせると、ふたたびヒトデを近づけたとき、そのウニは逃げようとする。その行動が少なくとも二一日間続いたとのこと。脳がないのに、先だっての恐怖が記憶として残り回避行動を促すように見えるとテ…
きのう散歩した信濃町駅周辺は、じつに起伏の多い場所だった。戦前このあたりは三大貧民窟と呼ばれたスラム地のひとつだったらしいが、今はもちろんそのような痕跡はまったく見られない。新宿区のこのあたりの住人に較べたら我々のほうがよほど貧民に近い。…
昨日テレビで見た先住民イゾラドの彼は、保護区における生活のなかで異部族を「殺害する」という「アクシデント」を冒してしまったことがあるらしい。 彼ら先住民は定義上、われわれと同じ法律は適用されないから、それは殺人罪ではなく、彼は別の保護区で生…
テレビでNHKスペシャル「アウラ 未知のイゾラド 最後のひとり」をみる。先住民族イゾラドの二人が八〇年代後半に発見され、保護され、保護区各地を転々とさせられ、三〇年の月日が過ぎて、今にいたる。二人のうち一人はすでに死亡しているので、同部族の最後…
観始めた映画が面白くなくて、このまま続きを観るかどうか迷う。結局一時間を少し過ぎたくらいで再生を止める。続きを明日見るかどうかは、明日次第ということにしておく。それにしても、前も同じパターンがあったなあと思い、こういうことばかり続くと、微…
音楽を説明するもの、たとえば演奏者は、曲名は、アルバム名は、録音日時は、と書き連ねてもどうしようもない。この感じそのものになりたいのに、それは絶対にかなわない。今聴いてるこれになりたいのだから、健康診断の結果を見たって仕方がない。物質を並…
朝、プラットホームに立って電車を待っている。混み合ってる車両の次の電車を待っているので、目の前でドアの開いた電車に人がぎっしりと詰まっているのを、黙って立って見ている。冬の朝の気温ではあるけど、ドア付近までぎっしりと詰まった乗客たちによっ…
どう見ても活気はみなぎってないが、タンメン発祥の地であると謳ってはいる、横浜駅構内にある町中華の店をもし訪れるなら、一度くらいそれを食してみても良いのでは、と考えた。少なくとも若者向けのはっきりと濃い味ではなく、程よく枯れた淡く控えめなも…
帰宅途中の夜の電車のなかで、たぶん世界的に有名なのだろうサッカー選手たちの、華麗なるプレイ動画をひたすら見続けてしまう。横浜から上野までの30分間、ずーっと見てしまう。ぼけーっとした頭の中を、信じがたい奇跡のような、トラップやフェイントやド…
ある登場人物を指して、「彼」は気がくるっている、「彼」は頭がおかしい、と語る、その小説の語り手は「私」で、「私」が「彼」のことを、頭がおかしいと言ってる。ただしそれを受けた読者である自分は、必ずしも「私」の語りだけを信用するわけではない。 …
U-NEXTでハワード・ホークス「モンキー・ビジネス」(1952年)を観る。若返りの薬を研究している化学者ケーリー・グラント、奥様はジンジャー・ロジャース。檻から抜け出した猿のいたずらで偶然薬品の混合が成功してしまい、それを飲んだケーリー・グラントも…
Amazon Primeで荒井晴彦「火口のふたり」(2019年)を観る。登場人物ふたりがひたすらセックスに明け暮れるのだが、不思議なほどあっさりとした、粘着性も情念もなく、エロさもない、けだるさでもなく、厭世観でもなく、もちろん歓喜や興奮や怒りや反逆でもな…
夜の十時過ぎに、東海道線の横浜駅ホームで電車を待っていると、向かいのホームに寝台特急の巨大な車両が、これみよがしに停車するのを見ることになる。 その車窓は横長で、ひとつひとつが乗客の個室スペースみたいな感じになっていて、ブラインドで閉ざされ…
今日の日中は、前日までより暖かいといえば暖かかったのかもしれないけど、なにしろ風が強かった。夜はいちだんと厳しい寒さのように感じられた。 風が強いのは、高層ビルの谷間であるのも一因なのか。前々から忌々しく思うのだが、ビルのふもとで強風に吹き…
出発は朝五時とのことで、お別れの会を開くため、とくべつに午前二時からレストランを予約する。深夜料金のタクシーで、ふたりお店までやってきた。店の看板は暗く消えたままだが、寝間着姿のまだ眠そうな顔をした給仕がドアから出てきて、車を降りた我々を…
自宅から歩いて二十分くらいの場所に、突如として所謂アートブック(洋書)やレコードを取り扱うお店ができた。去年の暮れ前に出来たらしいのだが、これが、なかなか素晴らしいのだ。アートブック卸売業を営む会社が、在庫の倉庫兼販売所としてオープンしたも…
「ラストタンゴ・イン・パリ」を、昔ビデオで観たときは、とにかくボカシが入り過ぎていて、わけがわからない場面も多かった(マリア・シュナイダーが全裸で立っていると、下半身はまったく消えてしまう)のだけど、今回観たら、ボカシはまったく無かった。当…
U-NEXTでベルナルド・ベルトルッチ「ラストタンゴ・イン・パリ」(1972年)を観る。この映画をはじめて観た二十代の頃、絶対的にわからなかったのは、つまり「中年」という存在についてだ。 自分が自分の身体とぴったり合っていてそれを疑わない、疑う余地など…
今月も毎晩、帰宅時間が遅くなりがちで、帰宅後すぐに入浴だの何だの済ませて、一息つく間もなく就寝時間になる。 子供のころは、眠いのを起こされるのも嫌だったけど、早く寝なさいと急かされるのも嫌で、それは今も変わってないけど、とはいえもう大人なの…
どう見ても活気はみなぎってないが、モヤシとニラの炒めた表面に油がてらてらと、光沢のみなぎっている町中華の店が、横浜にはそれなりにあって、どの店も老舗であるとかサンマーメンやタンメンの元祖であるとか謳っているのだが、ぼくはできれば、シンプル…
例年に比して比較的長めだった正月休みのあいだ中、ぼやっとした危険を感じてはいた。やはりふだんと生活リズムが変わるだけで、いきなり体調管理の困難度が増すのだ。ことあるごとに、はっきりと風邪リスクの高まりを感じた。とはいえ何か対策したわけでも…
かかりつけ医といわれて思い浮かべることのできるお医者はとくにいない。強いて言えば毎年健康診断を受ける保険組合の施設だが、ああいうのをかかりつけ医とは言わない(たぶん)。ただし近所の耳鼻科なら、過去二十年間で数度は通った。いつも同じ先生ひとり…
冷たく激しい夜の雨、コートの隙間から忍び込んでくる冷気、そしてダイヤ乱れ、しばらく運転見合わせの電車。絶望的な状況…と思うが、乗り継ぎを経て当初予想したよりはロス少なめで最寄り駅にたどりついた。丁度良いタイミングで雨も上がった。自転車で帰っ…
脈拍、呼吸、下血、体温、鎮守の森にすむ老人の病状が、テレビで毎日報道されていたあくる年の1989年1月8日をもって昭和は終わり、平成元年になった。当時ぼくは高校二年生から三年生だったのだから、それまでは昭和で、大学入学は1990年つまり平成二年であ…
昨日は年始の挨拶で実家へ。池袋駅でJRの改札を抜けて西武線の方角へ構内を歩く。例年きまって年賀を買い求めるために立ち寄る、西武百貨店の入口が見えてくるが、何か妙だ。いつもと違う、道を間違えたかなと、あたりを見回しつつ訝しむ。 そして、うわ・・…
「三つ数えろ」の冒頭でハンフリー・ボガードは、若い娘から出し抜けに「あなたって背が低いのね」と言われてしまう。このセリフには、正直焦る。あ、ばか、余計なこと言いやがって…という気持ちになる。 わざわざ言われるまでもなく、ハンフリー・ボガード…
U-NEXTでハワード・ホークス「三つ数えろ」(1946年)を観る。が、出てくる登場人物の名前が多すぎで、一度観た状態では、少なくともここに感想を書けるほど、出来事のすべてをおぼえきれてない。その状態で強引に感想を書くのも、それはそれで面白いのかもし…