2026-01-01から1ヶ月間の記事一覧

竹橋の、毎日新聞社が入ってるパレスサイドビルは、竣工が1966年とのこと。ぼくが同ビル内の放送会社で、社内便の仕分けのアルバイトをやっていたのは、97年か98年頃。 社内便は数通とか十数通が一日に一回来るだけで、それを仕分けたら残りの膨大な時間は、…

映画の序盤、登場人物がずっと二人だったところへ、半ばを過ぎて三人になったとする。すると物語はさらに動き出すわけで、これは現実でもそうだ。 登場人物を加えるというのは、おそらく社会機構や組織が、自身を維持するために行う技法のひとつである。それ…

帰りの電車で、前に立ってる女性のiphoneの画面が見えている。アラーム画面を操作しているのだ。明朝の起床時間を設定しているのか。触ってる時間のほかにも設定リストがいくつか並んでいるのは、ぼくのiphoneのも一緒だ。起床時間の使い分けるため、複数の…

開催中の展覧会から、どれか選んで観に行こうにも、どれもいまいち気が進まないのだけど、まあ行ってみようかと重い腰を上げる。最初は億劫でも、いざ外出してみれば、家から最寄り駅までの道の途中で、もしかすると路肩に何か、変わった雑草や花が生えてい…

関係各社各人さまざまな利害やしがらみや忖度や約束事が、スパゲッティ状にこんがらがって絡まり合って無際限に膨らんだ、得体の知れぬ団子状の、ぼやぼやした複合体とでも言うしかないような実態ながら、傍目にはきっちりと、ひとりの単位に数えることので…

昨日だが、渋谷ユーロスペースでホン・サンス「水の中で」(2023年)を観る。全編がピンボケ状態で撮影された映画であることが、事前に知らされている。であるならば、そのことがこれから見ようとする映画そのものにどう関わるのか、そんな観客の「構え」が出…

夕食後、少しうとうとして、目覚めたらテレビ画面に、西日のような温かい光につつまれた美女…と言ってさしつかえない女性の、目を閉じて眠りに落ちた顔が、クローズアップで映っていた。 これは、たぶん映画だが、静止画なのか放映中なのかすぐ判別できない…

NetFlixで「冬のなんかさ、春のなんかね」一話と二話を観る。杉咲花がいて、彼女と恋愛関係の相手がいて、それとはまた別の相手もいて、恋愛関係以前の相手もいる。彼女にとってどの彼がいちばん大切とか、そういうのはあまりなくて、あると言えばあるのかも…

はじめて石川啄木の名を知ったのは、小学生のときに読んだ偉人伝シリーズの一冊でだったはず。調べてみたところ、おそらく偕成社児童伝記シリーズ38 石川啄木 わかりやすく人の心をうたった詩人 という本である。(副題が、軽く悪口っぽい…) 先日「一握の砂」…

読みあぐねているというより、何となく停滞してる。同じ箇所をなぜか眺めているだけで、その先へ進もうとしない。ふいにある一行の、空がどんよりと曇った、という記述を見て、そうなんだな、ならばこのあと、その先へ進むだろうかと、他人事のように感じて…

妹の名前を考えていた父が、これに決めたと、ぼくと母の前に宣言する。ぼくはその名前を聞いて、やや不満というか違和感をおぼえる。ただし、落選した他の候補とくらべたら、いちばんマシかもと思う。 それは読み慣れたマンガがテレビアニメ化したときの、主…

東海道線を利用するようになって軽く十年は越えるのだが、いまだに四人掛けの相席シートは避ける。あの席に座ることに慣れてない。先に座ってる相手の足を除けたり除けられたりするのが億劫だし、互いに近距離で向かい合った感じも落ち着かない。でも、あれ…

関川夏央編「鉄道文学傑作選」というコンピーション本の、夏目漱石「三四郎」抄録と、志賀直哉「網走まで」を続けて読んだ。この二つを並べたのは面白いというか、異なる演奏家がまったく同じ曲を奏でたような印象を受ける。ここにあらわれたのは解釈の違い…

川沿いの野球グラウンドに引かれた白線、橋の上から見下ろして、その整然とした円や直線に目を奪われる。これを描いた人は、橋の上から出来栄えを眺めただろうか?そんなことしないのか。円は正確で直線はまっすぐで、おそらく規定通り、じつに良く描けてい…

千住新橋を渡りながら真下に広がる川面を見ている。 川の表面にあらわれる、波紋というか表情のようなものを、いつまでもじっと見つめているとき、何を見ているのかが、わかっていない。あらかじめわかっているそれを、確認のために見るということと、川面を…

朝の通勤時間帯に、山手線と京浜東北線がストップして、各駅混乱した。ぼくもまさにその時間の通勤客だったのだけど、幸運にもトラブルの渦中から上手く脱け出すことができた。乗り換え駅に着いたまさにその直後、その電車の車内灯がバタッと全消灯したのを…

DRAWING by Paul Cézanne 2021年にMOMAで開催された展覧会に伴って刊行された画集とのこと。セザンヌの素描を中心とした図版がたくさん載っていて、見たことない作品も多くて、これはと思い年末に注文したのが、昨日届いた。

入ったら自力では出られない、近所にそんな庭があるのは知っていたのだが、油断してついその敷地内に入り込んでしまった。出るには許可が必要で、敷地の住民に扉を開けてもらわねばならないのだ。 あの男に声をかけるのは、正直気が進まなかった。最近ちょっ…

テレビで久米宏のニュースステーションがはじまった当時、ぼくは中学生である。最終回の最後も見ていたが、あれは2004年なのか。もっと昔に終わったと思っていた。 (ものすごくどうでもいいことだけど、番組内で久米宏が小宮悦子に「…えっちゃんも来年、厄年…

DVDでホウ・シャオシェン「恋恋風塵」(1987年)を観る。 1987年の台湾のどこかの土地に、こんな景色が広がっていた、まずそのことの驚き、ありえないものを見ている気がする。だったら、いつならありえるのか、50年代や60年代なら、ありえるのか?これは、そ…

シイラという魚を知ってる人は、それほど多くないかもしれない。そのへんの魚屋では見かけないと思う。父親の実家の港町では、その白身の淡泊な身を塩干しにして食していた。ぼくのシイラの記憶はもっぱら子供の当時、実家に帰省したときのものだ。 塩干しの…

NetFlixでノア・バームバック「ジェイ・ケリー」(2025年)を観る。あんなにカッコよかったジョージ・クルーニーも、いつかは歳をとって老人になる。すでに地位も名声も手に入れた大御所俳優の主人公を演じるにふさわしい、かどうかはわからないが、とにかくや…

デヴィッド・フィンチャー「ソーシャル・ネットワーク」(2010年)を観る。 これまで、デヴィッド・フィンチャーの作品をそれほど多く観たわけではない。「エイリアン3」(1992年)は大昔に観たけど全くおぼえてない。「セブン」(1995年)も大昔に観た。「ファイ…

村田沙耶香「コンビニ人間」を読んだのだが、作品の意図するところはわかる気がするけど、ぼくがそこに上手く乗れないというか、いまいち面白くなかった。 もしこれが映画だったらどうだっただろうかと想像してみる。それなら少しは面白かったかもしれない。…

ジョン・レノンの"ハウ・ドゥー・ユー・スリープ"という曲は、当時反目し合っていたール・マッカートニーに対する批判…というか、嫌味を並べ悪態つきまくる内容で有名な曲だ。 しかし久々に聴くと、曲がカッコいいので、内容はいわば罵倒芸、内輪揉めの類で…

前にも書いたけど、ぼくがはじめてCDで聴いた音楽は高校生のとき、ジョン・レノンのアルバム「イマジン」だったので、CDその当時の最新メディアにおける音質というか、カラっと曇りのない人工的とも言えるような、やや高音域の強調された音の質感は、今でも…

最近は久しく行ってないけど、ディスクユニオンの中古フロアの棚に並んでいるフリー/アヴァンギャルド系のCDは、あれを物色することには独特なよろこびがある。 たぶん、これらのCDは「別格」なのだと思う。良いとか悪いとかを越えて、在り方そのものが他の…

テレビで競馬中継を放送している居酒屋の客は、だいたい神妙に静かにしている。ぼくが競馬にまったく興味がないので、そんな店に居合わせた他客を眺めていると、黙って斜め上のテレビを見上げている彼らの様子に、とても奇妙な印象を受ける。 それは来たる瞬…

実家で、母と妹夫婦と年始の会合。一年ぶりに姪に会ったら、目の前にいる子が誰かわからず、一瞬狼狽する。十四歳て、一年でこんなに変わるものか。いつものように会話してるのだけど、正直、見ず知らずの誰かがそこにいるという感じが、いつまでたっても意…

Netflixでノア・バームバック「マリッジ・ストーリー」(2019年)を観る。 アメリカに暮らす夫婦の、親権をめぐる裁判というテーマの映画作品が、この世にいったいいくつあるのか知らないけど、これはアメリカ人にとっては、身につまされる話なのか、身近なあ…