2026-03-01から1ヶ月間の記事一覧
ひとつの部屋に二人が交替で暮らしているわけではない、たしかに二人暮らしではあるけど、お互いに顔を合わさない、そんな生活もあるだろう。まるでYMOのレコーディングみたいに、メンバーが同じ時間ひとつの場所に結集することがない。 部屋の電気、カーテ…
金曜の有給休暇を含めて、丸三日間、一人で過ごした。ふだん妻がいて当たり前なので、こういう三日連続のソロ活動は、ごくまれにしかない。とはいえ、だからと言って一人でどこかへ出掛けるとか、そんな気分でもなく、ずっと家で過ごした。 一人だと、家で過…
U-NEXTでジョセフ・サージェント「サブウェイ・パニック」(1974年)を観る。ニューヨークの地下鉄、各駅ごとに同じハンチング帽に同じ柄のコート、サングラスに口髭の、一見同定しがたい人物たちが次々と乗り込んでくる。こういう犯人集団の形成の仕方と集ま…
U-NEXTで、マイケル・マン「コラテラル」(2004年)を観る。面白かった。こんなことはありえない、という話だけど、だからこそ面白い。あまりにも現実離れしては説得力がなくなるけど、それが不自然さへ至るぎりぎり手前で、出来事の連鎖として、物語そのもの…
病院もそのへんの会社も、やることは一緒で、慢性の人手不足であるのも一緒で、働いてる人は誰もが、自分の役割に精一杯だ。 病院もまさに「置き配的」で、医師は自分の為した行為事実を(証拠の画像や写真も付して)説明して、それで自らのステータスを完了と…
U-NEXTで神代辰巳「四畳半襖の裏張り」(1973年)を観る。宮下順子は、客の江角英明とはじめて一夜を共にする。その二人の交接場面の途中途中に、芸者の丘ナオミと、シベリア行きが決まった客の山谷初男とのやり取り、先輩の絵沢萠子が新入りの芹明香に「教育…
ぼくは酒が飲みたいので、中華屋に行っても一品料理ばかり注文して、ラーメンは食べない。若いうちはともかく、この十年にかぎったら、お店でラーメンを食べた回数は、ほぼ皆無に近い。ただしラーメンと酒は、合わないわけではないと思う。食べ方次第ではな…
あまり遅くない時間に退社できたら、一駅先で降りてジムで水泳する。会社の最寄り駅にもジムはあるけど、わざわざ一駅先のジムに行く理由は、そっちの方が空いてるからだ。日によっては無人のときさえある。プールサイドに立って、監視スタッフ以外の誰もい…
ある食材を求めてスーパーに行って、それがなかったので、別のスーパーに行って、そこにもなくて、仕方なくやや遠めのもう一軒のスーパーにも行って、結局そこにもなかった、みたいなことは、意外に珍しくない。あらかじめ電話で聞いてみればいいのかもしれ…
U-NEXTで、ピーター・イェーツ「ブリット」(1968年)を観る。やたらとカッコいいオープニング・クレジットで始まる。昔の映画だけど面白かった。 公聴会に出る証言人の身の上をガードする役務を負ったスティーブ・マックイーンが主人公である。小さなボロいホ…
先日観た映画「マーティ・シュプリーム 世界をつかめ」のラストシーンについて、ネットでざっと検索してみたかぎり、ぼくと同じ見方をした人や文章は、ひとつも見つからない。 てことは、ぼくの解釈だけ、間違ってるというか、外れているのか。いくらなんで…
A Tribe Called Quest をはじめて聴いたのは「Beats, Rhymes and Life」、発売年は1996年。これを再生すると、いまだに当時がよみがえってくる。何がよみがえってくるかというと、とまどいの感情である。これがいいの?という、わからなさ、引っ掛かりのなさ…
尾津豊子『光は新宿より』は、関東尾津組の組長尾津喜之助を父にもった娘による「父親の思い出」が綴られた本で、ノンフィクションとかルポルタージュとかのジャンルではなく、娘の立場で、その視点から見上げた、あまりにも偉大で誇らしい父への憧れや思慕…
Basic ChannelやMaurizioのレコードは、最初から最後までほぼ同じビートが刻まれているだけで、そのような音楽に関心のない人なら、きっと退屈きわまりないものに聴こえるだろう。 じつを言うと、そのことは、盤面をながめただけでわかる。ビニールの表面に…
もし宮沢賢治が、目的もなくだらしなく、ふらっと東京に滞在するような人だったとしたら、もしあえて夜のネオン街に、ふらふらと自分を「置きに行く」ような人だったとしたら。 「それは行きつけの店の街灯の、めまぐるしくせはしない、青い幻燈の明滅です」…
U-NEXTでクリント・イーストウッド「ダーティーハリー4」(1983年)を観る。暴力の犠牲となる弱者の、まさに暴力に晒される瞬間をとらえた場面は、イーストウッド作品にはしばしばあるけど、これがときに、観ていてなかなかキツイと感じることはある。 女性が…
お店のご主人に、ところで野球に興味あります?と聞いたら、いや実はぜんぜん興味ないんですよ、お客さんは見たいだろうからテレビは付けとくけど、僕自身はどうでもよくて、と言うので、ああそうですか、じつはぼくもです。大谷とかすごいんだろうけど、で…
TOHOシネマズ上野で、ジョシュ・サフディ「マーティ・シュプリーム 世界をつかめ」(2025年)を観る。ティモシー・シャラメは、ボブ・ディランのコスプレモノマネみたいな役よりも、本作のほうが比較にならないほどいい感じで、活き活きとしていて、何よりも本…
曇り空、真冬ほどではないけど、3月も半ばにしては寒い。 妻の付き添いで、家から歩いて三十分くらいの病院へ。途中バスに追い越される。歩かなくても、バスで行けたんじゃないの、と言うと、そうみたいねと言う。 平日の午前中、ふつうの住宅街って、ひっそ…
電車内のドア脇に、ほぼ泥酔状態と思われる若い男が、座り込んで眠ってる。さっきから乗降客の邪魔になっていて、行き交う誰もが迷惑そうに、その男を見下していくのだが、男はまるで目を覚ます気配もない。 完全に出来上がってる、顔全体がピンク色に染まり…
ヤフオクはたまに利用する、目的はもっぱら本やレコードで、落札をがんばるようなこともないし、出品の経験もない。ちょっと手間のかかるウェブ古本屋くらいの認識で利用している。 ところが最近、困ったことに、入札したことを忘れてしまいそうになる。これ…
マンハッタンにあった「ハーフ・ノート」はジャズを聴く人ならアルバムタイトルなどで誰でも知っているだろう。しかし、こんな店だとは知らなかった。店はともかくステージ、狭すぎるというか、これは押し入れとかクローゼットに人が無理矢理入って音楽をや…
はじめて聴いた、コルトレーンのライブ盤「One Down One Up: Live at the Half Note」の表題曲「One Down, One Up」一曲27分、長い。しかし、素晴らしい。同時に、テナーサックスが可能な表現とは……みたいなことを、つい考えてしまう。 「One Down, One Up」…
NHKで放送された杉井ギサブロー「銀河鉄道の夜」(1985年)を久しぶりに観る。2018年に細野晴臣によるサントラが特別版として、未発表音源を追加して再発リリースされたのは何度も聴いたので、音楽だけなら全く久しぶりの感じはない。 この映画をはじめて観た…
最初に、ジミ・ヘンドリックスを好きだったので、新たな音、たとえば「ジミ・ヘンドリックスのようなジャズ」を探して、ジョン・コルトレーンを見つけた。 ジョン・コルトレーンを聴き続けるうちに、また新たな音、たとえばたとえば「ジョン・コルトレーンの…
自分のやることが、はじめからインターナショナルな取り組みだったことなど、これまであるだろうか。 まず日本語しか扱えないのだから、ぼくは言葉でそれはない。さらに美術も音楽も、かつての自分がかかわった経験においては、それがはじめから自分の固有条…
中村彝は肺結核を患っていたので、つねに安静にしていなければいけない人だったけど、そもそも絵を描くという行為が、一般に想像されるレベルを遥かに越えた、相当な肉体労働なのだ。これは実際に絵を描いたことのある人なら、誰でも知っている。それはほと…
ボロネーゼを作ったら、なんとなく味が決まってない、もう一味、どうも決め手に欠ける、という感じの出来栄えになった。妻と僕とふたり同意見だったのだが、ただ、じつを言うとぼくは、これはこれで、もしかするとアリじゃないか、とも思った。 今日の調理担…
中村彝のパトロンだった実業家の今村繁三は、受け継いだ財で会社や銀行のトップを勤めつつ、豪奢な住まいには自分用の豪華なアトリエも構えてそこで自らも絵を描き、当時まだ無名な頃からの中村彝や周辺の画家たちとも付き合いをもち、自分の眼で良いと思っ…
AIに仕事を奪われるというより、AIに仕事を与えられて、AIからダメ出しされたり、AIから解雇されたりするのだ。 自分がAIにとっての、良きアウトプットであり、AIの最適解であることが求められている。 AIに問いを入力することで、問う自分は問いによってAI…