2026-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ジャン・ユスターシュ「ママと娼婦」における音楽。音楽というよりもレコード。マリアの部屋のベッドの枕元にはたくさんのLPレコードが並んでいて、真ん中にレコードプレーヤーが置いてある。 レコードをかけるのは主にアレクサンドルだが、おそらくそれらレ…

やや肌寒い曇り空の下、デパート屋上のビアガーデンに自分をふくめて五人が集まった。途中いつものように店を変えつつ、夜まですごした。 周囲には、似たようなグループの集まりも多い。若い人同士の集まり、我々よりももっと年寄りな男性同士の集まり、誰も…

安価な中古のDVDを見つけたので、中田信一郎「裏ゴト師」(1995年)を観る。警察官やパトカーから逃れて横浜の街中を走り回るとか、連行した相手を刑事らが取り調べ室で殴る蹴るの暴行とか、女同士で向かい合って片方がいきなりビンタとか、いかにも昔のドラマ…

デクスター・ゴードン1964年のライブ・レコーディング・アルバム"Love For Sale"はぼくが、これからは知らない音楽ジャンルも、つまりぼくは今日からジャズも聴く!と、明示的に考えた時代、すなわち十八歳のときに聴いた、いくつかのレコードのうちのひとつ…

NHKのドラマ「魯山人のかまど」は、魯山人伝説とでも言うべき有名なエピソードが下敷きのドラマは、可もなく不可もなくだったと思うが、魯山人を演じる主演の藤竜也がすばらしかった。 我儘で勝手で金銭にも社会生活にも破綻している魯山人という人物のエピ…

ジャン・ユスターシュ「ママと娼婦」。この映画を観るのは、これがパリだよという、わかりやすいガイドブックを楽しんでいるようなところもある。そのこと自体は面白いのだけど、ただしこれはけっして観光的視点ではなくて、登場人物の彼らは図らずも、この…

U-NEXTでジャン・ユスターシュ「ママと娼婦」(1973年)を観る。 口から先に生まれてきた感じの、女に手の早い、やたら調子よくてチャラいアレクサンドルがいて、彼をアパートに住まわせている年上の女マリアがいて、アレクサンドルがナンパした女ヴェロニカが…

イマニュエル・ウィルキンスの二枚のライブ盤は、しばらくはこれのおかげで、音楽を聴く体験そのものが充実する。厚い信頼を置くに足るものを見つけた。 いつでもどこでも、のべつまくなしひたすら、生活のうちに音楽が必要とは思ってない。そのときはそのと…

保坂和志氏はいま六十九歳とのことだから、ぼくよりも年齢が十五歳上の人物である。トークイベントに参加して、これまで何度も話を聴いているので、保坂和志氏の考えや、喋り方、言い方など、じぶんなりに「こういう人」のイメージが、すでに出来上がってい…

映画館にいる夢を見た。作品名はわからないが、観ていたのは昔の映画のはずで、なぜなら長尺の作品の途中に挿し挟まれることのある小休止、ちょうどそのときが来たようで、唐草模様のような装飾が伸びて絡み合い、しだいにあふれて、さらに秒針の小刻みに動…

斎藤惇夫「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」を読んだ。ガンバが主人公の1975年のテレビアニメは見た記憶がある(再放送かもしれない)し、けっこう面白かった記憶もあるが、原作の本は読んだことなかったので、今更ながらこのたびはじめて読んでみた次第。ち…

洋画専門チャンネル ザ・シネマで放映された、ビクトル・エリセ「瞳をとじて」(2023年)を録画したので再見。エリセの映画はどの作品もそうだが、いい勢いでぐいぐいと進んでいく。語り口が力強いのだ。エリセの映画の印象からすると意外なのだが、見ている分…

RYOZAN PARK巣鴨で、保坂和志「小説的思考塾vol.23」から帰ってきて、そのことを思い出しつつ考えつつ書く。 高校生時代、学校にいた「頭がいい人」の話。遠くうっすらと畏敬の思いをもつ、自分には手が届かない知性をもつ、しかし同級生のひとりでもある。 …

https://x.com/msvvann/status/2045052277128605728?s=20 これを聴きながら考えていた。楽器としてのターンテーブルには、アナログレコードが不可欠であるよな、と。 アナログレコードではなくCDやデジタル音源など、様々な音源を扱えるDJ機器もたくさんあっ…

ニルヴァーナの「ネヴァーマインド」が発売されたのは1991年、発売当時から話題になったのはおぼえているし、今や歴史的ロック・グループの代表的名盤の地位は揺るぎないが、じつはぼくは「ネヴァーマインド」を一度も聴いたことがない。 意図的に聴こうとし…

モバイルオーダーで、他所のテーブルの注文が、こちらの注文履歴に加算されるという事態に遭遇した。 注文してない飲み物が我々七名のテーブルに届いて、注文したおぼえはないけど、七名もいるから他の誰か頼みました?となって、そのせいで事態の発覚が遅れ…

ヤクザに憧れるとか、軍人に憧れるとか、すでにそういうことが困難な時代である。つまりヒーロー的なキャラクターの成立がむずかしいのだと思う。 少年マンガ的なヒーローキャラクターは今でもアニメ映画などで人気なのかどうか、その界隈にまったく無知なの…

ダニエル・シュミット「季節のはざまで」で、宿泊客の女が自室にこっそりと男を招き入れるため、裏口ドアの鍵を足元の石塊ふもとに埋めて隠す。男はそれを拾って忍び込み、相手のドアをノックする。 すでに廃墟となったホテルを何十年ぶりで訪れた主人公が、…

ダニエル・シュミット「季節のはざまで」の主人公は、廃墟となったホテルをうろつきながら、次々と湧き起る幼少時代の記憶に浸る。それは自身の過去の記憶でもあるけど、自身が幼少期に祖母や祖父から聞かされたお話の内容でもある。 だからここに想起される…

U-NEXTで、ダニエル・シュミット「季節のはざまで」(1992年)を観る。主人公は、取り壊しが決まったすでに廃墟のホテルをひとり訪ねる。そこにはかつて、経営者の祖父母たちや従業員や宿泊客らと一緒に過ごした彼の幼少時代の思い出が、時の経過によって朽ち…

「関東大震災をきっかけになぜデマが広がったのか?」とChatGPTに入力したら、「関東大震災でデマが広がったのは、単一の原因ではなく、心理・社会・制度が同時に崩れたことが重なったためです。」とされ、要するに1.極度の不安(心理)2.情報遮断(インフ…

レストランで一人の食事をする。厨房もサービスも、どちらかといえば寡黙で愛想の良くない店だが、視線と軽い仕草で、自分をわかってくれている感じがあり、自分もそれをわかって振る舞う。注文した皿が運ばれてきて、それを食べるうちに夢中になり、思わず…

任侠の志をもとに組織が形成されている場合、その結束は固く、部下は与えられた役目や仕事に対してきわめて忠実であり、ときには上司や親分の身代わりも辞さないようなことになる。今はともかく昔のヤクザ組織は、そんな傾向が強かった。 軍組織も、おそらく…

木炭車ってすごい。ガソリンの替わりに、木炭を燃焼させ生じたガスを精製したのち、エンジンに送り込んで気化させる。つまり内燃機関としての仕組みは、ガソリン車ほぼそのままなのだ。 戦時下から戦後にかけて活躍した木炭車は、あまりにも低出力なせいで走…

好きな芸能人て誰です?と、唐突に聞かれたら、何と答えれば良いのか。困ったあげく、すみません次回までの宿題にさせて下さい、と返した。次回とは、いつのことだかわからないが。 芸能人を好きって、どういうことだろうか。こういう人がいいなあと思うこと…

朝起きて、朝食をとり、しばらくしてまた眠った。 昼前に起きて、髪を切りに出掛けて、買い物して帰って、すぐに食事の支度となり、夕方から早めの夕食をとった。食後にふたたび眠った。 夜九時頃に起きた。合算すると昨夜から、八時間以上眠ったと思う。八…

ひどい雨だ。けれどもビールだけは買いに行きたい。それとアーモンドと、パセリも。 坂田阿希子「和えるおかず」は2017年発刊、以来我が家では、この本に紹介されたレシピのいくつかは、もはや何度目かわからないほど頻繁に作られていて、しかも毎度、変わら…

NHK土曜ドラマ「お別れホスピタル」を録画したのを、妻が連続で見ていたので、脇からぼくも見ていた。 これは、そのドラマの感想ではないのだけど、ドラマの主人公は終末期の患者が集められた病棟でターミナルケアに従事する看護師で、予期せぬかたちで患者…

雨の日が多くて、それはそれで悪くないけど、桜も短命に終りそうだ。まだ散ってはいないけど、みるみるうちに緑色の度合いも増えて、早々に旺盛な姿へ変貌していくのが、いつもより早い印象がある。 駅へ向かう途中の桜並木に、毎年この時期になると提灯がぶ…

プラットホームで在来線の到着を待つ我々の前に、高松行きの特急がすべりこんできて停車する。客席の窓に、その晩を車内で宿泊する乗客たちのくつろぐ姿が見えている。カーテンも下ろさずに、ホームに立つ会社帰りの我々に、缶ビール片手の自らのリラックス…