画面の乾燥の速さ


この前、冷房の効いてない部屋で制作してると書いたが、今日も超暑い中、製作中である。で、よく考えてみると、このすごい暑さの中で制作してるというのが、結構自分の作品に与える影響は大きく、具体的に言うと前にも書いたがやはり、水気の乾燥の速さが違う。これは、水を大量に使うから余計に顕著なのだが。蒸し風呂のような部屋で、扇風機の風を画面に当て続けていると、5分くらい待てば次の作業が可能な状態にはなる。


僕の、今の作品では描いたものを削る・拭き取る・水で流す等の操作を繰り返す箇所が多い。これらの効果は完全にコントロールできる事ではないので、ある程度偶然に左右されるのだが、部屋の温度が高いと、効果がある程度早く確認でき、次の最善手を考えるまでの気持ちの余裕が大きく違ってくる感じ。また、暑い中、急速に水気を失う画面は、含みや奥行きをやや失う代わりに、キレというか、アクティブ性が増すようにも感じる。


で、これが冬の制作になると、またちょっと違う感じになる気がするんだけど…。どうだろ。冬描いてたものは、あれはあれで、また違うんだよなー・・

素材は主にグワッシュと水溶性色鉛筆


使ってる素材がグワッシュと水溶性色鉛筆なのだが、素材特有の良さ(たとえば支持体である紙の白さを効果的に利用して、顔料の発色を最大限効果的に見せる。みたいな)を引き出すようなやり方ではないので、油絵の具なんかと較べると「押し」の弱い、あまり目立たない作品であることは否めない。特に黒とか茶とか青とか、濃い色の弱さは致命的で、たまに昔描いたタブロー見て、付いてる色の強さにのけぞる事がある(笑)。いやマジで…。


こういう素材を使ってる理由は…まあ描いていくのに、絵の具のような柔らかなものを筆を使って置いていくやり方じゃなくて、鉛筆的なものでがりがり描くのが自分にとってしっくりくるから…ということなんだけど…本当に「やりたい事を実現するために効果的な技法と言えるか?」と問われたら、かなり怪しい。はっきり言って、なんで、こんな弱い素材で、弱い画面作ってんの?って感じだし、かなり「損」してるんだとは思う。でも、これは長年の思いの積み重ねで、自分にとって(暫定的に)最高のやり方なので、ひとまず、当分しばらくは、このやり方を続ける事になるだろう。

素材と私


難しいのは、もともと弱い素材を使ってるはずなので、それがほんとうに効果的に見える「画面への適切な付き方」があるのに、制作に没頭していく過程でその按配を忘れて近視眼的になって、目の前の狭い領域で起きてる事を「すごい効果的な感じ」と錯覚して、遠くから見るとほとんどよく判らないような事をし続けてしまう事。常に冷静でいないと駄目。5分も別のところに視線を向けて、気持ちをニュートラルにして、改めて画面を見ると、すごい白々とした自分の作品が視界に入って、呆然とさせられる…と(笑)・・・でもまた観続けるうちに、次第に「いやそれほど悪くないだろ」という思いが蘇ってきて、さらに手を加える・・・と。


で、いつか、この絵を観てくれる他人がいてくれるとしたら、僕のように「いやそれほど悪くない」と感じてくれるか?もしそう思ってもらえたら、多分生きてて良かった。ってハナシなんだろう。でも他人が何を考えているかは、絶対判らない。そういうレベルで判ろうとしてはいけない。そういうのはきっと、はしたない。自分の思うところを信じて、やるだけなのです…ソレしかないんですよー

夜も暑いです…


ってか、まじで暑いんですけど…。


買い物してきた。酒やビールも買った。つまみも買った。買った買った。
これから米を炊き、ワカメと葱と豆腐の味噌汁を作り、鮭を焼き、冷奴に生姜をのせ、高かった枝豆を茹で、蛸と貝とはまちの刺身を皿に並べ、ビールの小瓶を飲み干し、その後2本買った日本酒のどちらを飲むか、検討することにします。


・・・帰宅した妻に、冷蔵庫から二本の日本酒を出して見せる。…妻、狂喜。こういう時だけだなーお前最高の笑顔みせるの…