ずるい人の話 (盗作判定中)


バスが停車する。車内は混み合っている。降車しようとする人が、社内に長く列を作っていて、一人ずつ料金を払って降りてくる。全員降りたら、今度は乗る側だ。車外に伸びていた別の行列が、乗降口に近づき、先頭から、一人ずつ車内へと吸い込まれていく。


おばさんが一人、ヨコハイリしたいです。という意志を明白にあらわして、乗降口のステップに片足をかけた状態で、乗り込む人々を順々に眺めながら、機会を狙っている。何度か隙間に、体を入れて乗り込もうとしては、行列の一員から、拒まれる。元の体勢にもどって、いやねえ。といった表情で苦笑いしている。それでもまだあきらめない。


まだ車内に入りきれていない行列のひとりひとりが、このおばさんをずっと見ている。僕もその一員だ。これほどあからさまに、「ズルイ事をしている私」を公衆の面前に表出できる人格の事を考えて、ちょっと気が遠くなる。ぶっちゃけた話。僕ならあんなみっともない事、「やったら10万円あげます」と言われても断ると思う…。


良い悪いとか、公衆道徳とかではなく、ある意味「すごい性格」というのは実在する。物怖じせず、自分を信頼していて、明白な自信で行動する人というのは、実在する。


誰かが、もうこんな光景見たくない・・といった表情で、そのおばさんを入れてあげる。すいませんどうも。と甲高い声で口にしながら、おばさんがバスに乗り込む。



・・・とここまで書いて、どうしても気になるのだけど、このような内容の文章って、どこかのブログで、もしくは別の媒体で、どなたかが、過去にほぼ同じような事を書いていたでしょうか??たった今、自分で「なんか読んだ事あるなー」などと感じました。もしかすると無意識なパクリをやってしまったかもしれません。これを読んでるどなたかで、もし「アレじゃないか?」とお気づきの方がいたら、教えて頂けますでしょうか?宜しくお願いいたします。


ちなみに「バスの乗降口」云々は作り話じゃなくて、本当のことです。実際に僕が見て、感じた事です。でもかつて読んだ無意識下の何かが、これを書かせた(このような文章をイメージさせた)という事もあるのでしょうし…。