この世は知らぬことばかり


今月のほとんどの時間をかけて練っていたプランを現場に向けて提案したが、あまり芳しい反応は無く、一部を練り直す必要さえ生じた。まあメインの部分は通ったのでスケジュールが変動する事は無いので一応安心だが、でもたぶんすんなり行くのではと思っていたので当てが外れた。というか読みが浅かった。


基本、皆、何も言わないのが前提。それで、ぼやっとしたラフ案を出すと、ふーん、みたいな、半分以上関心ないみたいな反応がほとんど。で、その後かなり煮詰めた案を出すと、いやいやいや、それじゃダメでしょそれじゃダメでしょ、みたいな、猛烈な反対意見が噴出してくるのがよくあるパターン。いつものことながら、この独特の波の上をサーフィンするのはなかなか難しい。上手い人でも最後はけっこう強引にまとめることがほとんど。最初から最後まで完璧にまとめあげる人は見たことない。そういう才能もきっとあるのだろうとは思う。根回しの根気とか人徳とかも含めてだが、最終的に「あの人は俺たちのことをわかってくれてる」的な印象に落とし込んでいく力。


勤め人として生きるなら、近くにそういう凄い人がいたら幸せだろう。ずっとその力の下で、その傍らでいつまでも同じ空気を吸っていられるなら最高だろう。けど、まあ、そんなのは絵空事だし、そんな人は現実いませんので、やっぱり皆、目が覚めたら、昨日と同じく、やはりそれぞれ、バラバラに点在したまま、海の上をぷかぷかと漂流してるだけだ。みんなだってそうだよ。足の下は、真っ暗な深海だよ。