青い床の室内が描かれた壁紙


炎天。京成線。佐倉。太陽。川村記念美術館だが、暑い。死にそう。リキテンシュタイン「Mirror」。カッコいい。洗練の極み、これ以上かっこいい解答は、無理という感じ。そして暑い。館内は涼しい。すでに芯まで冷えきっている。外はあいかわらず、地獄の灼熱の炎天下、白い光。現代美術の夏。夏の日本の現代美術。室内だ。こういう空気な。リキテンシュタイン。誰もいない空間。夏の、郊外、いや海沿いの、有料道路で来る山の中。今、こことは別の場所。絵の中の世界。バスの時刻表が錆びている。誰もいない、ホテルのロビー。誰もいないのか、何日も使われてないから、清潔なようでいて、ソファーの肘掛けに触ると、思いのほかざらついていて、薄く溜まっていた埃が手に付く。ガラステーブルの上は少しベタベタする。潮風のせいだろう。空調も効いてるし、呼べばスタッフも居るのだろうが、なぜか物音一つしない。セミの声が、かすかに聞こえてくるだけ。何の意味もない、申請予算が通るうちは、ずっとこのまま何年も、維持運用されるのか、こういう場所、あったような、なかったような、なつかしい。熱で朦朧とした頭の中。