片付け


レンタカーで、妻、妹、姪、僕の四人で、父の自宅へ。冷蔵庫の中のものを全部処分し、ごく簡単に掃除する。病院に支払い、市役所で死去に関する手続きなど済ます。一応、この期間中やれることはおおむね終わった、というかそう思い込む。鵜方駅を出発したのが、たしか午後二時くらいだったか。妹と姪の子は、そのまま鳥羽水族館に寄り道するというので鳥羽でさようなら。僕と妻の二人は東京へ向かう。いや、僕と妻と、骨になった父だ。おそろしいことに、人間二人と人間でないもの一人の合計三体という気分が心のどこかにある…。父親は久しぶりの上京だし、我が住まいに父が来るのは、今日がはじめてのことである…。おそろしいことだ。


帰宅後、どこに位牌と骨を置くのか、妻とひとしきり議論する。(酷い出来の遺影は置かない。捨ててしまいたいくらいだが、それも酷いので、とりあえずクローゼット奥にしまい込まれるだろう。)場所的に、寝室の枕元がいいでしょうとなる。低い高さの棚が床に置かれていて、その上にDVDプレーヤー、左右に2.1chスピーカーが置かれているその真ん中のスペースに位牌と骨壷を配置した。まるでAV機器(ONKYO)とのコラボ仏壇みたいで斬新じゃん、と思った。この前父宅から奪ってきた染付けの猪口が、お供え用の器として丁度良かったのでそれも置いた。