ホテル


ホテルのラウンジとかバーというのは、都心のホテルなら深夜まで営業しているけど、観光地やリゾート地のホテルではラウンジはともかくバーなどはじめから無いか、あっても思いのほか早く閉店してしまうのは、まあ当たり前といえば当たり前だろうが、なんとなくつまらない。観光地やリゾート系だと、夕食が終わって風呂を利用する客もいったん途切れるような時間になると、館内に宿泊客の姿などほとんど見かけず、フロントやロビーの照明も落とされて、建物全体が暗くて閑散として殺風景で無人の施設に過ぎなくなる。それがなんとなくつまらなくて、これではまるで修学旅行生の宿泊する少年自然の家みたいだと思ってしまう。たとえば、どこか一箇所だけ、ほんの一角だけポツンとオレンジ色の光が灯っていて、その元に小さなバーカウンターがあって、眠そうなバーテンダーが俯いていて、服を着て靴も履いた姿の宿泊客が幾人か、眠るまでの時間をそこで過ごしていたらいいのにと思うが、まあ実際にそんなホテルのバーがあっても、やっぱり何となく面倒くさくて利用しないかもしれないが。