日本大通り駅


次の瞬間、どうやら僕は深く眠ってしまい、そしてしばらく意識が戻らなかったらしい。しばらくあって、ふと目を覚ましたら、僕を乗せた電車は、どこかの駅に停車している最中だった。あ、と思って、慌てて下車した。どこだここは。見慣れない駅だ。一度も降りたことのない知らない駅。プラットホームには誰もいない。僕はしばらくその場に立ち尽くした。乗客のほとんど乗っていない電車はやがて唸りを上げて走り去り、閑散としたホームは静寂に満たされた。電車の中で眠ってしまって、降りる駅を乗り過ごしてしまうなんてなあ。やや油断した。だらしがない。まったく酷いものだ。でもいまはずいぶん頭の中がすっきりしている感じで、きっと深く眠ったからだ。どのくらい眠ってたのか?そもそも今何時?腕時計を見たらいつもの駅に到着する時間を三分過ぎていた。この駅の名前は「日本大通り駅」。みなとみらいから二駅先である。さらに五分ほどしたら、向かいに反対方面の電車が来た。