百円lighter


会社のマシンにトラブルが多い。去年の秋口に二台、今年になって二台か三台。なぜかこの拠点に僕が赴任して以来頻発している。しばらくのあいださっきからずっとぼんやりとしている。眠れないというわけではないが、まだ眠らない。この時間になるとかえって眠る気にはなかなかならないものらしい。今日はダメージがでかくて業務影響が出そうで強い緊張を感じた。午後一時過ぎから三時前くらいまでテンパッてた。とりあえず現場が対処してくれたので大事には至らなかった。そして明日もおそらく寝不足で起きるのか。窓を開けて、風もなく涼しいとも思わないが、熱さが耐え難いということもなく、いつものようにこれといって書く事もないので、ただぶらぶらしている。家に居るのに、ぶらぶらしているとは言わないだろうが、ぶらぶらしていると言うのが相応しい。それにしても、今日は久々に冷や汗をかいた。こういう感覚は久々。酒を飲みたくなってくる。中途半端に、細かいことをいっぱいやりかけて、みんな途中で消えてしまう。缶ビールがなくなってしまう。ちゃんと確認して、そのときは大丈夫だったと言っても、実際のところそんなのは確認のしようがない。冷蔵庫を何度も開けに立つ。冷蔵庫の光で暗闇の周囲が照らされた。コンビニみたいに、皆が、冷蔵庫の光を好きだ。今日は蚊がいる。蚊取り線香のいい匂いが漂う。たしかに少しリリースが早すぎたのかもしれないとは思う。ノセられて疑い深さを欠いた。この百円ライターはもう十年以上使っていて、溜まっていた埃が焼けて炭化物のこびりついた表面は煤で黒ずんで焼け爛れたようになっている。しかしなぜまだ火が点くのか。ライターのゴリっとした回転する輪っかを親指で回すと、鈍い音とともに小さな炎がゆらめくのだ。そしてそれは一秒か二秒で消えてしまう。でももう一度ゴリッとした回転する輪っかを親指で回すと、やはり同じように火は点くのだ。それの繰り返しで、十年以上の月日が流れた。こんなに長く使えるとは驚いた。でも、だったらまあ、確かにそれも、そうだったのかもしれない。僕が間違っていた可能性も否めない。