三遊亭小遊三


あまり書く事も思いつかない。九月というのに相変わらずまだ暑い、などと書いてみるくらいか。本を読むのも、半月くらい前から捗らなくなってきたが、まあ別に、捗らなくてもかまわないのか、と思って、そのまま適当なペースで読んでいる。今日は高田馬場で昼食。窓の外から駅を見ていると雲が流れていくのがよく見えて、一枚写真を撮った。高田馬場は久々だ。西武新宿線、JR、東西線が乗り入れている。一時期はすごく頻繁に来ていた場所だったが、最近だとここ十年で一度か二度程度しか来てないだろう。なんとなく、歩いている人々が総じて若くて、全体的にがさがさと落ち着きのない雰囲気に感じる。しかし渋谷の感じとはまた全然違う。もっと地味で鬱屈した感じというか。食べ物の店も若者向けが多い。その後は暑さでバテバテで、へとへとになって帰った。


小遊三  :お!?
歌 丸   :どうしたの?
小遊三  :なんだ、鏡かおい!福山雅治かと思ったよ。


上記は小遊三がよくやるネタの一つだが、たぶん小遊三はおそらく本気で、たぶん実際、俺は福山雅治と同じ程度にはモテる、と思ってるに違いない。そして世間は皆、小遊三が実際のところ福山雅治と同じ程度にはモテるなどとは、きっと夢にも思ってないだろうということも、わかってるに違いない。そして、いつものように平然とした顔で、あれ?俺か。福山雅治かと思った、などと言って、そうしてそれはいつも、それなりにうける。そうやって小遊三は結果的に、今まで実際に上手くやれていて、まあ女にもそれなりにモテてしまっているという事実は、あるよな。と思っている。だから結局、やっぱり生きるってのは単に、一方的に努力を重ねたり、やたらと力んでても、それでは暖簾に腕押しになるのがほとんどだろう、そうじゃなくてもっと力を抜いて、ちょっとした時を見計らって、軽く、ほんの少し上手くやるだけでいいのに、それだけのちがいなのだ、あまり上手くは言えないが、でも自動販売機の下を除けば小銭を拾えるっていうのは、要するにそういうことだ、拾えないやつは絶対に拾えないのだ、ほんのちょっとのコツに過ぎないのだ、まあでも、それで小銭が稼げたり女にモテたりしたとして、それがなんだ?だからなんだというのか?という話ももちろんあるから、なんだ、鏡かおい!福山雅治かと思ったよ、自分がそう言ってるときは自分でも面白くて、でもあとは大抵、別に大して面白くもないので、福山ネタはまだかなりしばらくのあいだ、しつこくやるだろうな、などと思っている。