外食


中目黒で、行きたいと思う店が三軒くらいある。この一年半の間、中目黒を毎日通り過ぎていて、全く寄り道もせず、行きたい店などまったく無かったくせに、急にそれだから、じつに馬鹿なものだが、行きたいと思ってしまったら行きたい。とくに今は、ワインが飲みたいのだ。最近は、ワインを飲みたいとばかり思っている。あと、店にいるとき、外を眺めたいのだ。それもすごくよく思うことだ。外の景色、できれば川や水を見たりしながらだと、すごくいい。川じゃなくても、人の歩いてる通りを見ながらでもいい。とにかく外を見たい。外にいたいということかもしれない。内側と外側の曖昧なところにいたいというか。それで、そのようにしながら、飲みたいのだ。のむということのそれ自体は、内側でのこと、という感じがするので、それが、外側の新鮮さにたえず触れながらでの事でありたい、という事でもあるかもしれない。それで、最近思うのだが、ワインはやはり、お店の人の言うことをよく聞いた方がいい。店でのむでも、酒屋で買うでもそうだ。今までは、面倒くさいから、大体なんとなく、見た目でというか、並んでいるのを端から順々に買っていったりとか、まあ気分で適当に買っていて、それでもかまわないことはかまわないのだけれど、一応、店の人の言うことを聞いて、こっちの思ってることも話してみて、その内容が云々というより、それでそのときだけは完全に任せてしまう方がいいと思うようになった。任せて、良かったとか良くなかったとかの方が、自分自身でのときよりも、良い悪いの色合いが違うので、それが面白い。とくに店でどのワインなのかは、料理に合わせてという部分があるから、基本は店の人の思いを尊重した方が良いくらいのものかもしれない。自分はただ座っていて、ただひたすらそれを受け入れて、味わっている状態のまま、ふーっとため息をついて、外の景色を眺めたりする。とくに今は、そういう事がしたいとしばしば考える。