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月が凄い光り方。群青色のさらに濃いような色をした夜空の真上に、完全に青味がかった白色で、反射ではなく光源そのものとして輝いているようにしか見えない。目をこらしても眩しくて直視できないほどの光。その周囲がぼやっと明るく照らし出されて、ほんの少しだけ朝方から午前中の時間帯の空の色になっている。夜空のある一部だけが、朝になってしまっているのだ。ひとつの空に夜と朝が両方ある情況というのは、想像するよりもはるかに異様なものである。その空をかなり厚い雲のいく連なりもが高速で移動しており、それらの雲もつきのあまりの明るさに自分の存在感を捉えあぐねているかのような半透明な煙のような色合いで、それでもはっきりと目視できるほどのスピードで空をどんどん進み、煌々とした月をたちまち一気に覆ってしまうのだが、雲の厚みが遮ることのできるような明るさではなく、雲に穴を空けるかという勢いで光って、雲の体内ぜんぶが透けて見えてしまうように内側から光って、その光源がみるみる移動していくのが雲越しに見えて、あっという間に反対側から、またひときわ輝きながら膜を脱いでふたたび現れる。