チョコレートの味。この解決のつかなさ。苦味と粘り気の、口内にいつまでも残ったままの、満足などではない、一気に蔓延する広がり。これを食べてよかったのか、悪かったのか、とにかくしばらくのあいだ、通り過ぎるのを待つしかない。

遅く起きて、簡単な(手抜きの)食事をして、あとは読書などしながら、ひたすらソファーに座っているだけで一日が暮れた。いろいろ書くこともあろうが、結局こうして書くときになると、どうにもそれぞれをいちいち書き起こすのが、徒労に思えてしまうために、いつもこうして、淡白に終わってしまう記述が続くことになる。でもまあ、今年は心機一転して、もっといろいろとやるだろう。この長い休みの間に、本来自分が問題だと思っていたこととか、ここに安らぐという部分とか、そういうのを色々思い出せそうな感触があるので、それをもとに、ここで一旦大きく再帰して、踏み直しの一歩を踏み出す感じである。過去を振り返って、自分に引きこもることが、かえって前に進むことになることもあるのではないかという予想である。

ミハルコフ「機械じかけのピアノのための未完成の戯曲」をさっき観た。こんな正月の、時間のある一日の最後に観るには、うってつけの作品という感じ。この閉塞感、このばかばかしさ。前に進むだなんて、笑ってしまう。まったくの、この世の外との通信でも信じなければ、まったくやってられないという、その連綿と続く凡庸な煩悩の欲望の吹き溜まり。