荒川を見ながら、北千住の図書館に寄って、そのまま柳原千草園まで歩く。新緑がまぶしい。川の流れは相変わらずだが風が吹くたびに細かく刻むようなさざなみの、まるでスパンコールがきらめくかのようにきらきらと光る。鈍く重く空気の層がゆっくりと姿勢を変えるので風がふき木々の音が反響する。


アジを四尾買ってきて、一尾はなめろう、一尾は刺身、一尾は塩焼き。恥ずかしながら何を隠そう私は魚を三枚におろすという営為を、今日はじめて実体験した。…まあ、どうにかできたことはできたけど、これはおそらく、たぶん、同じことをもっと手早く、魚に触っている時間をもっと極端に短くして、魚の皮膚に人間の手の油脂ができるだけつけないような気持ちで、さっさとやるべきなんだろうなとは思った。なにしろ今のやり方では遅すぎで、自分で自分があとでこれを食べるのかと思うと、なんとなく気が塞がってしまうほどだ。もっと全然誰にも触られてないような感じのままで食えれば最高なんでしょうね。でも、面倒くさいことだ。もし明日の夜から、仕事から帰ってきてから同じようにこれをやるか?と言ったら、いやー、ちょっとめんどくさいかも、とは思う。