ボトル


瓶があって、飲んでますわな。それでボトルの中の、酒の嵩が、グラスに酒を注ぐたびに、じょじょに下に下がっていきますわな。冷えたボトルの、真っ直ぐに立った直径何センチかわからないけどボトルの、上から下まで最初は酒が入ってましたわな。それが、飲むとじょじょに、それが減りますわな。最初の一杯をグラスに注ぐと、ボトルの首から肩の下あたりまで、まず無くなりますわな。そのあと、二杯、三杯と飲むうちに、肩の線が全部出て、ラベルの貼ってある線の上あたりまで飲んで、そのあと半分まですぐ来ますわな。それでもさらに飲むと、ラベルの下辺にくっつきそうな位置にまで来ますわな。そのあともう一杯注ぐと、瓶の下のところにたまっているだけの、何百年も前からくりかえしあらわれた酒のボトルの、いつもの少ない感じになりますわな。そのあとさらに飲むのか、もうやめるのか、どちらにしても面白くないですわな。面白くないですわな。