最近、週末の朝は必ずパンとベーコンエッグを食べている。三連休なら朝は三日連続で食べるし、翌週も同じだ。普通にスーパーで売ってる卵とベーコンでの、何の変哲もない調理である。ただし黄身は半熟以下の、ほとんど表面だけがかろうじて固まっている程度の熱の入れ具合が良いし、もちろん熱いうちに口に運ぶのが良い。ベーコンエッグが、僕が、昔よりずっと好きになったのが、なぜなのかが、我ながら不思議だ。昔のように醤油を使わず、塩と胡椒だけで食べるようになってからが、より好きになったような気がする。胡椒は香りが立つように全体に、あとベーコンの塩分を少し補強するような気持ちで、黄身の上には若干多めに塩を振る。それで、黄身と白身と肉と油が合わさるだけでとても美味しく、パンもなおさら美味しい。卵と醤油は合うと世間一般に思われているかもしれないが、じつは、そうでもないと思う。というかふだんから、醤油味を意識することが大事だ。絵を描く場合に例えたら、醤油は使いやすくて誰でも好む絵の具のようなもので、他色と較べても一回り大きめなサイズのチューブに入ってるようなものだが、なんでもかんでもそれを混ぜては単調になってしまう。まあ、細かいことを言えるほどの事は何もしらないけど、やっぱり塩を見直すことが大事だ。料理においては、塩というものの意味をそれなりに考えているか否かが大きいような気がする。きわまれば、超シンプルな食材に対して塩加減だけで感動するような結果にもなるわけだし。