土曜


土曜日は休日なのである。土曜日が休日であるということを、土曜日になると、かみ締めるのだ。それを寝ながら。


で、午後になって上野まで、カラヴァッジョ展。美術館入口まで来て、切符売り場にちょっと並んでる様子を見て、やっぱ入るのをやめようか、となる。さすがに、いくらなんで弱すぎる。カラヴァッジョ展を観に来て、事前に引き返すのが、これでもう二度目か三度目である。でもなんとなくやっぱり、並ぶ、というか、近づくのが、嫌なのね。で、六月の十何日かまでなので、さすがに終わるまでには観にくるはずだがどうか。カラヴァッジョなんて、いまさら別にね…とも思うのだが、でもたぶん観たらそれなりに、やっぱり盛り上がるようにも思う。っていうか、さすがに、あのバッカスは観ておきたいと思ってしまう。


神保町で本屋をうろつく。本を物色しているというよりは、じっと耐えているような時間。何に耐えているのかは、よくわからない。購入欲とかではない。なにか、よくわからない、むだに気負って、流れに逆らって、頼りない石に掴まっているような感じ。


日が暮れてくる頃に、岩本町まで歩いた先の店で飲んで帰宅。素材感。香りの良さ。お店、がんばれ。お店は、商売は、ただひたすら、がんばれ。


フランクル「夜と霧」を、じつはまだ読んでない。読むのに気合というか覚悟が必要だと、ばかみたいに思い込んでいる。五十歳になるまでに、読もうと思っていると、今日なぜかふいに口にした。さすがに、そのくらいまでには、読もうと思うのだが、でも別に、来月あたりから読み始めるのかもわからないのだし、別にわざわざリミットを定める意味もないのだが、でもさすがにこのまま五十歳過ぎたらさすがに駄目なんじゃないかと、なんとなく思ったのでそう口にした。でもまた気が変わるかもしれないが。