マンハッタン


「マンハッタン」をDVDで。しかしこの映画を観るのも、もしかして四半世紀ぶり、とかではないか…。内容はすっかり忘れていたが、あらためて観たら、「アニー・ホール」とくらべてしまうと、一歩も二歩も譲る出来栄えという感じ。モノクロの画面で、全篇ガーシュインの音楽が鳴り響いてしまえば、とりあえずの目的は達したみたいな。出てくる登場人物たちが類型的過ぎるというか、あまりにもそれ風な物語のためのそれ風な人々すぎて、どうでもいいわという気分になってしまう。学生を演じたマリエル・ヘミングウェイは、健闘しているとは思うが…。


でも中学生のとき、この映画のポスターだかチラシだかを、はじめて見たときに、なんてかっこいい雰囲気の映画だろうと思って胸をときめかせたものですが…。その後、ビデオになってから観て、若いからなんでも面白いわけなので、そのときはまあ良かったのだけれども…見直してみると、こんなもんか、と思ってしまうのは、ちょっと悲しいのだが…。でも、まあ十代や二十代の頃に観てもしょうがないというか、四十代の男が十代の娘と付き合うということの意味は、なかなか若いうちはピンとこないに決まってる、というか昔は、物語とかの説話的な部分とはまるで無関係な、全然別なところばかり観ていたのだ。もう思い込みとかが凄くて、目の前の映画がどうとか殆ど関係なく、ぜんぜん身勝手に盛り上がって観ていられる。そういう観方が正しいとは全く思わないが、でもそのパワーがあるうちが花だとも言えるかも。とかなんとか。


今日は休暇を取得したので土曜日から三連休だったが、結局どこにも行かずにウディ・アレン大会になってしまった。(発案者は妻。)(昨日は「スリーパー」も観た。)とりあえずウディ・アレンはもう本日以降、我が今生においては鑑賞する必要がなくなったと思った。もう充分である。「インテリア」も借りてあるのだが、僕は十年前くらいに観た。どうってことないということだけは、おぼえている。でもある意味、ウディ・アレンらしくない一本なので、その意味では、まあ、観てもいいかも。でも、なんだかんだ言っても、結局、また忘れたころにダラダラと恵比寿あたりで新作を観に行ったりする可能性もあるかもね。なんとなく、そういう風に、深く考えずに手を出しやすいというところはあるのだ。夫婦でとりあえず何か観ますか?みたいなときに。スーパーの食材で、とりあえずこれ買っておけば二人とも食べるし、みたいな。別に大して美味しくなくても扱いやすいしロスも少ないし、みたいな。


ほんとうに、文字通り、ゴロゴロと寝そべってばかりの一日だった。ああ、こんな休日だなんてなあ、、とも思うが、じたばたしてもしょうがないしなあ、、とも思いながら、うつらうつら、して、文庫本をばさりと落として、また拾って、数行追いかけるうちに、またうとうと。


暑くはないが、なんとなく蒸している。クーラー入れると寒い。窓開けても、風なし。なんとなく不快。休みだなあ、と思う。