角材


図書館に本を返してから、東急ハンズでスギの角材を買う。自室の机は自作というか、7、80センチくらいの高さの棚二つを離して置いて、その間に180cmくらいの板を二枚渡して、それが自分の机なのですが、この上にはCDプレーヤー、ターンテーブル、ミキサー、デジタル音源MIX用デバイス、スピーカー二つが並べてあるほかに、左右スピーカーの上に三枚目の180cmの板が渡してあって、その上は本棚というか並んだ書籍類の他、アンプ、VHSデッキ、PCとVHSデッキを繋ぐアップスキャンコンバーターなどが置いてあり、アームに支えられた液晶モニタの画面が上下板を跨いで手前に浮かんでいるという状態になっている。足元にはアナログレコードの詰まった縦型セパレーターやPCレースゲーム用ハンドルコントローラーや、デスクトップPCやその付随品類などが置いてある。


要するに、もうぎっしりで、全く動かしたくないような状況なのだが、この状態のうち、下の二枚の180cm板の高さ位置を10cmほど上げたいのである。上げて、どうするのか?というと、先日家に来たワインセラーをその下に置きたいのである。バカだから、いつの間にかそういうのを入手するわけですよ。僕がね。でも一番安価なヤツだけど。まあそれで充分だと思うけど。で、まあそれはいいとして、でも最初は食器棚の脇に置いてあったのに、夜静かにしてるとどうしても作動音が気になるとか妻が言うので、仕方が無いので自室に運び込むことにしたのである。しかし今のままでは高さが足りず机下に入らない。で、そのための素材が二本のスギ角材ということになる。


買った角材をぶら下げたまま、店のドアを開けた。お一人様です。カウンターに案内される。東急ハンズの包装紙というのはすばらしくて、どんなブツでもこれに包んであると、傍からはまったく人畜無害な買い物をしただけの只の庶民に見える。こんな長いもの、もし包装されてなかったら、ゲバ棒にしか見えないというか、こういうものをぶら下げていると、その気が無くても、つい振り回したり人に面撃ちしたくなったり暴動の準備を始めたくなったり、そういう欲望を喚起させる効能はあるものだなと思う。


前菜×2、アサリと何かのボンゴレデザート。ワインは白ばかり四杯くらい。お店の作りが、全部開陳しますというくらい豪快な隠し立ての無いオ−プンキッチンで、カウンターのやや高い椅子に座って、スタッフ四、五人が猛烈に働いているところをまるでテニスやプールの監視員のように見下してる感じ。なんだか、あんまり見てたら却って悪いみたいな後ろめたさを感じなくもない。ほら、冷蔵庫から出したものをガシャーンと床に落としたりしてるし…。でもすぐ目の前にスタッフが来たときには、その手元はこちらから見えないので、きっと本当に秘密のことをしたいときには、むしろ客に向かい合うような位置に来て、その真下で手を動かすのだろう。


帰ってきてから作業を開始する。すべてのブツを床に下ろすところから始まって、たちまち汗まみれ埃まみれになり、三時間近く掛かって、どうにか作業完了した。結局、各機器の配線と動作検証に時間が掛かるのだ。これがなければ、半分の時間で済むのだが…。それはまあ、しょうがないとしても、しかし、やはり机高さが10cmも上がってしまったのは、ちょっと高すぎた。もはやこの机は、座って作業できるような高さとは言えない。ほとんど、立って利用するカウンターに近い。これはこれで、どうしよう。このままではまずい。高い椅子を買えばいいのか。椅子も、アームで支えてるような、昔のアニメに出てくる偉い人が座ったままでアームで位置を移動できるみたいな、というか、映画の撮影監督の乗ってるクレーンみたいな、ああいう椅子があればいいのにな。あれで、自室もリビングもキッチンも座ったままで移動する。ウチみたいな狭い間取りで、あえてそれを使うのがクールなんだよ。まあ、それはさておくとしても、椅子かあ。椅子も、高いからなあ…。それよりこの机の手前側について、今一度、考え直すか。


そういえば帰りに、ついでみたいにして、PS3も買った。PS3。テレビでYoutube見れるのが便利だしわりとキレイに映るし、やや操作し辛いがそれをつけっ放しにしておけば下らないテレビ番組を見なくて済む。