カレー


水泳も、飽きてきたね。というか、もう限界だ。これ以上速くは泳げない。それに決定した。もはや今後のアクアライフに、先が見えてしまった。死ぬまでずっと、このペースで、泳ぎつつけるのだ。でも、まあ、酒を飲んでるよりは、泳いでる方がマシだっていうくらいの理由で、泳いでいるわけです。


さて、家で作るカレーについてだけれども、家では、エバラ食品の横濱舶来亭カレーフレークBLACK辛口またはS&Bのスパイスリゾートケララカレーを使います。僕じゃなくて、妻が作るんですがね。どちらも、かなり辛めです。それにしても、美味いですねカレーは。しかし美味いと言っても、所詮カレーだろ、とも思いますがね。


ここでカレーと言うとき、いわゆる市販のルーを使った、日本風またはそれに近い家庭用のカレーを指していますが、カレーは、あの料理は、美味いかどうか聞かれたら、美味いと言わざるを得ないのですが、それはともかくあの料理は、口に入れると、口の中全部が、カレーの味になってしまいます。口の中全部と、口腔奥から鼻腔、喉奥や目元近くまで、ぜんぶカレーの味と香りになりますね。あれは、どうなんでしょうか。あそこまでして良いのか。あれを美味いというのは、当たり前というか、あれだけ広がるものが、あれでもし美味くなかったら、それは既に、ほとんど苦痛に近い話です。


また、カレーという料理は、調和というものをまるで考えることができないところが、特長でありますね。カレーが、食卓にその一皿だけが、ぽつんとある感じ。カレー風味とかスパイスを使った料理なら話は別ですけれども、カレー単品に、何かを添えて、とか、組み合わせのハーモニーとか、一切ありえない。もちろんある種の漬物とかは付け合せるし、サラダとかが並ぶ事もあるでしょうけれども、それらが食品としてカレーと対等の立場とは言えない。カレーと対等に渡り合える食品など存在するのでしょうか。ライスやナンで食したり揚げ物を乗せたりしますけれども、あれらすべて、カレーという大地の上ではじめて存在感を示すことを許されているのであって、対等であるとはけして言えない。すべてを飲み込んで、すべてを自分の色に染めてしまう、それがカレーと言う食品の唯一にして最大の特徴なのです。


なにしろカレーは、酒に合わないですからね。ビールになら、かろうじて合うとも言えるかもしれませんが、あれは合うというよりも、邪魔にならないというだけです。水が邪魔にならないのと変わらない。まあ、ビールもその味わいの細かいところだとか香りだとか、カレーと一緒では、ぜんぜんわからなくなるので、厳密にはやはり、ビールも合わないと思った方が良いでしょうね。