180


軽量カップでグラス一杯に何ml入るのか、ある程度正確に知りたくて、水を入れて量る。よく使う小ぶりなグラスの、半分より少し少ないくらいまで入れると、大体110mlくらい。だろうなあ、やはりそうだろうなと、しずかに納得する。これ一杯に入れたら、それは一合弱くらいなのだなと、感慨深い思いに浸る。180mlという存在感、そのイメージというか、モノの在りようというか、重さや量感や運動の気配、そして人間の長い歴史と文化の営み、それらに感じ入る。傾けた器の底で、あっけなく消え去ろうとするその儚さを思う。