同い年


朝も夜も、通勤や帰宅の乗客でいっぱいの電車内は基本的に誰もあまり話をせず車内がしーんとしていることが多いので、誰かが喋っているとその声はわりと大きく電車の中に響き渡って、対話者同士の会話を周りの人たちが黙って聞き続けるみたいな状況になることも多い。今日の帰りは呑んだ帰りらしき高齢者男性二人が、わりと落ち着いた喋り方ではあるがけっこうでかい声で年金の話とか生活費とかの金にまつわる話をえんえんしていた。読書時など、そういう声はわりと耳障りなので、イヤホン音楽を再生して遮断とかの対策をよくやるのだが、その前にふいに聞こえてきた言葉「俺も来月で七十七だからね…」と言うので、へーっと思って思わず振り向いて、発言した爺さんの顔を見てしまった。この人、死んだ父親と同い年で、誕生月も同じということになる。そして、へえ、若いな、ぜんぜん元気そうだな、、とあらためて思った。