更新


東陽町まで、免許の更新に行く。新たに発行された免許証の顔写真と五年前のやつを見比べるが、ほとんど変わってないように見える。でも、他人が見たらそうでもないのかもと思って、妻に見せたら「変わってないんじゃない」との言質をとったので満足した。というかそんな自分が愚かで我ながらなさけなくなる。


無事故無違反の「優良」ドライバーは、三十分程度の講習を受けて、そのとき10分ほどビデオ映像を見るのだが、路上を走行しているとき対向車線のバイクを引っ掛けるとか、飛び出してくる歩行者を跳ねるとか、そういうことの無いように気をつけましょうという、いつもの内容ではあるが、はるか昔の二十年も前に数ヶ月だけ実家の近所を運転しただけで、以降まったく車のない生活をしていると、こういう映像は妙になつかしいというか、運転席から路面の流れていく様子や信号や標識を見るときの視点そのものがなつかしい。そして、やっぱり車の運転というのは面倒くさいなあと、ふだん歩いているとき、如何に自分がぼけーっと他所事考えながら歩いているかを思えば、同じような態度で車に乗ったら即事故だろうなと、今まで何度も思ったことを今回もまた思うのだった。


電車やバスに乗っているような気分で自家用車に乗れたら、それが一番最高だと思うが、車の運転が好きな人は、そういうことは求めてなくて、あくまでも自分で操縦し、その結果がフィードバックされることが重要なのだ。僕はビデオゲームをやるとすればほぼ自動車のゲームばかりで、そういうのは好きなくせに、実際に車を運転するのは嫌いというか、現実の空間を現実の車で走るなら、自動車のゲームを楽しむようには楽しめないなあとは思う。現実のサーキット場のような場所でビデオゲームのような気分で現実の自動車を運転してみたいという気持ちならある。とはいえ、まあ、しかし最近は、ゲームなんてまるでやる気にならない。