Shine


シャッフルで聴いていて、突然再生されると、ああーっ…となる曲シリーズ。


Moodymann "Shine"
https://www.youtube.com/watch?v=MTR9pJDrAyY


夏が、来たのだなあ…と思う。


僕はJ Dillaにもそう感じるが、ハウス・ミュージックもヒップ・ホップも、このツギハギを無理矢理貼り付けて無限に繰り返してるだけの実も蓋もなさ。このフレイバーこそがすべてだなあ、などと思う。


"Shine"のリリースは2003年である。Moodymannは翌年の2004年にアルバム「Black Mahogani」をリリースするが、これは00年代にこの私が選ぶ音楽のベスト3に入る(というかベスト1の可能性大)レコードと言って過言ではないのだが、こうして聴くと、すでに"Shine"という曲が「Black Mahogani」の雰囲気を相当色濃く予告していたのだなと、今更のように思った。


以下、Moodymannのレコード発売時の思い出


「Silentintroduction」

1997年、新宿三丁目のヴァージン・メガストアで買ったのをおぼえている。埼玉の実家でひたすら聴いた。たぶんこういうハウスは当時唯一無二だったと思う。ちょうどChemical BrothersとかUnderWorldとかDuft PunkとかProdigyなどが流行っていた時代だが、しかし、これらは今思い出すとそれぞれ全く違った音楽である。そしてこの中でハウス的な愉悦感を感じさせるのはどれかと言ったらDuft Punkだけだろう。つまりソウルだった、ということだ。1997年は、まさにmoodymannとdaftpankだった。(当時はR&Bばかり聴いてた。)


「Mahogany Brown」

1998年、新宿のタワーレコードで買った。その年の夏に父親の家でひたすら聴いた。"Sunshine"のギターのトーン、ギターのトーンだけで「この感じ」が実現できてしまうのかという驚きがあった。"Mahogany Brown"、"Black Sunday"の衝撃…。1998年の夏はすべてが「Mahogany Brown」だった。


「Forevernevermore」

2000年、たぶん上野のHMVかユニオンで買った。前2作と較べるとあまり聴いてない。しかし聴くことは聴いてる。


「Silence In The Secret Garden」

2003年、たぶん上野で買った。これに"Shine"が収録されている。これも、まあ普通に聴いたが、このときはまだ"Shine"という曲の素晴らしさにきちんと気付けてない。


「Black Mahogani」

2004年、たぶん上野のHMVで買った。"Love You So much"、"Runaway"に身も心も奪われ、"Black Mahogani"に骨の髄までしゃぶり尽くされる。2004年の夏はすべてがこの音楽。


「Black Mahogani II」

2004年リリースらしいが、僕が国内盤を買ったのは2005年だったような気もするが、忘れた。上野のHMVで買ったのはおぼえている。Moodymann的な音楽が、Moodymann以外のレコードでも聴けることを知りはじめた。つまりデトロイト・テクノ/ハウスだった。Theo Parrishも3chairsもSUBMERGEのライブ盤もLos Hermanosも聴いたし、Jeff MillsのExhibitionistも、Richie HawtinのDE9 transitionsも出た。時代はハードミニマルが終焉を迎えてクリックとかPCによるMIXとかが流行り出した頃。このあたりからひたすら電子音楽ばかり聴くようになる。とはいえ、色々聴いても結局は、Moodymannサウンドは、やはりMoodymannのレコードでしか聴けなかった。ちなみにPerfumeを知ったのもこの頃。"リニアモーターガール"をはじめて聴いたときは、けっこう衝撃だった。


2008年以降、Moodymannはアナログ主体でのリリースになっていく。以降のリリースも漏れなく聴いているが、後は割愛。