Fourges Et Sabres


https://www.youtube.com/watch?v=JfdpQr1yiZI


先週注文して、昨日届いたLuciano「Fourges Et Sabres」を繰り返し聴く。2007年リリースの12"、当時こういったオーガニックなミニマルが、突如として隆盛をきわめた感があった。僕にはその風潮がやや疎ましくて、テクノは常にもっとわかりやすくグルーヴ重視のファンキー路線であってほしくて、中途半端な環境音楽めいた音の大量発生に不満足を感じたりもしたが、Ricardo Villalobosやlucianoなどたしかにある種の突き抜け感はあって、これはこれで新たな時代の新鮮さであるかと考え直したりもした。が、十年も経ってこうしてあらためて聴くと、その音そのものの気持ちよさがはっきりと感じられてひたすらリピートしてしまう。なんのことはなくて、自分がこれを知って楽しむのに十年を必要としただけという話に過ぎないのだけれども、楽しいなら、まあいいじゃないと。


ところで昔はアナログの音をPCにinputして録音したファイルをMP3に変換していたのだが、何年か前に配線を全部繋ぎなおした影響で、それが出来なくなっていることに今日気付いた。現状だとどう考えてもPCへinputする流れが思いつかず、以前それをどのように実現していたのか、いまいち頭に思い浮かんでこない。機器を前に引きずり出して背後の線を調べれば答えを思い出せそうだが、休日の数時間をそういうことに費やしたくないという気持ちが最近は勝るので、いいやいいや、もう忘れよう、録音しなくていい、この場で聴くだけでいいですと自分を追い立てて、もやもやした気分を強引に消し去った。しかしかなりしつこく、いつまでも気になってしまう。


歩いてすぐのスーパーに行こうとおもてに出た途端に、予想を軽く越える大気の熱量に驚く。思わず笑いが出る。ちょうど沸いたばかりのお風呂に全身を沈めたときの、あーすごくいい湯加減ですと言いたいような感じに似ている。