眠り


眠りという言葉から受けるイメージは
休む、力を抜く、意識を失う、忘れる、終わる、停止する、リセットされる…
衰弱、死、喪うこと、滅ぶこと…

などというものでは、じつは全然なかった。
眠りというのは、むっと生臭いような、きわめて動物的なものだった。

ぐっと鷲掴みにするような、羽交い絞めにするような、そのままけして離さぬ意志のような…
なりふり構わず、恥も外聞もなく、体裁も問わず…
欲望むき出しで、のたうち、うごめき、すべてをひらくような…

そんな感じだ。

居眠りしている人から、匂い立つような生き物のパワーが伝わってくる。