youtubeでフジロック2


暑い暑いと言いながらささっと買い物してすぐ帰ってきた。


Youtubeフジロック。"浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLS "。浅井健一相変わらずカッコいい。このままでもう二十何年もずっとやり続けているのだから、じつにすごい。


今後はジャンルとしてのロックが、ますますジャンルの枠をはっきりとさせ始めるのかもしれない。大昔のジャズ・ミュージシャンたちなら、きっと皆、殺すぞみたいな殺気を身体に漲らせてステージに立って演奏して、それこそそういう空気が充分に成り立つ、ファンやミュージシャンや関係者たちで形作る世界があったのだろうけど、今ジャズをやっててそんな空気を身体に漲らせることが可能な人は、なかなか珍しいはず。今の時代のジャズ・ミュージシャンなら皆多かれ少なかれジャンルとしてのジャズに意識的で、それにアプローチする自分に意識的にならざるを得ないはずで、そのとき自分と音楽とのあいだに冷静な客観性が介入する。きっと今後、ロックもそうなっていくのだろう。(生まれたときからロックミュージシャン、みたいな神話はもう成立しない、それはロックで食うのがますます難しくなるということでもあるのだろうし、ミックとキース的な永劫続くパートナーシップの有効性とか美学も都度検討されるべきということだろう。)("Johnny Marr"とMorrisseyが決裂しても解散しないThe Smithsは考えにくいが、これからのバンドは必ずしもそういうことが脆弱性にはならない。)


"Suchmos"ボーカルの人は、見た目がまるで寿司屋の板前さんみたいになってた。これはきっと、強く神奈川文化、その地域固有な若者気質の匂いなのだろうなと思った。クレイジーケンバンドほどこれみよがしではないにしても、歌詞の中に具体的地名が出てこないにしても、ある場所から発する固有の匂いがある。地域性の匂いを纏っているというのも、とくに日本のロックバンドとしては、昔からの正統種という感じがする。国立とか福生とか、世田谷とか渋谷とか中目黒とか、日本のロックが具体的地名を挙げることは珍しくなく、そこに作り手の私小説的な匂いが漂う。


"ANDERSON.PAAK & THE FREE NATIONALS"、"JACK JOHNSON"なども観て、最後"CERO"を観ておしまい。今の"CERO"バンドは何度観ても圧倒的。こんなに良かったっけ?と言いたくなるくらい素晴らしい。そういえば"CERO"メンバーの荒内佑が「Webちくま」で連載しているエッセイをいくつか読んだことがあって、音楽だけでなくそういう文章を書いてもほんとうに上手いというか、頭がいいというか、もう"CERO"っていうバンドは全体的に頭良すぎると思う。脈絡を欠いた唐突な異常値のような才能という感じではないと思うが、何をしても全体的にすごくハイレベルという感じなのだ。今の"CERO"は、その秀才な感じが最大限に発揮されている状態という気がする。