スタンダード・ナンバー

人は誰でも、いいところと悪いところがあります。
あの人もそう。
いいときは本当に、素直で明るくて、前向き。
悪いところも当然ある。直すべきところも、どうしようもない部分も。
まあ、当たり前のことでしょう。

でも、実はいいところも悪いところも、あの人が自分で全部作っていたんですよ。
どちらも、あらかじめ準備されていた。
でも、それもわかるし、それでもかまわないと思った。
どちらかと言えば、私だって同じタイプだ。
ずいぶん、煩わしくて手間のかかることばかりだったけれども、それでもどこかで共感していた。
できるだけ、守りたいと思った。

あの日、「二人でお茶を」飲みながら、窓際の席で話した。
この十日間は、「昼も夜も」熱にうかされていたらしい。
あなたを待っていた、「戻ってくれたら嬉しいわ」と伝えた。

そこまではした、結局は、だめだった。
でも、やるだけのことはやった。
あれからもう半年がたつ