首都圏

朝六時前に起きて、テレビの台風に関するニュースを見ると、昨日のJR発表に続くようにして、首都圏の各社鉄道もかなりの路線が運転見合わせになっていた。しかし我が住まいの足立区から横浜方面へのルートで、僕が使えるいくつかのパターンのうちの一つに一縷の可能性が見込まれたので、少し早めに家を出た。

 

外はまだかなりの強風と雨で、昔フジロックの準備で買った未使用のレインコートがはじめて役に立った。フードを手で抑えつつ、風の方向へ身体を傾けながら歩く。身体前面を覆う黒い生地を、無数の雨の玉が丸いガラス粒のようにびっしりと付着してはすべって転がり落ちていくのを見ながら駅へ向かった。

 

千代田線で渋谷まで来て、ここから東横線の回復を待つにあたって、いつものことだけれども、こういうとき(だけ)ツイッターはものすごく役に立つ。渋谷駅の電光掲示板がまだ何も映し出してない時点で運転再開の情報を複数キャッチできたのですぐホームへ移動、目の前にすべり込んできたわりとガラガラの電車に乗り込むことができた(ここ超幸運)。

 

会社には二十分遅れで到着。人の混乱に出くわさずむしろ閑散とした構内や車内を座席に座って来れたのでむしろ普段並みかそれ以上にスムーズな通勤だったけれども、各鉄道の午後を過ぎても一向に収拾がつかない混乱状態を見てると、通勤距離から鑑みるに自分は単なる幸運だったのだと、たまたま運が良くて助かっただけなのだということを思い知った。一歩間違えれば延々何時間も死の行軍に加わってしまって何ら不思議じゃなかった。

 

夜は通常運行でふつうに帰宅できた。

 

帰りに三つ葉を買ってきてと言われて、スーパーに寄って三つ葉を手に取り、レジで会計した。帰宅して買ったものを渡したら「これ芹だよ」と言われて、あ!と思った。これが芹であることは、僕も最初からわかっていたはず。芹と三つ葉の違いくらいわかる。というか、店の中で手に持ったそれを眺めながら「これ、芹だな」と、言葉以前の段階で認識していたはず。しかしなぜか、それを三つ葉として、そのまま買ってしまったのだ。それが芹であるという認識と、三つ葉を買ったという認識が、ふつうに共存できてしまった。

 

プログラミング的には、連携する二つの条件式に矛盾がある可能性が疑われるわけだが、一度組んだプログラムがその後変わってしまうことはないわけだから、式自体は正しいはず。だったらインプットされたデータの問題か。三つ葉と芹の組み合わせに何らかのリスクがあるのだろうか。

 

あるいは低気圧のせいか。