定例

10月下旬、毎年この季節って、いつもこんなだっけ、いやいやいやたぶん違うでしょ、こんな、暑いんだか寒いんだかよくわからない、上着きてもなんか汗ばむみたいな、根拠不明な不快感のまとわりつくような、でも、まあ仕方がない。日が暮れたので、何しろまた、いつもの店へ向かって歩いていると、店の前のテラス席傍らに立って店内を覗き込んでる姿勢のE氏が見える。立ち飲み屋じゃないんだから…と思って、なにしてるのかと思ったら、窓越しにスタッフの子と喋ってるのか。僕が近づくと、店の子の方が、あーっ!とこちらに気づいて喜んでる。E氏はいつもの無表情でこちらに顔を向け、けっこう遅かったじゃないですか、と一言。見た?あの娘、僕が来たとき、たぶん君より嬉しそうな顔してたじゃん、と言ったら、E氏は不機嫌そうに無視する。

やがて残りの三人も来て計五人、妙な暑さが鬱陶しいのでビールからスタートする。Kさんと僕は初対面なのではじめましての挨拶。気さくで気兼ねない、感じいい女性。それにしても少なくとも僕とE氏はこの店に来過ぎで先週だか先々週も来てるから、この黒板メニューも既にかなり見覚えあって、どれを注文してもいまいち新鮮味ないのだが、E氏なんかおそらく週一ペースで来てるから、オンメニューのほぼ全料理を知ってるのではないか。Kさん以外の人は半年ぶりくらいに会ったけど全然久しぶり感なし。いつものことだけど、このタイミングでとくにこうして集まる必然性もほぼないのだけど、定例大事、それはそれで良し。昔の上司で今は経営者のN氏、順調そうで何より。喋ってると昔のままだが、なつかしい昔っぽさを感じさせられたこと自体は、久しぶりかもしれなかった。ボトルもばんすか空き、皿も積み重なり、食後酒までしっかり飲み干して、お支払い額もなかなかしっかり目で、総じて満足だったのではないでしょうか。未明に帰宅。